「超小型衛星」大気圏突入実験

 東京大学大学院の鈴木宏二郎教授、日本大学の今村宰准教授、JAXA宇宙科学研究所の山田和彦准教授らの研究グループは、宇宙空間で展開するエアロシェルを備えた超小型衛星「EGG」を開発し、実際に大気圏に突入させることに成功。運用には、世界で初めてイリジウム衛星通信を利用した。
(29年7月7日号)

東海大学「文化社会学部」「健康学部」の来年度開設決定

 東海大学(神奈川県平塚市、山田清志学長)は、4月27日に提出していた「文化社会学部」および「健康学部」の設置届出書が、6月29日に文部科学省に受理されたのを受け、正式に両学部の2018年度開設を決定した。この開設により東海大学は、2018年4月から19学部75学科・専攻・課程を有する総合教育機関となる。
 設置届が受理された「文化社会学部」は、文学部を母体として湘南キャンパスに設置する。異なる文化の地域から共生の精神を学ぶ文化系3学科であるアジア学科、ヨーロッパ・アメリカ学科、北欧学科と、表現・コミュニケーションを学ぶ現代社会系の3学科である文芸創作学科、広報メディア学科、心理・社会学科による6学科編成となる。
 同じく湘南キャンパスに開設する「健康学部」は、少子高齢社会が加速する日本で、身体面の健康だけでなく、心理的、経済的、社会的な側面を含めて健康な社会を創生することを目指した学部である。健康マネジメント学科だけの1学科編成であるが、健康に関する多角的な知識と技能を、社会や企業と一緒に連携しながら身に付け、深刻化する課題の解決を目指し、健康をマネジメントする力を養う斬新な学科である。
 また、伊勢原キャンパスにある現行の「健康科学部看護学科」は、同じキャンパスにある医学部に移行して、医学部医学学科および附属病院との連携をさらに強化して、新たに生まれ変わる。
(29年7月7日号)

『国際宇宙探査の在り方』について中間とりまとめ

 文部科学省で行われている宇宙開発利用部会の国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会(主査:藤崎一郎・上智大学特別招聘教授)は6月28日、第20回会合を開催。日本が主催するISEF2(第2回国際宇宙探査フォーラム)に向けて国際宇宙探査の方針を示すための『国際宇宙探査の在り方~新たな国際協調体制に向けて』について中間とりまとめを行った。
 国際協調の象徴だったISS(国際宇宙ステーション)は、2025年以降のも延長を期待する声がある一方、米国は火星有人探査をゴールにする深宇宙探査ゲートウェイ構想、欧州ではムーンビレッジ構想など、各国は独自の探査計画を発表している。有人で行う宇宙探査(国際宇宙探査)の進む方向は各国でバラバラになりつつある。
(29年7月7日号)

「工学系教育 抜本改革へ」検討委が中間取りまとめ

 明治以来の学科・専攻の編成に基づく1つの分野を深く学ぶモデルから、AI、ビッグデータ、IoT、ロボットなどの新たな産業の創出を目指す工学の役割を再認識し、工学教育を革新しなければならない。大学における工学系教育の在り方に関する検討委員会(座長=小野寺正KDDI会長)が中間取りまとめを公表した。これを受けて文部科学省では、学科ごとの縦割り構造の抜本的見直しや、学士・修士の6年一貫制の導入などを実現するための制度改正等を今年度中に具体化し、来年度から順次実施、19年度から本格実施する。松野博一文科相は「工学系分野の改革を先導役として、その成果を他分野へ波及させることで、高等教育全体の質的向上を図っていきたい」という。
(29年7月7日号)

