「金星の謎解明へ」シミュレーションで大気再現

 地球よりも太陽側の軌道を周回する金星。サイズや質量が似ていることから地球の兄弟星と呼ばれているが、自転は極めて遅く一周するのに243日かかる(しかも自転方向は地球と逆)。二酸化炭素の大気で満たされ、惑星全体が厚い雲で覆われている。自転速度を超えて吹く東西風(スーパーローテーション)が特徴的だ。現在もJAXAの金星探査衛星「あかつき」が金星気象の観測を続けている。
 神戸大学の林祥介教授、慶應義塾大学の杉本憲彦准教授らの研究グループは、シミュレーションと観測データを組み合わせて、高精度に金星大気を再現することに成功した。
(30年5月18日号)

「近赤外蛍光イメージングプローブ」酸化CNT用いて開発

 産業技術総合研究所ナノチューブ実用化研究センターCNT評価チームの飯泉陽子博士(テクニカルスタッフ)、岡崎俊也研究チーム長らは、島津製作所と共同で、カーボンナノチューブ(CNT)を酸化する簡便な方法を考案、これを駆使した酸化CNTを用いて、生体透過性のよい第2近赤外(NIR-2)領域で発光する近赤外蛍光イメージングプローブの開発に成功した。
(30年5月18日号)

全固体リチウム電池期待 熱安定性評価技術開発

 大阪府立大学大学院工学研究科の塚崎裕文特任助教、森茂生教授、林晃敏教授、辰巳砂昌弘教授、物質・材料研究機構の田中喜典特別研究員、大野隆央特命研究員らは、近年全固体リチウム電池への応用が期待されている全固体電極材料の熱安定性評価技術を開発、その発熱反応メカニズムの解明に新たな道を拓くものと注目されている。
(30年5月18日号)

日中・中日科学技術論文機械翻訳システム開発

 科学技術振興機構(JST)情報企画部の中澤敏明研究員、京都大学大学院の黒橋禎夫教授らは、ニューラルネットワークを用いた日中・中日科学技術論文機械翻訳システム(https://webmt.jst.go.jp/)を開発した。
 近年、中国から発表される科学技術論文数が米国に次いで世界2位となり、中国語の論文を日本語で検索、閲覧したいという需要が高まっている。科学技術情報の翻訳では、様々な専門用語や最新技術を表す新語が登場することから、技術内容を正しく把握できる機械翻訳の高精度化が望まれていた。
(30年5月18日号)

世界最高性能の耐量子公開鍵暗号実現

 NTTは、量子コンピュータ完成後の時代に必要とされる耐量子公開鍵暗号について、新たな安全性強化手法を開発した。この手法を用いれば、世界最高水準の効率性を持ち、かつ量子コンピュータでも改ざんが不可能など、強固な安全性を持つ耐量子公開鍵暗号方式が容易に構成できるようになるという。NTTではこの研究成果を、4月29日からイスラエルで開催された暗号分野の世界最高峰の会議「Eurocrypt2018」(国際暗号学会主催)で発表した。
(30年5月18日号)

「現在も拡大」銀河団成長の基本法則発見

 大阪大学大学院理学研究科の藤田裕准教授、台湾中央研究院天文及天文物理研究所の梅津敬一教授をはじめとするイタリア国立宇宙物理研究所、米国ミシガン大学、米国プリンストン大学、広島大学、米国宇宙望遠鏡科学研究所で構成される国際研究チームは、宇宙最大の天体である銀河団が、ある一つの法則に従って成長すること、銀河団は成長期の内部構造を保っていることを世界で初めて明らかにすることに成功した。
(30年5月18日号)

「生物サンプリング可能」自律型海中ロボット開発

東京大学生産技術研究所のソーントン・ブレア准教授、九州工業大学の西田祐也助教、浦環特別教授らの研究グループは、AUV(自律型海中ロボット)で、貝のような固形物の採取に世界で初めて成功した。
(30年5月11日号)