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コラム・素領域

科学新聞の1面に掲載している『素領域』全文と、Web限定コラムをお読みいただけます。

2019年10月11日号 素領域

森林は、春になると新緑の季節を迎え新たな息吹が芽生える。そして秋、赤や黄色に一面色づき、鮮やかな世界が展開する。こうして人間が森林とかかわることは、森林浴という言葉もあるように、健康にもよさそうではある▼これはオーストラリアの研究成果ではあるのだが、樹木など緑地の多い環境で生活することが健康状態に及ぼす影響を検討している。約4万7千人(平均61歳)を対象に、居住地から半径1・6㌔㍍に占める緑地の割…

素領域2019年10月4日号|科学新聞The Science News 素領域

人の移動手段あるいは物の運搬を支援するための、近年の研究開発には目覚ましいものがある▼WHILL社は同社のコンパクト・高性能でデザイン性に優れた電動車いすをパーソナルモビリティと定義して2017年に普及価格帯モデルの「WILL ModelC」を発売。千葉工業大学は変形する搭乗型・知能ロボットRidRoidシリーズ「CanguRo」を18年に開発。RDSは軽量でデザイン性に優れ、高い運動性能を有した…

2019年9月27日号 素領域

以前、数学は全ての学問の共通言語と言われていたが、最近ではAI、IoT、ビッグデータなどの応用領域での共通基盤となっている▼世界各国が数学の振興と応用展開に力を入れているが、日本でも2006年に科学技術・学術政策研究所が報告書「忘れられた科学-数学」を公表して以降、JSTの戦略的創造研究推進事業やWPI(世界トップレベル拠点形成プログラム)などでも、数学とその応用について力を入れてきた▼米国は人口…

2019年9月20日号 素領域

昨年9月の北海道胆振東部地震にともなうブラックアウト、この9月9日に関東地方などを襲った台風15号による千葉県の大規模停電は、ライフラインの一つである電力インフラの重要性をあらためて考えさせると共に、その脆さを感じさせた重大な事故となった▼どんなに情報通信や物流網などが発展しても、それらを担う機器やシステムの動力源となる電力が供給されなくては、通信や物資の輸送ができず、市民の生活や企業の活動などに…

2019年9月13日号 素領域

生活習慣の大切さは今さら強調するまでもないことだが、乱れればガンや心疾患の原因ともなる。「生活習慣病」といわれるゆえんである▼では「生活習慣とアルツハイマー型認知症などとの関係は」となると、大いに関係はありそうなのだが、断言できるほどの科学的な根拠がはっきりしないのではないのか。これを検証する研究論文が最近発表された。それは、生活習慣のあり方が遺伝によるリスクに関わらず、認知症の発生とどのように関…

2019年9月6日号 素領域

厚生労働省は、2018年度中の全国212カ所の児童相談所の相談対応件数が過去最多の15万9850件(速報値)に上ったと8月発表した。この件数は年々増加を続けている。一方で、この増加は虐待への関心の高まりや制度改正を反映しているとも考えられ、相談経路は警察等が約半数を占めている。17年度の数値ではあるが、虐待死事例は65件(心中含む)。07年度の142件をピークに、近年は約70~80人以下で推移して…

2019年8月30日号 素領域

政府は自然科学系全体で女性研究者の割合を30%にするという目標を掲げており、ここ数年、日本の女性研究者の数や割合は着実に増加しているが、それでも15・7%と国際的には低い水準にある▼さて、女性を増やそうという議論の際、必ず出てくるのが「女性を増やす」のか、それとも「研究力を最大化するのか」という二項対立の問題提起である。だが、この問題設定は本当に正しいのだろうか▼エルゼビアのジェンダーリポートによ…

2019年8月23日号 素領域

スマホやパソコンが進化し、AI(人工知能)やIoTなどICT(情報通信技術)がますます高度化して、次々と多彩なサービスが生まれている。特にAIは活用が急速に進んでいる▼様々な産業分野で導入が盛んなほか、インターネットの検索や家電など、身近なところでも使われている。農業や漁業のほか、天気予報や医療分野での利用も試みられている▼ちょっと風変わりなところでは、短歌の初句を入力すると、あとはAIが自動で2…

