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コラム・素領域

科学新聞の1面に掲載している『素領域』全文と、Web限定コラムをお読みいただけます。

2024年7月26日号 素領域

米国が先月、核融合エネルギーに関する国家戦略を策定したことで、日本、イギリス、米国の3カ国における国際競争が本格化することになる。高市早苗科学技術担当大臣は「我が国も国家戦略に基づく取り組みを加速するために、国家戦略の改訂に向けた議論を8月から開始します」と発表。2030年代の発電実証の達成に向けて必要な国の取り組みを含めた工程表の作成、小型化・高度化などの新興技術の活用による研究開発ロードマップ…

2024年7月19日号 素領域

インターネットをはじめ、各種の情報通信メディアの利用状況を、総務省情報通信政策研究所が調査して毎年報告している▼今年も6月に「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の報告書を公表し、10代から60代までの人の利用状況を明らかにした▼それによると、メディア利用の平均時間は、平日がテレビ135・0分(録画視聴除く)、インターネット194・2分となり、いまやインターネットはテレビを…

2024年7月12日号 素領域

海上保安庁は船舶運航者やマリンレジャー愛好家に対し、灯台などで観測した全国各地の風向、風量、風速、高波などの局地的な気象・海象の状況、海上工事の状況、海の模様が把握できるライブカメラ映像などの「海の安全情報」をリアルタイムで提供している。スマートフォン用サイトでは、地図上の管区名をクリックすることで情報を見ることもできる▼海上保安庁が発行する令和5年「海難の現況と対策」によれば、昨年に同庁が取り扱…

2024年7月5日号 素領域

医薬品の供給不足が続いている。日本医師会の松本吉郎会長は4月の健康・医療戦略参与会合の席上、経済安全保障推進法でβラクタム系抗菌薬など11物資が特定重要物資として指定されているが、日常診療で頻用する医薬品が供給不足となっており、対応が必要だと訴えた。議長を務める高市早苗経済安全保障担当相は、可及的速やかに対応するよう指示を出した▼その後、高市大臣のもとを厚生労働省幹部が訪れ、後発医薬品への対応につ…

2024年6月28日号 素領域

米国では議会がSNSのプラットフォーム会社のトップらを呼んで公聴会を開くなどして、SNS上の有害なコンテンツから子供たちを守ろうという声が高まっている▼こうした子供の保護ばかりでなく、インターネットの有害なコンテンツやソーシャルメディア利用、詐欺、サイバー攻撃などから利用者を守る対策の必要性は、日本でも以前からいわれて取り組まれてきている▼しかし、インターネットをはじめとしたデジタルビジネスについ…

2024年6月21日号 素領域

熱中症対策を強化した改正気候変動適応法の今年4月からの施行により、自治体は公共施設や民間施設を指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)として指定できるようになった。これは同法により熱中症特別警戒情報が発表された場合に暑熱避難施設として開放が義務づけられた施設で、環境省の定める条件を満たす施設が指定対象となっている▼例えば東京都環境局は5月末に都内のクーリングシェルターもしくはクーリングスポットを公…

2024年6月14日号 素領域

日本顕微鏡学会が幕張メッセ国際会議場で開催された。正会員1474人、学生会員127人という小規模な学会だが、学術講演会の参加者数は1000人を超えている。会員の約3分の2が参加するというアクティビティの高さは、材料系、生物系、装置開発系という異分野の産学の研究者が一堂に会することで、新たな発見とイノベーションに結びつく確率が高いからだ▼ものを「見る」というのは、現象を理解する上で欠かせない。例えば…

2024年6月7日号 素領域

世界的な宇宙開発競争が激しさを増しているということで、日本も国を挙げた宇宙戦略推進に注力している▼日本は半世紀以上も前から宇宙開発に取り組んできた。その成果はBS(放送衛星)や様々な観測衛星などに生かされている。ところが、民間企業を巻き込んだ衛星利用ビジネスはあまり進んでいない状況だ▼例えば、いま実用化された準天頂衛星「みちびき」も国の運営によるサービスが提供されており、民間の実証事業の募集などが…

2024年5月31日号 素領域

6月1日は第149回気象記念日で、1875年(明治8年)に気象庁の前身である東京気象台で業務が開始されたことにちなんで制定された。記念式典は3日に気象庁講堂で開催され、気象業務への貢献の表彰等が行われるという▼第149回「気象記念日」気象庁表彰の国土交通大臣表彰は3件が予定されている。一般功績部門で選出された「稲むらの火の館」は和歌山県有田群広川町所在の、「稲むらの火」のモデルとなった濱口梧陵氏の…

2024年5月24日号 素領域

原子核物理を探究するため、様々な加速器が活躍している。大雑把に分けると、原子核の進化を見る理研RIビームファクトリーや阪大RCNP、陽子や中性子などを対象とするJ-PARCやSPring-8、さらにクォークやグルーオンを見るための米国の重イオン衝突型加速器(RHIC)やCERNの大型ハドロンコライダー(LHC)がある▼銀河や恒星、地球などを構成する陽子や中性子、原子核の質量の起源は1%がヒッグス粒…

