環境と微生物のつながり可視化するウェブツール

 情報・システム研究機構国立遺伝学研究所の東光一特任研究員、黒川顕教授らの研究グループは、微生物群集構造の大規模データから様々な環境と微生物とのつながりを明らかにし、その結果を利用して環境と微生物のつながりを可視化するウェブツール「LEA」(http://leamicrobe.jp)を開発することに成功した。
(30年7月13日号)

多能性サブタイプ細胞 ヒトiPSから単離

 京都大学工学研究科の劉莉特定准教授(現大阪大学大学院医学系研究科特任准教授)、小寺秀俊教授、于楽謙大学院生(現米国テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンター研究員)、iPS細胞研究所の沖田圭介講師、北京大学生物定量センターの湯超教授らの研究グループは、ゼラチンナノファイバー(GNF)技術とマイクロ加工技術を融合し、シングルヒトiPS細胞を単離・培養する基盤的なシステムを開発。世界で初めてヒトiPS細胞から多能性が高いサブタイプ細胞の単離と培養に成功した。
(30年7月13日号)

ビタミンCのガン転移抑制メカニズムを新発見

 外科手術、放射線療法、化学療法などの補助として用いられる「高濃度ビタミンC(VC)点滴」は、ガン転移を抑制できる可能性が示されているが、その生理機能などの詳しいメカニズムについては明らかになっていない。東京工科大学応用生物学部の佐藤拓己教授らの研究チームは、VCによる、ガン転移抑制メカニズムに関する新たな知見を発見することに成功した。
(30年7月13日号)

前立腺ガン全摘手術後に人工尿道括約筋の選択肢

 前立腺ガンは50代以降の男性に発症しやすい疾患で、日本では年間約1万6千人以上が同疾患の治療を目的に前立腺全摘出手術を受けている。そのうち1-3%に重症の尿失禁が生じるが、その治療選択肢として「人工尿道括約筋(AMS-800)」があることはあまりよく知られていないようだ。
(30年7月6日号)

「全国地震動予測地図」更新

 政府の地震調査研究推進本部地震調査委員会は全国地震動予測地図2018年度版を発表した。
 この地図は、ある場所が一定期間内に強い揺れに遭う確率や、特定の断層で地震が起きた場合の周辺地域の揺れを評価したもの。
 同委員会では平成17年から予測地図を公表している。平田直委員長(東京大学教授)は「先日、大阪府で地震が発生し、被害も出ている。震度6弱程度の地震は日本のどこでも起きる。私たちはデータを常に更新して、最新の知見を入れて地図を作っている。うまく活用できるように皆さんと努力していきたい」と話した。
(30年7月6日号)

ImPACTでしなやかなタフポリマー実現

 革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)「超薄膜化・強靭化『しなやかなタフポリマー』の実現」プログラムの伊藤耕三プログラム・マネージャーは25日内閣府で、これまでの研究開発状況を総括し、各プロジェクトで原理実証(POC)を達成したと発表した。伊藤PMは「通常の材料開発では、性能同士がトレードオフの関係にある。ポリマーでは硬さとしなやかさを両立することが難しかったが、今回のプログラムでは、薄くても破れない、硬くても脆くない、しなやかなタフポリマーについてトレードオフを打破することができた。また当初の計画では自動車部品のプロトタイプ作製が目標だったが、予定以上に進展したため、コンセプトカーを製作し、9月30日には公表する」という。

 各プロジェクトの成果として、住友化学が軽くて頑丈な透明樹脂を、ブリヂストンが低燃費性と高破壊強度を持つゴム複合体を開発したと、それぞれ発表した。両方とも、基礎科学に立ち戻って研究開発を進めたことが、ブレークスルーにつながった。
(30年7月6日号)

水晶発振回路の高速起動化で消費電力を大幅低減

 高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所の宮原正也准教授は、東京工業大学工学院電気電子系の岡田健一准教授らの研究グループと共同で、高速起動と低電力を同時に実現する水晶発振回路の開発に成功した。
(30年7月6日号)

前ガン細胞の領地拡大の仕組み解明

 大阪大学大学院理学研究科の坪井有寿特任研究員、藤本仰一准教授、京都大学大学院生命科学研究科の井垣達吏教授、東北大学大学院生命科学研究科の倉永英里奈教授らの研究グループは、多細胞組織の中に前ガン細胞が生じた時に、細胞同士の隣接関係を変化させることで、前ガン細胞が周辺の組織へと広がり、組織という限られた領地を優先的に占拠することを世界で初めて発見した。
(30年7月6日号)