「防災庁設置法」が7月13日に国会で成立し、今秋には防災庁が発足する見通しである▼内閣府等の説明資料によれば、設置の背景には南海トラフ地震や首都直下地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震、富士山噴火等、国難級の災害の発生が懸念される中、人命・人権最優先の「防災立国」の実現が急務という認識がある▼さらに、死傷者や避難者を大幅に低減させ、必要な国家・社会機能を維持するため、徹底した事前防災、発災時から復旧・復興までの一貫した災害対応の『司令塔』となる組織が防災庁だとしている。それならば要望したい▼防災対策は国土の利用や開発計画とは切り離せないミッションだと思う。防災庁には、国土計画に対して地震防災を考慮した土地利用・土地開発の計画、特に大都市の再開発を指揮してもらいたい▼首都圏をはじめ他の大都市圏、日本のどの都市も高層ビルや住宅等がびっしりと建ち並ぶ密集地域ばかりである。不動産会社や建設会社、住宅会社等の民間まかせで進めてきた土地利用・地域開発の結果である▼これでは大規模地震が発生したら想定できない被害につながると危惧する。火災が起きれば、道路にあふれる避難する人や自動車に危難が及ぶ。いったん自動車に火がつけば連鎖して火の海が広がる▼地下等あちこちにある駐車場での火災も心配である。建物だけを頑丈にしてもだめだ。それより、過密した建物、人を分散する必要がある。それを国土開発の考え方の基本に据えるべきだ▼例えば、東京都心部の再開発が進んでいるが、さらに密集を進めるような計画ばかりである。そうでなく、密集を解消して空きを設けるような再開発を進めることが、防災の視点からは重要である。
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