JAXA宇宙研究所とNASA科学局が宇宙科学分野で協力

 JAXA宇宙科学研究所とNASA科学局は22日、宇宙科学分野での協力についての共同発表を行った。
 今回の機会では、今後、開発が進められる3つの宇宙科学ミッションについて協議していき、協力をより一層強化することを確認した。
 火星衛星のフォボスからのサンプルリターンを目指すJAXAの火星衛星探査計画(MMX)に対し、NASAは中性子・ガンマ線分光計(衛星全体の元素組成を測定)を提供することで合意。また探査機の航法やサンプル採取に関する技術についても協力を進めていく。
 X線天文衛星代替機(XARM)については、昨年事故で損失したひとみ(X線天文衛星)に搭載されたものと同様のNASA開発の軟X線分光検出器(SXS)を搭載することを確認した。
 太陽物理学分野では、太陽上空の中間層と彩層上部と遷移層での磁場を観測する太陽観測ロケットミッション(CLASP実験)を引き続き行うことで合意。今後行うCLASP2では、日本は内部構造と光学機器を提供する予定だ。
 この3点以外にも、金星探査機『あかつき』や惑星分光観測衛星『ひさき』で科学データの分析を継続して行うことなどが確認された。
 宇宙科学研究所の常田佐久所長は「火星圏の探査という新たな共同事業に着手できるようになったなど、宇宙科学における日米協力は新たな発展の段階に入ったと強く感じている」と話した。NASA科学局のトーマス・ザブーケン局長は「今回の対話を通じて両国間の関係が強まったことを嬉しく思う。今後とも協力関係を継続することで、より多くの影響を科学コミュニティに与えていきたい」と語った。
(29年9月29日号)