「自然科学研究50件に総額3億円」三菱財団が助成

 三菱財団は、平成29年度三菱財団助成金の贈呈先を決定した。自然科学研究助成対象50件に総額3億円を助成する。
 大規模な細胞産生を支える組織内物流:力学的共生による経済性(名古屋大学大学院・宮田卓樹教授)、新高温超伝導体を応用したフロンティア磁場空間の開拓(東京農工大学大学院・山本明保特任准教授)、形態パターンに”ゆらぎ”を与える要因に迫る進化発生学的アプローチ(東京工業大学生命理工学院・田中幹子准教授)、ハダカデバネズミにおける抗腫瘍免疫活性に関する研究(北海道大学・清野研一郎教授)、福島第一原発由来高濃度放射性セシウム含有微粒子の寄与率とその毒性に関する研究(九州大学大学院・宇都宮聡准教授)、共鳴電子エネルギー損失分光法による素励起の選択的観測法の開発(大阪大学大学院・木村真一教授)、テトラヒメナのde novoヘテロクロマチン構築機構の解明(基礎生物学研究所・片岡研介助教)、大歪変形実験限界圧力の1桁向上による地球中心核ダイナミクス解明への挑戦(愛媛大学・野村龍一助教)など。
(29年6月30日号)

「ガン専門人材養成」文科省が大学間連携11事業選定

文部科学省は、多様な新ニーズに対応する「がん専門医療人材(がんプロフェッショナル)」養成プランについて、11件の事業を選定した。この事業(今年度予算額15億円)では、大学間の連携による「がん医療人材養成拠点」において、各大学の特色を生かした教育プログラムを構築し、ガン医療の新たなニーズに対応できる優れた「がん専門医療人材(がんプロフェッショナル)」を養成する取組を選定し、支援する。
(29年6月30日号)

「理工系を進路候補に」女子中高生に仕事体感の場

 内閣府、文科省、経団連は「夏のリコチャレ2017~理工系のお仕事体感しよう!」を7・8月に開催する。対象は女子中高生など。
 理工系に興味のある女子高生・女子学生が、将来をしっかりイメージして進路選択することを応援するもの。15年から行っている。主に女子中高生を対象に、理工系の職場見学や仕事体験、施設見学、女性研究者や技術者との交流会などを実施している。今回は、大学や企業など72団体が93イベントを開催。
 7月26日には中日本高速道路による「NEXCO中日本初!女子学生向け高速道路現場見学会」を神奈川県川崎市で行う。7月29日・8月6日には福岡工業大学による「福工大&福工大短大のすべてがわかる!」を福岡県福岡市で開催する。8月2~4日には筑波大学による「夏季リケジョサイエンス合宿」を茨城県つくば市で行う。8月2・8日には郡山市による「目指せ!理工系女子バスツアー」を福島県郡山市で開催する。8月3日には島津製作所による「島津に来て!見て!理工系のお仕事体感しよう!」を京都府京都市で行う。8月4・5日には大阪府立大学による「めざせ!理系女子コーナー 先輩と話そう」を大阪府堺市で開催する。8月23日には旭化成による「リケジョのシゴト知ろう、触れよう」を静岡県静岡市で行う。
 イベント等の詳細は、Web(http://www.gender.go.jp/c-challenge/)まで。
 5月に行われた女子中高生を対象にしたアンケートでは、文理選択の決め手は将来やりたい仕事や興味・関心という回答が6割を超えたが、理系女性が少ない理由として、「女性が数学が苦手という固定概念が強い」「まだ女子は文系、男子は理系という先入観がある」という意見があった。そこで今回のような、理工系の職業や面白さに触れ、固定的な先入観を払拭する機会が求められている。
(29年6月30日号)

情報処理学会会長 西尾章治郎氏に聞く

情報処理学会の第29代会長に西尾章治郎大阪大学総長が就任した。情報処理は、我々の生活や研究開発にとってなくてはならないものであり、今後の各分野の発展や産業競争力にも直結する重要な分野だ。「情報処理技術を開発していくだけでなく、情報処理で社会システムをいかに変革していくかが重要」と話す西尾新会長にお話を伺った。

 ■にしお・しょうじろう 昭和26年10月20日生。昭和55年京都大学大学院工学研究科博士後期課程数理工学専攻修了、京都大学助手、カナダ・ウォータールー大学客員研究助教授、大阪大学基礎工学部助教授、大阪大学工学部教授、大阪大学サイバーメディアセンター長、大阪大学大学院情報科学研究科長などを歴任し、平成27年大阪大学総長。
(29年6月30日号)