多地点同時映像情報収集基礎試験に成功

 京都大学大学院情報学研究科の原田博司教授、日立国際電気の加藤数衞技師長の研究グループは、IoTデータ収集・制御用広域系Wi-RANシステム用無線機による無線多段中継伝送を用いた多地点同時映像情報収集基礎試験に成功した。一つの長距離無線回線を使って、見通し外通信環境(見通しの得られない地点間)でも遠隔地だけでなく中継地の情報を同時に収集することができる。
(29年7月7日号)

NEDOの古川理事長 石炭火力発電技術を語る

 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の古川一夫理事長は6月22日に記者懇談会を開き、日本と世界の電力エネルギー情勢について話し、エネルギーミックスの基本方針である3E+S(安定供給、経済効率性の向上、環境への適合と安全性)を達成しながら、バランスの取れた電源構成を実現するために、発電コスト(燃料費)が最も低い石炭を用いた次世代火力発電が重要だという考えを示し、NEDOにおける石炭火力発電技術の開発状況を紹介した。
 古川理事長は、世界的な石炭・ガスの火力発電需要について、石炭火力は欧米では今後減少するが、アジアや大洋州を中心とした新興国で、経済発展とともに今後は需要が拡大する見通しだと説明した。一方のガス火力は、気候変動対策や近年のガス価格の下落傾向で、全世界的に増加する見込みで、特に産ガス国が多い中東やアフリカ、欧米で大幅な需要拡大が見込まれるとした。
 今後については、2030年度の日本の電源構成を見通すと、石炭火力は総発電力量全体の26%、ガス火力は27%を占めると想定され、火力発電はエネルギーミックスの基本方針であるバランスの取れた電源構成を実現するために、重要な電源として位置付けられるという考えを示した。
(29年6月30日号)

準天頂衛星システム『みちびき3号機』公開

 三菱電機は15日、内閣府が進める準天頂衛星システムの一部となる『みちびき3号機』を同社鎌倉製作所で公開した。8月11日に打ち上げ予定だ。
 米国のGPSなど複数の人工衛星を使って位置を導く衛星測位は、各国で整備されている。日本でもGPS信号の補完として、2010年に準天頂衛星『みちびき初号機』を打ち上げた。政府は、23年度までにGPSに頼らない自律測位ができる準天頂衛星の7機体制を構築するとしている。今年度は、2~4号機の打ち上げを予定しており、6月1日には2号機の打ち上げに成功したばかりだ。
 位置の特定には最低4機の人工衛星が必要で、準天頂軌道に投入される4号機は10月に打ち上げ予定だ。この準天頂軌道は、地球の自転と同期する静止軌道に対して40~50度傾斜し、遠地点が日本上空近傍になる楕円軌道をとる。公開された3号機は同システムでは初めて静止軌道に投入される。4号機以降も静止軌道に入れる衛星があるかもしれないという。
 3号機は、準天頂衛星システムの一部だけでなく、災害等発生時にメッセージのやり取りができる衛星安否確認サービス(Q-ANPI)も提供できるように3・6メートルのS帯アンテナを持っている。機体は、2、4号機と比べてやや大きく、重量が4・7トン、太陽電池パドルを広げると19メートルにもなる。高さは5メートル程度で、地球を向く面には大きなL帯アンテナを備える。3号機では、パッチアンテナを採用し、アンテナのサイズ、重量を抑えた。機体を駆動させるバス系も軽量化している。
 来年度から4号機体制でのセンチメートル測位サービスを開始する。
(29年6月23日号)

「裸眼でも2D画像がクリアに」画像生成技術

NTTは、3Dメガネをかけない視聴者には2D画像がクリアに見え、メガネをかけた視聴者には立体的な3D画像が見えるという、新たな3D画像の生成技術を開発した。これは、既存の3D表示装置をそのまま用いつつ、メガネなしで見ても画質が低下しないという世界初の技術。これにより、一つの表示コンテンツに対して、その場にいる視聴者一人ひとりが3Dか2Dかを選んだり、両方を切り替えたりなど、楽しみ方を自由に選択できる「人にやさしい3D表示」が実現できると、NTTでは期待している。この開発は、科研費の新学術領域研究「多様な質感認識の科学的解明と革新的質感技術の創出(研究代表者:西田眞也氏)」における、計画研究「信号変調に基づく視聴触覚の質感認識機構(同)」の支援を受けて行われた。
(29年6月9日号)

「AIやビッグデータ活用」政府が知財推進計画決定

政府の知的財産戦略本部は16日、知的財産推進計画2017を決定した。ビッグデータ、IoT、AIを活用したサービスが実際の社会に導入されつつあり、その技術開発と実用化の進展が目覚ましい中、その基盤となる知財システムを構築するため、様々な取り組みを盛り込んだ。安倍首相は「ビッグデータや人工知能を駆使し世界に先駆けた課題解決を行うため、データ利活用に関する契約ガイドラインの策定や不正利用を防止する方策など、Society5・0の基盤となる制度を整備します。知的財産は、誰もが創造し活用できる我が国の貴重な資源です。イノベーションと魅力的なコンテンツで我が国の国際競争力を高めるため、政府一丸となって知財戦略を進めてまいります」と挨拶した。
(29年6月2日号)

CIS系薄膜太陽電池サブモジュールで世界最高変換効率達成

 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)とソーラーフロンティア(株)は、CIS系薄膜太陽電池サブモジュールで、世界最高変換効率の19・2%を達成した。
 これは、光吸収層の製膜プロセス改良による品質改善や、バッファ層変更などで達成した成果であり、NEDOが掲げる2020年で14円/kWhという発電コスト目標の実現に向けて大きく前進した。
(29年3月10日号)

下水道など地下管路掘削に新技術

アイレック技建(東京都台東区、西野龍太郎社長)とNTTアドバンステクノロジ(NTT-AT:神奈川県川崎市、木村丈治社長)、は、下水道などライフラインの管路施工技術である小口径管推進工法「エースモール工法」に使用する新たな位置計測システムとして、光掃引方式位置計測技術を開発した。同システムについては、2月16日と17日にNTT武蔵野研究開発センタで開催された「NTT R&Dフォーラム2017」で展示・紹介した。
(29年3月3日号)

画像処理で経編ニットの欠陥検出を自動化

 東京都市大学知識工学部の包躍(バオ・ユエ)教授と富山県立大学工学部の中田崇行准教授、城西ニット(荒木貢取締役社長)らの研究チームは、スポーツウェア等に用いられる複雑な立体構造をもつ経編ニットのオンライン検査・欠陥検出システムの開発に成功したと発表した。織り目模様を1次元離散フーリエ変換によって抽出することで欠陥検出フィルタを自動作成し、これを用いた欠陥有無判定に、正規分布と発生確率の概念を導入することで実現した。実際の織機でも性能を確認し、現在、企業がシステムの実用化を進めているという。コスト削減に貢献すると期待される。成果は計測自動制御学会論文集2月号に掲載された。
(29年3月3日号)