抗ガン剤で心筋が萎縮する機序を解明

生理学研究所心循環シグナル研究部門の西田基宏教授は、九州大学、群馬大学、東京大学、京都大学との共同研究で、心筋細胞膜に存在する、抗ガン剤投与により発現増加するTRPC3チャネルが、活性酸素を発生することで心筋細胞を萎縮することを発見。TRPC3チャネルを阻害する化合物が、抗ガン剤誘発性の心不全を軽減することを明らかにした。
 抗ガン剤を投与した動物の心臓で活性酸素を作る酵素(NADPH酸化酵素:Nox2)の数が増加し、筋力低下の原因となる酸化ストレスを誘発することが知られていたが、なぜ抗ガン剤でNox2の数が増えるかについては不明であった。研究グループは、細胞膜上に存在するカルシウムイオン(Ca2+)輸送タンパク質の一つTRPC3がNox2と結合し、その分解を抑制することを発見した。
(29年9月1日号)