世界スパコンランク 国内各機が上位獲得

 国内の各種スーパーコンピューターが、国際的なスパコンの性能ランキングの上位に食い込んだ。
 スパコンのベンチマーク速度性能値を半年ごとにランキングしているTOP500では、5位に産業技術総合研究所の大規模AIクラウド計算システム「ABCI」がランクインした。また「ABCI」は、スパコンの省エネ性能のランキングであるGreen500で8位を獲得している。Green500では、上位3位までをペジーコンピューティング社、エクサスケーラー社製のスパコンが独占した(1位:菖蒲systemB/理研に設置、2位:睡蓮2/KEKに設置、3位:桜)。なお、同じく同社が開発した前回のGreen500で4位、TOP500では3位だった暁光(海洋機構に設置)は、開発を支援していたJSTが計画中止を決定したことから4月に撤去された。
日本のフラックシップマシンである理化学研究所の「京」は、TOP500では16位だったが、大規模グラフ解析(ビッグデータ処理)性能のランキングであるGraph500では、7期連続で1位を獲得した。
 TOP500では、長らく中国のスパコンが1位だったが、今回のランキングで米国がIBMの「サミット」で6年ぶりに1位の座についた。
(30年7月13日号)

「すばる望遠鏡に設置」系外惑星探索装置稼働成功

 自然科学研究機構のアストロバイオロジーセンター、国立天文台、東京大学、東京農工大学、東京工業大学の研究グループは、ハワイ島の「すばる望遠鏡」に設置する新型の系外惑星探索装置IRD(赤外線ドップラー装置)で全機能を活かした天体観測をするファーストライトに成功した。
 IRDは、惑星探査手法の1つであるドップラー法に赤外線を利用して、太陽系外の惑星を探索するために作られた装置だ。現在、世界で最も精密に恒星の速度変化を捉えられる。8月から本格観測が始まることで、太陽の近くにも多数ある、軽くて表面温度が低い(3千度C以下)恒星(後期M型星)の周りを回る地球のような惑星を見つけることを目指す。
(30年7月13日号)

 6月3日に約5カ月半の宇宙滞在から地球に帰還した宇宙航空研究開発機構(JAXA)の金井宣茂宇宙飛行士。15日、筑波宇宙センターで、地球の環境に身体を戻すリハビリテーションの様子を公開した。日本人宇宙飛行士の帰還から9日後の早期の帰国は初の試みだ。

 公開されたのは、自転車をこぐような有酸素運動(ウオーミングアップ用)、ボールやはしごを使った筋力、瞬発力、持久力、バランスなどを必要とするプログラム。今後、ボールを重くしたり、回数を増やしたりと少しずつ負荷を高くしていくという。同席した大西宇宙飛行士は「帰還後は、1日単位ではなく、寝て起きてとか、1時間ごとに身体が回復していくことが実感できた。持久力をつけるのに基本的に休まずに(2時間程度のリハビリを)行う」と話す。ASCRが一緒にプログラムをこなすことから、金井宇宙飛行士は、時折「きつい」といった表情をしながらも、リラックスして取り組んでいた。
(30年6月29日号)

教員1人あたりの国立大研究費 解釈めぐりギャップ

 研究費に対する財務省と大学の研究現場との大きなギャップは何なのか。財政制度審議会が示した、国立大学の教員一人あたりの研究費は、年間653万円(2016年度決算)で、04年度の417万円よりも6割増えている。一方、国立大学の研究現場では「科研費がとれなければ研究ができないばかりか、教育にも支障をきたす」という嘆きの声があふれている。科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は、86国立大学の財務諸表を分析し、研究費に対する認識ギャップの要因を突き止めた。
(30年6月29日号)

電機大が女子大学院生対象に給付型奨学金新設

 東京電機大学は、社会で活躍する研究者・技術者を目指し、 同大学で勉学中の女子大学院生を対象とした給付型奨学金「東京電機大学深井綾女性研究者・技術者育成特別奨学金」を今春4月に新設したが、5月下旬で応募を締め切り、給付を行う奨学生を現在選考している。
 同奨学制度は、東京電機大学の前身である電気学校教授を務め、東京電機工業学校の校長などを歴任した故・波多諄三教授の学園を愛した遺志を汲んだ、ご息女の故・深井綾氏からの寄付金を原資として設立したもの。内閣府が現在推進中の理工系女性人材育成のための「理工チャレンジ」など、近年は国家戦略として女性の活躍を促進している社会情勢を踏まえ、女性の学生を支援する奨学制度として新たに定めた。
(30年6月22日号)

第2期SIP意見募集開始

 内閣府は、第2期戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の各課題の研究開発計画案に対する意見募集(パブリックコメント)を開始した。各研究開発計画は電子政府の総合窓口e-Gov(http://www.e-gov.go.jp)のパブリックコメントあるいはSIPホームページ(http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/sip2pd.html)から見ることができる。第2期SIPは11課題あるが、光・量子技術基盤分野はプログラムディレクター(PD)の決定が遅れたため、6月15日現在、計画案は掲載されていない。締め切りは7月8日。
 今回公表された各課題の研究開発計画案では、具体的な目標や出口戦略、研究開発内容など、1課題あたり数十ページの計画案が示されている。例えば、ビッグデータ・AIを活用したサイバー空間基盤技術では、ヒューマン・インタラクション基盤技術として、行動・認知インタラクション支援技術、高度マルチモーダル対話処理技術、学習支援技術、介護支援技術を取り上げ、それぞれの研究開発内容、最終目標、2018年度の取り組みのポイントなどが示されている。さらに管理法人等の実施体制、知財の取り扱い、産業界からの貢献などについても記述している。
 財務省は現在実施しているSIPの一部の課題について、非常に産業化に近いにもかかわらず、産業界側の負担割合が少ないと指摘。また政府は産業界から大学等への研究費の支出を3倍に増やす目標を掲げてaいる。こうしたことから、今回の計画のうち、産業化に近い課題については、産業界からの支出がどの程度見込まれるかも重要なポイントになりそうだ。ちなみに、スマート物流サービスは研究開発費総額の5~15%程度、スマートバイオ産業・農業基盤技術は15~25%程度、自動運転は15~45%程度を見込んでいるという。
(30年6月22日号)

民間企業の研究活動「他組織との連携 意外に積極的」

過去3年間で研究開発を行っている資本金1億円以上の企業の75・6%が、他の組織との連携を実施したことがある。日本企業は、オープンイノベーションに消極的だと言われているが、実際には様々な形で他組織と連携している実態が、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)の調査で明らかになった。
(30年6月15日号)

国際学生科学技術フェア「日本の高校生が好成績」

 5月13~18日に米国で行われたインテル国際学生科学技術フェア(Intel ISEF)で、日本の高校生が好成績を収めた。
 インテル国際学生科学技術フェアは、今回で69回目。日本は60回目の参加となる。自由研究の成果をまとめた展示パネルを使用し、審査員の口頭試問を受ける。研究の課題設定、計画と手法、実施、創造性、プレゼンテーションが評価対象となる。研究分野別に22部門が設定され、それぞれ1~4等までの優秀賞が選出される。企業や学会などの特別賞も設けている。
 今回は、81の国と地域から1792人が、日本からは12組23人の高校生らが参加した。
(30年6月1日号)