拡張された多極子の新たな電気磁気効果検証

 蜂の巣構造上の電子スピンが渦状に並んで秩序した“トロイダル秩序”と呼ばれる磁気構造を持つ磁性体では、秩序状態で電流を流すと電流方向と垂直に磁化が誘起される現象、電流誘起磁化が起きうることが2014年に理論的に予言された。北海道大学大学院理学研究院の網塚浩教授、齋藤開大学院生らの研究グループは、この理論予想を実際の物質(UNi4B)を用いて初めて実験的に検証した。
 網塚教授によると「この電流誘起磁化は、通常の磁性体の磁化に比べて100万分の1程度の弱さであるため、本質的な信号以外の電磁的なノイズをいかに除去するかが課題でした。研究では、磁化測定装置(量子干渉磁束計)の出力信号を解析する独自の手法を考案して、この問題をクリアしました」という。
(30年4月6日号)