2024年5月17日号 素領域

5月5日の「こどもの日」に合わせ、総務省統計局が「我が国のこどもの数」を統計トピックスにまとめて5月4日に公表した▼そこに記されている数字は、日本の少子化の深刻さを改めて考えさせるものだ。全国の15歳未満の子供の数は今年4月1日現在で1401万人である。日本の総人口1億2400万人に占める割合は11・3%▼子供の数は43年も連続して減少。その割合は50年連続して低下を続けている。また、参考として人…

2024年5月10日号 素領域

総務省消防庁は今年の「夏期における熱中症による救急搬送人員の調査」を5月1日から開始した。搬送人員の実態を関係機関に情報提供することで熱中症予防の普及啓発活動の推進に貢献すると共に、国民の生命と安全を守ることを目的としている▼参考までに昨年の5月1~7日の報告をみると全国で495人が搬送された。半数は高齢者で、そのためだろうか、発生場所の多くは住宅で約31%を占めている。次いで屋外が約22%と続く…

2024年4月26日号 素領域

次世代放射光施設「ナノテラス」の本格稼働により、日本の研究力と国際的地位の向上、さらには産業振興にもつながることが期待される▼ナノテラスは、放射光施設としては割とコンパクトな170㍍×245㍍という規模でありながら、世界最高性能を実現するために様々な技術が盛り込まれている。例えば、光速近くまで加速するのにスウェーデンの施設では300㍍の距離が必要だが、ナノテラスでは110㍍の線形加速器で同じ性能を…

2024年4月19日号 素領域

いま生成AIに多くの関心が集まり、様々な話題が報道されている。一方、人工知能というとSF映画などに登場する、人型ロボットに優れた人工知能を持たせた、人と同じような高度なヒューマノイドロボットのイメージが浮かぶ▼しかし、こうしたAI搭載ロボットの研究はあまり進んでいないようだ。その理由は、ロボットに搭載する賢いAIの設計法が未開発だったからである。さらに、そうしたロボット搭載用AIの研究開発を行うた…

2024年4月12日号 素領域

今年の科学技術週間は4月15日から21日。科学技術について広く一般の人に理解と関心を深めてもらい、日本の科学技術の振興を図る目的で昭和35年に制定された。毎年4月18日の「発明の日」を含む月曜から日曜の1週間とされ、全国各地の科学館や博物館、大学、試験研究所などで各種イベントが開催されている▼「発明の日」は現在の特許法の前身である「専売特許条例」が公布され、明治18年のこの日に日本の特許制度が始ま…

2024年4月5日号 素領域

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、2009年頃に中国で発生が報告されたダニ媒介感染症で、11年に初めて原因ウイルスが特定された。日本国内では13年1月、山口県で海外渡航歴のない男性の感染が確認され、それ以降、九州地方と中国・四国地方で感染例が相次いだ。その後、近畿地方にまで広がりをみせていたが、21年には静岡県で初めて感染が確認された▼当初、中国や韓国でヒト-ヒト感染が報告されていたが、日本…

2024年3月29日号 素領域

警察官などを名乗る男がインターネットバンキングを悪用し、千葉県の70代の女性から約2億5000万円もの大金を盗んだ特殊詐欺事件が先日ニュースになっていた▼どうしたらこれほどの大金をだまし取ることができるのかと思うが、怖いものである。近年、こうしたインターネットバンキングを悪用した不正送金事件が急増しているようだ。金融機関などを装った偽メールを送り付けたりマルウェアに感染させたりして個人情報を盗み、…

2024年3月22日号 素領域

北陸新幹線の金沢-敦賀間が3月16日開業した。同新幹線は1997年に高崎から長野まで、2015年に長野から金沢まで開業。その総延長は約700㌔㍍(全線開通後)と新幹線の中で最も長い。東京を起点として、長野、上越、富山、金沢、福井などの主要都市を経由し、最終的には京都、大阪へと至る。現在は東京-敦賀間を最速3時間8分、大阪-金沢間(特急のサンダーバード利用時)を最速2時間9分で結ぶ▼運営主体は東京か…

2024年3月15日号 素領域

グローバル・スタートアップ・キャンパス(GSC)構築に向けて、拠点整備予算は一部措置されているものの、肝心の中身の議論が進まない。米MITなどの拠点をそのまま日本に持ってきて、共同研究を通じてビジネス化しようという、一部のCSTI有識者議員の安易な思いつきが出発点になっているからだ▼米ハーバード大学のWyss研究所では、VCや製薬企業とのアライアンス、篤志家からの寄付など、多様な財源で産学連携のプ…

2024年3月8日号 素領域

近年、少子高齢化問題が一層深刻さを増している。国立社会保障・人口問題研究所が2020年の国勢調査を出発点として、将来人口を推計している▼昨年4月公表の推計値によれば、全人口は2020年の1億2615万人から、50年後の2070年には8700万人に減少する。65歳以上の高齢者の割合は28・6%から38・7%に増え、高齢化も一段と進む。一方、0~14歳の子供たちの割合は11・9%から9・2%へとさらに…

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