仏で発見された新種ダニ 32年ぶりに沖縄で再発見

 目黒寄生虫館の脇司研究員、法政大学の島野智之教授、信州大学の浅見崇比呂教授、琉球大学の佐々木健志博物館学芸員らの研究チームは、32年前にフランスで発見されて以来、発見記録がなかったダイダイカタツムリダニを沖縄で再発見した。沖縄生物学会誌56号に掲載された。
 ダイダイカタツムリダニは、橙色のダニで、大きさは0・5ミリメートルほど。カタツムリの体表や肺の中に生息する。宿主への影響はまだわかっていない。
(30年4月6日号)

5Gの特徴「多数同時接続」 NICTが有効性実証

情報通信研究機構(NICT)のワイヤレスネットワーク総合研究センターは、現行4G(第4世代移動通信システム)の次へ向け世界中で開発実証が進む5Gについて、基地局1台で約2万台の端末の同時接続が可能であることを、実証試験で確認した。IoTなどに欠かせない多数同時接続技術は、5Gの特徴の1つ。今回、その実現に向けて導入が検討されているGrant Free方式と呼ばれる無線アクセス方式を用いて、実証試験に成功した。将来、同方式が実用化されると、災害時などに通信の輻輳が発生するような状況でも、限られた時間内に多数の端末から通信が可能になる。実証試験では、防災倉庫とスマートオフィスの2つの利用シナリオについて、この特徴が有効に活かせることを確認した。
(30年4月6日号)

科学の甲子園全国大会 栄光学園高優勝

 第7回科学の甲子園全国大会は神奈川県代表の栄光学園高校の優勝で3月19日幕を閉じた。第2位は広島県代表の広島学院高校、第3位は東京都代表の筑波大学附属駒場高校だった。同大会は科学技術振興機構(JST:濵口道成理事長)により3月16日-19日、埼玉県さいたま市のソニックシティ、さいたま市記念総合体育館で開催された。
 大会には都道府県の予選を勝ち抜いた47校の高校代表チーム(361人)が参加し、筆記競技1題、実技競技3題に挑戦し、これら合計得点で順位は決定された。優勝校には、あわせて文部科学大臣賞とCIEE/TOEFL賞、第2位には科学技術振興機構理事長賞とUL Japan賞、第3位には埼玉県知事賞と埼玉りそな銀行賞も贈られた。第4位の茨城県立並木中等教育学校にはさいたま市長賞と武蔵野銀行賞が、第5位の和歌山県代表・智辯学園和歌山高校には日本理科教育振興協会賞があわせて贈られた。
 次回の第8回科学の甲子園全国大会は、平成30年度に引き続き埼玉県で開催が予定されている。
(30年3月30日号)

「しなやかで高い放熱性」新たなゴム複合材料

 産業技術総合研究所・東京大学先端オペランド計測技術オープンイノベーションラボラトリー・タフコンポジット材料プロセスチームの伯田幸也ラボチーム長、後藤拓リサーチアシスタント、東京大学の寺嶋和夫教授(産総研特定フェロー)らの研究グループは、環動高分子のポリロキサンと水中プラズマ技術で表面活性剤を使用せずに表面処理した窒化ホウ素のフィラーからなる高熱伝導率エラストマー複合材料(コンポジット)の開発に成功した。
(30年3月30日号)

バフンウニゲノム解読、データベース公開

 バフンウニは、北海道南端より南の地域の海岸線でよく見られるウニの一種で、寿司ネタとしても有名だ。日本では、採集のしやすさ、卵や精子といった配偶子取得の容易さから、発生生物学、細胞生物学等の優れた研究材料としてだけでなく、動物の発生を学ぶ教育現場でも、長い間利用されてきた。筑波大学生命環境系の谷口俊介准教授(下田臨海実験センター)、国立遺伝学研究所遺伝情報分析研究室の池尾一穂准教授、金城その子研究員、お茶の水女子大学湾岸生物教育研究センターの清本正人准教授、広島大学大学院理学研究科の山本卓教授らは、バフンウニ(Hemicentrotus pulcherrimus)のゲノム配列を解読した。研究グループは、研究・教育の過程で利用できるデータベースHpBase(http://cell-innovation.nig.ac.jp/Hpul/)を作成し、3月19日公開した。日本発生生物学会のDevelopment Growth & Differentiationに掲載。
(30年3月30日号)

日本の研究力低下に歯止め」OIST学長が提言

 日本の研究力が国際的に低下している中、その解決策はあるのか? ピーター・グルース沖縄科学技術大学院大学(OIST)学長は3月22日、総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の有識者議員会合で、流動性の向上、ネットワークの強化、イノベーション支援強化、産業界との連携強化という4つの処方箋を提示した。マックス・プランク協会の会長を12年務めたグルース氏が、OIST学長に就任して1年、日本を中から見てきた結果としての提言を日本政府がどのように受け止めるのか、今後の展開が注目される。
(30年3月30日号)

ドローンと有人ヘリ間で位置情報共有 通信実験成功

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、スカパーJSAT、情報通信研究機構(NICT)の3者は3月2日、愛知県愛西市の木曽川河川域とその上空で、ドローンと有人ヘリコプターの間でそれぞれの位置や高度、進行方向、識別番号などの情報を1秒ごとに相互に共有する機体間通信実験を世界で初めて成功させた。実験ではNICTが開発したドローン位置情報共有システム「ドローンマッパー」を用い、920MHz帯の電波で通信を行い、ドローンと有人ヘリが同一空域を飛行中に相互の情報を共有し、運航管理者が相互の位置などを把握できることを確認した。
 NEDOは、2017年度から「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」を推進。物流、インフラ点検、災害対応などに活用できるドローンとロボットの開発を進め、社会実装するためのシステム構築や飛行試験などを実施している。
(30年3月30日号)

宮城県民3万人の口腔内を調査

 東北大学東北メディカル・メガバンク機構は、コホート調査の一環で行った宮城県民3万人の口腔内調査で、ほぼ全員が口腔内に問題があることを発見した。
 東北メディカル・メガバンク計画は、復興事業の一環として行われている宮城県、岩手県の住民を対象にした長期健康調査(地域住民コホート調査、三世代コホート調査)だ。現在、約15万人が参加している。
(30年3月30日号)