高温超伝導転移直前に未知の電荷秩序発見

 岡山大学大学院自然科学研究科の鄭国慶教授、川崎慎司准教授らの研究グループは、銅酸化物高温超伝導体において、未知の「電荷密度波秩序」が存在することを新たに発見した。
 物性の研究に外部摂動として強磁場の印加がしばしば用いられる。ただ銅酸化物(CuO2)面に垂直に磁場を印加するとボルテックス(渦糸)が生成されて、渦糸中心の影響が新たに生じてしまう。
 そこで、研究グループは、面内に渦糸が生成することを防ぐためにCuO2面に平行に磁場を印加し物性応答を調べることにした。その結果、超伝導発現し始めるところでは、スピン秩序に取って代わって電荷秩序が現れることを突き止めた。電荷秩序の臨界温度は、スピン秩序温度の連続的な延伸であり、キャリア濃度の増加とともに減少する。
 鄭教授の話「銅酸化物高温超伝導体ではスピンや電荷、ボルテックス(渦糸)等が複雑に絡み合っているが、今回の研究で電荷の振る舞いを他の秩序から分離して測定できた意義が大きい。今後、電子のもつ基本素性である”電荷”の役割にいっそう注目が集まり、高温超伝導発現機構の解明に拍車がかかることを期待したい」
(29年11月24日号)