106年ぶりにテヅルモヅル新種

 東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所の岡西政典特任助教と国立科学博物館の藤田俊彦研究グループ長らの研究チームは、国立科学博物館を含む世界中の博物館に所蔵された14個体のツルボソテヅルモヅル属の標本を観察し、昭和天皇ご採集の標本を含む、日本の太平洋側(東北沖、相模湾、三重沖)から採集された11個体のツルボソテヅルモヅル属の一種が、新種であることを発見し、アストロデンドラム・スピニュローサム(標準和名:トゲツルボソテヅルモヅル)と命名した。
 テヅルモヅル類は、腕の分岐するクモヒトデ類(棘皮動物門)の一群で、深海性の種が多いため、分類学的な研究が進んでいなかった。日本からは、1912年に記載されたアストロクラダス・アンニュラータス以来新種の記録はなかったため、トゲツルボソテヅルモヅルは、日本における106年ぶりのテヅルモヅルの新種の報告となる。世界中の博物館が、古いものでは100年以上にわたり保管していた標本に基に得られた成果であり、自然史研究における博物館標本の重要性、それを基に研究を展開する博物館の研究施設としての機能の重要性を示すものである。
(30年3月16日号)