光ファイバーの世界最短変形区間 検出成功

東京工業大学科学技術創成研究院未来産業技術研究所の李熙永大学院生、水野洋輔助教、中村健太郎教授の研究グループは、光ファイバーセンサーによる世界最短の変形区間の検出に成功に成功した。
 光ファイバーに沿った変形(伸び)や温度を任意の位置で取得できる分布型光ファイバーセンサーは、建物や橋梁などの構造物の健全性診断のため、世界各地で精力的に研究が推進されている。分布型光ファイバーセンサーにおいて、いかに短い変形区間(および高温区間)を検出できるかは極めて重要な性能指標である。従来のシステムでは、実験的に検出可能な変形区間の長さの世界最短値は3ミリメートルであったが、構造物の微小なひび割れなどの検知のため、これを超える短い変形区間を検出できる手法が望まれていた。
(30年1月1日号)

新たな負ミュー粒子生成法の原理実証

京都大学原子炉実験所の森義治特任教授、石禎浩准教授らのグループは、半減期の長い核種を変換する負の電荷を持ったミュー粒子(ミューオン)を生成するシステム(MERIT)の原理実証に成功した。内閣府・ImPACTプログラムの一環で行われた。
(30年1月1日号)

CIS系薄膜太陽電池セル変換効率で世界記録

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とソーラーフロンティアは、CIS系薄膜太陽電池セル(約1平方センチメートル)で、世界最高変換効率の22・9%を達成した。
 CIS系薄膜太陽電池は銅、インジウム、セレンなどによる化合物を光吸収層とした太陽電池である。CIS系薄膜太陽電池の基本構造は、透明導電膜/バッファ層/光吸収層/裏面電極をガラス基板上に積層した構造となっている。
 今回の成果は、CIS光吸収層の改良や光吸収層表面処理の改善などにより実現したもので、平成29年1月にソーラーフロンティアが同じセルサイズで達成した、当時の世界最高記録である変換効率21・7%を1・2ポイント更新した。
 NEDOでは、目標に掲げている発電コスト「2020年に14円/kWh、2030年に7円/kWh」へ向けて、大きく前進したと評価している。
 今後、NEDOとソーラーフロンティアは同発電コスト目標実現に向け、引き続き、一層の変換効率向上や製造コスト低減、信頼性向上などの技術開発に取り組む。
 また、ソーラーフロンティアは、今回の研究成果を活用した製品の実用化に向けて開発を進める。
(30年1月1日号)

唾液腺自体が温度を感知して唾液分泌を制御

 生理学研究所細胞生理研究部門の富永真琴教授らの研究グループは、唾液と涙の新しい分泌メカニズムとして、副交感神経の制御だけでなく、唾液腺自体が温度を感知して唾液分泌を制御していることを明らかにすることに成功した。
(30年1月1日号)

「一部を壊しても即座に動作」クモヒトデ型ロボット

 一部の足を破壊しても、即座に動くことができるクモヒトデ型ロボットが世界で初めてできた。東北大学電気通信研究所の石黒章夫教授、加納剛史准教授、佐藤英毅さん(大学院修士課程、当時)、小野達也さん(大学院修士課程、当時)、北海道大学電子科学研究所の青沼仁志准教授、東北大学大学院医学系研究科の松坂義哉講師(現・東北医科薬科大学教授)の研究グループが開発し、想定外の故障に対して即座に適応できる。
(29年12月22日号)

ピリジンから簡単に窒素成分除去

 理化学研究所環境資源化学研究センター先進機能触媒研究グループの侯召民グループディレクター、胡少偉基礎科学特別研究員、羅根特別研究員、島隆則専任研究員らの国際共同研究チームは、多金属のチタンヒドリド化合物を用いて、非常に安定なピリジンの「炭素-窒素結合」を温和な条件で切断することにより窒素成分を除去し、炭化水素成分を環境のシクロペンタジエンとして分離することに成功し(29年12月22日号)
た。

「水蒸気にさらすだけ」アルミ高品質化

芝浦工業大学の芹澤愛准教授らの研究グループは、アルミニウムを高温・高圧で水蒸気にさらすだけで、高強度・高耐食化ができる表面処理技術を開発した。数年以内に自動車部材や電化製品などで実用化することを目指す。
(29年12月22日号)

JSTがタッチパネル用センサフィルムを開発成功と認定

科学技術振興機構は、産学共同実用化開発事業(NexTEP)の『金属細線を用いたタッチパネル用センサフィルム』を開発成功と認定した。
 この課題は、産業技術総合研究所フレキシブルエレクトロニクス研究センターの長谷川達生総括研究主幹らの研究成果をもとに2014年4月から、田中貴金属工業が企業化開発を行っていた。
(29年12月22日号)