ジルコニウム「魔法数持たず楕円形」

 魔法数を持つと思われていたジルコニウム110だが、魔法数は持たず、その形もレモンのような楕円形であることが明らかになった。理研仁科加速器研究センター櫻井RI物理研究室のピーター・ドーネンバル研究員、櫻井博儀主任研究員らの国際共同研究グループが、RIビームファクトリー(RIBF)を用いて明らかにした。Physical Review Lettersオンライン版に18日掲載された。
(29年3月3日号)

画像処理で経編ニットの欠陥検出を自動化

 東京都市大学知識工学部の包躍(バオ・ユエ)教授と富山県立大学工学部の中田崇行准教授、城西ニット(荒木貢取締役社長)らの研究チームは、スポーツウェア等に用いられる複雑な立体構造をもつ経編ニットのオンライン検査・欠陥検出システムの開発に成功したと発表した。織り目模様を1次元離散フーリエ変換によって抽出することで欠陥検出フィルタを自動作成し、これを用いた欠陥有無判定に、正規分布と発生確率の概念を導入することで実現した。実際の織機でも性能を確認し、現在、企業がシステムの実用化を進めているという。コスト削減に貢献すると期待される。成果は計測自動制御学会論文集2月号に掲載された。
(29年3月3日号)

植物が栄養だけを取り込む仕組み解明

 東京大学大学院農学生命科学研究科の李保海研究員、神谷岳洋准教授、藤原徹教授らの研究グループは、植物の根の栄養吸収に重要な役割を果たしている特殊な構造(カスパリー線)を形成する新規遺伝子LOTR1(LORD OF THE RING 1)を同定し、その解析の過程で、スベリンと呼ばれる脂質の一種が物質輸送における障壁として機能していることを発見した。今回、植物の根がその成長に応じて物質輸送の障壁を柔軟に形成し、栄養吸収を効率良く行う仕組みの一端を明らかにしたことで、効率的な栄養吸収を行う作物の作出に寄与するものと期待される。Current Biologyに24日掲載された。
(29年3月3日号)

「放射線ストレスに反応して形成」核内構造体を発見

 東京理科大学理工学部応用生物科学科の松永幸大教授、平川健大学院生らの研究グループは、植物のDNA修復開始時に、細胞核内で形成される構造体「RAD54フォーサイ」を発見することに成功した。
 放射線照射や化学物質暴露は、DNA損傷を引き起こすため、生物は速やかに、DNA修復を開始するが、修復開始時に、細胞核内で修復タンパク質がどのような挙動を示すのかはよくわかっていなかった。松永教授によると、これまでにシロイヌナズナを用い、DNA損傷の一種であるDNA二本鎖切断により、細胞核内のクロマチン動態が構造変化に伴い変化することを明らかにし、この動態変化には、クロマチンリモデリング因子RAD54が関与していることを示してきたという。
(29年3月3日号)

日本独自の人工透析システム 中国に導入

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、東レ・メディカル、東レおよび東京女子医科大学に委託して、中国江蘇省の南京医科大学第二附属医院へ日本独自のセントラル方式人工透析システム(CDDS)を導入し、9カ月間の実証試験を実施した結果、システムの安定稼働と透析水清浄化で国際基準を達成し、その有効性を確認した。これを受け、東レ・メディカルは今後、この実証事業で得た知見をもとにCDDSの中国市場への本格参入を目指す。
(29年3月3日号)

SNPアレイ情報1万人の分譲開始

 東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)、岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構(IMM)は、宮城や岩手の沿岸部に住む人々を対象にしたコホート調査で収集した約1万人分の生体試料(DNA、血漿、血清)・情報(年齢や生活情報等)、SNPアレイ(一塩基多型の個人ごとの遺伝型)情報の分譲を開始した。分譲を受けた研究は、病気の原因解明や治療法開発につながる成果を出すことだけでなく、次世代医療や個別化医療など、東日本大震災の被災地に成果が還元されることが求められる。
(29年3月3日号)

東レ科学技術賞決定

東レ科学振興会(榊原定征会長)は、第57回東レ科学技術賞と東レ科学技術研究助成、第48回東レ理科教育賞の受賞者を決定した。
 東レ科学技術賞は、科学技術分野で優れた業績をあげた研究者を顕彰する。今回は「不斉自己触媒反応の発見とホモキラリティーの起源の研究」で■合憲三・東京理科大教授が、「原子核のクォーク構造に関する開拓的理論研究」で初田哲男・理研数理創造プログラムディレクターが受賞した。
(29年3月3日号)

東工大の社会人アカデミー4コース受講者募集

 東京工業大学社会人アカデミーは、一般を対象とした2017年度「理工系一般プログラム」に「環境科学」「環境工学リサイクル」「環境工学エネルギー」「食の安全と安心」の4コースを新規開講し、受講者を募集している。
 受講場所は同大田町キャンパス(東京都港区芝浦3-3-6)。自らを取り巻く生活環境に焦点をあて、受講者自身が問題と解決策を考える講義内容。大学・大学院レベルを対象としているが、受講の動機が明確であれば年齢等の受講資格は問わない。週1回の開講。募集定員は各コースともに30人。コースごとにコマ数や受講料は異なる。申し込み締め切りは4月15日。
 4コースの開催期間、日時、講義内容、受講料は次の通り。
 ◇「環境科学~人間と地球の調和をめざして~」4月22日-6月24日毎週土曜日(4月29日、5月6日を除く)、14時-18時15分(全15回)、受講料3万856円
 ◇「環境工学①リサイクル~循環型社会形成に向けたプロセス技術~」4月21日~6月16日毎週金曜日(5月5日を除く)、18時30分-20時30分(全8回)、受講料1万5428円
 ◇「環境工学②リサイクル~循環型社会形成に向けたプロセス技術~」6月23日~8月18日毎週金曜日(8月11日を除く)、18時30分~20時30分(全8回)、受講料1万5428円
 ◇「食の安全と安心~食の安全・安心を確保するため知っておきたい食品衛生~」4月18日-8月1日毎週火曜日(5月2日を除く)、18時30分-20時30分(全15回)、受講料3万856円
 <申込方法>Webサイト(http://www.academy.titech.ac.jp/)から申し込み可能。
 <問い合わせ>東京工業大学社会人アカデミー事務室、E-mail:jim@academy.titech.ac.jp、電話03-3454-8722、FAX03-3454-8762
(29年3月3日号)