「膨大なWeb情報が基盤」次世代音声対話システム

 情報通信研究機構(NICT)のユニバーサルコミュニケーション研究所データ駆動知能システム研究センターは、ユーザーの多様な音声入力に応答する次世代音声対話システム「WEKDA(ウェクダ)」(WEb-based Knowledge Disseminating dialog Agent)の研究開発を進めているが、10月26日から28日まで開催された「けいはんな情報通信フェア2017」で、WEKDAを公開した。
 これは、NICTが一般に試験公開中の大規模Web情報分析システムWISDOM Xを用いて、膨大なWeb情報をベースに開発した対話システムである。
(29年11月10日号)

新しい不斉源「トポロジカルキラリティ」の機能解明

 東京工業大学物質理工学院応用化学系の石割文崇助教、高田十志和教授らの研究グループは、新しい不斉(キラリティ)源である「トポロジカルキラリティ」を持つ分子の優れた機能を初めて解明することに成功した。
 不斉には、炭素原子などの不斉な原子が存在する点不斉とは異なる、らせんの巻き方向の違いなど分子の構造に依存した分子不斉がある。研究グループは、分子マシンとして知られるロタキサンやカテナンなどのインターロック分子が持つトポロジカルキラリティに興味を持ち、不斉合成の研究などを展開してきたが、これまでトポロジカルキラリティを活用した例はなく、その不斉源としての価値は全く不明だった。
(29年11月10日号)

ホルムアルデヒド連続測定センサー開発

物質・材料研究機構(NIMS)国際ナノアーキテクトニクス研究拠点フロンティア分子グループの石原伸輔主任研究員らは、産業技術総合研究所(AIST)ナノ材料研究部門と共同で、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドを継続的にモニタリングできる小型センサーを開発した。これまでは測定ごとに検知タグの交換が必要だったが、ホルムアルデヒドにさらされると導電性が変化し、清浄な空気で導電性が元に戻るセンサー材料を開発することで継続的なモニタリングが実現した。スマートフォンなどと組み合わせることで、ホルムアルデヒドガスの発生を常時検知するシステムの実現が期待される。
(29年11月3日号)

非シリカ系メソポーラス材料の合成に成功

 産業技術総合研究所無機機能材料研究部門物質変換材料グループの木村辰雄研究グループ長は、有機架橋ホスホン酸と金属塩化物から非シリカ系の有機無機ハイブリッド型メソポーラス材料を合成する産総研オリジナルの手法を改良、原料の反応性を連続的に制御することで多様なメソポーラス材料を合成できる技術の開発に成功した。

(29年11月3日号)

「超巨大遺伝子群を制御」ゲノム領域発見

 東京工業大学バイオ研究基盤支援総合センターの廣田順二准教授、岩田哲郎研究員、東京大学大学院農学生命科学研究科の東原和成教授、理化学研究所脳科学総合研究センターの吉原良浩シニアチームリーダーらの研究グループは、においを感知する嗅覚受容体の遺伝子発現を制御する新たな転写調節領域(エンハンサー)を発見した。
(29年11月3日号)

半導体ダイヤモンドで超高温発生

岡山大学惑星物質研究所の米田明准教授、謝龍剣大学院生、愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)の入舩徹男教授、高輝度光科学研究センターの肥後祐司研究員らの研究グループは、半導体ダイヤモンドヒーターを用いた超高圧下での高温発生で、川井型マルチアンビル装置(高圧発生装置:開発者の故川井直人大阪大学教授を記念した名称)で半導体ダイヤモンド(SCD)ヒーターを開発し、従来よりも1000K以上高い約4000Kの温度発生に成功した。
(29年11月3日号)

症状ない感染者がノロウイルス発生源か

 ノロウイルスに感染しているにも関わらず、症状の出ない無症候ノロウイルス感染者が多数おり、このことがノロウイルス感染症の伝播につながっているかもしれない。神戸大学大学院医学研究科附属感染症センターの勝二郁夫教授、内海孝子特命講師、国立感染症研究所の片山和彦室長(現・北里生命科学研究所教授)らの研究グループは、インドネシアの健康なボランティア(無症候者)の便中から高率にノロウイルスが検出されることを分子疫学的に証明した。無症候感染者がノロウイルス感染症の発生源となることを示唆しており、ノロウイルス感染症の伝播様式の解明につながる成果である。
(29年11月3日号)

雷放電経路3次元観測システム試験開始

防災科学技術研究所は、雷放電経路3次元観測システムによる雷の試験観測を開始した。
 このシステムは、落雷だけでなく雲内や雲間の放電(雲放電)観測にも優れたLMA(ライトニング・マッピング・アレイ)を観測装置を用いる。これは、落雷や雲放電により放射された電磁波(VHF帯)を複数台のセンサーで受信して、放電位置を決定、3次元的な放電経路(緯度、経度、高度、時刻など)を取得する。現在、茨城、千葉、埼玉、東京に8台のLMAセンサーを配置している(将来的には首都圏に12台を配置する)。
(29年11月3日号)