2019年8月9日号 素領域

世の中、なぜ右利きの人が多いのだろう。世界的にも9割が右利きだそうだ▼その理由については、サルから人間になる過程で感情をコントロールすることや言葉を話す関係で脳の左側が発達し、手の動きが右利きになった。相手を攻撃する場合に右手に剣を持ち、左手に盾を持って身を守るために右手が発達したから。3歳から4歳までに右手を多く使う機会があったから。諸説あるが、科学的根拠ははっきりしていない▼警察関係のデータに…

2019年8月2日号 素領域

日本気象協会によれば、ここ1週間の東京都(離島除く)蚊ケア指数はLv4だそうである(最大Lv5)。これは同協会とアース製薬が過去10年間の気象情報と虫ケア用品の売上情報から予測した蚊対策用品の需要予測式で、同協会のWebサイトで公開されている▼蚊は多くの感染症を媒介する昆虫で、主なものとして、ウイルス疾患であるデング熱、チクングニア熱、日本脳炎、ウエストナイル熱、原虫疾患であるマラリアがあり、感染…

2019年7月26日号 素領域

またまた低い投票率となった参議院議員選挙だが、今回も科学技術政策は争点にはならなかった▼各政党を対象に一般社団法人カセイケンが実施したアンケート調査の結果では、公的研究開発投資は「大幅に増やす」「やや増やす」、公的投資に対する科研費割合は「増加」「現状維持」と各党に違いはなかった。一方で、デュアルユースについては大きく意見が異なる。さらに氷河期時代の任期付き研究員の問題については、多くの党が独自の…

2019年7月19日号 素領域

総務省が発表した「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(2019年1月1日現在)」によれば、日本人の人口は1億2477万6364人で、対前年0・35%(43万3239人)の減少となり、2009年をピークに10年連続の減少となった▼出生者数から死亡者数を引いた自然増減数はマイナス44万2564人であり、12年連続の自然減少となった。調査開始した1979年度以降では最大の減少数である。出生者数…

2019年7月12日号 素領域

「笑う門には福来る」とはよく言ったものである。笑いが心や体の健康によいことは医学的にも実証されつつある▼つい最近、山形大学医学部の研究チームが発表した調査研究でもそれが裏付けられた。県内7つの市に在住する40歳以上の男女約1万7千人を対象に、8年間にわたり追跡調査を行った。その結果、普段ほとんど笑わない人は、週1回以上よく笑う人に比べて死亡率が約2倍も高く、しかも心筋梗塞や脳卒中などの発症リスクも…

2019年7月5日号 素領域

研究現場でヘリウムの供給不足とそれに伴う高騰への危機感が高まっている。ヘリウムは原子番号2番の元素で、水素に次いで軽い。無色、無臭で、他の元素と反応しないため安全で、この性質からMRI、半導体をはじめとした様々な産業、医療、研究分野で用いられている▼大気中にもごく微量含まれるが、採算性を考慮し、天然ガスから分離・精製して生産される。主な産出国は、アメリカ、カタール、アルジェリア、ロシア、ポーランド…

2019年6月28日号 素領域

北欧エストニアでのロボットワークショップに出席して、日本とエストニアの架け橋になりたい-クラウドファンディングで約48万円を集めたのは、東京都の小学5年生・井上美奈さん(10歳)だ▼何かを表現することやアイデアをかたちにすることに興味を持って、スタートアップ体験イベントや、エストニアで2001年に始まったロボット×アントレプレナー教育ネットワークの日本版に参加し、80代のプログラマー・若宮さんら多…

2019年6月21日号 素領域

茨城県つくば市で6月8日と9日に開催された「G20茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合」では、人間中心の考えを踏まえたAIの原則について参加国・機関の合意がはかられた。その方向でAIの開発・利用が今後も進められてほしいと願う▼コンピューターをはじめ、最先端科学技術の導入にあたっては、明るいプラス面だけでなく、改革がもたらす暗いマイナス面があることを常に忘れてはならない▼そのことは過去の歴史が教えて…

2019年6月14日号 素領域

推理小説やドラマなどでは、主犯と思われる人物を追い詰めていくうちに、別の人物が主犯であったり、思わぬ共犯者が現れたりする▼これと同じようなことは医学・医療分野でも起こりえる。アルツハイマー型認知症の研究がそうである。認知症の原因の7割を占め、長らく症状を起こす主犯として考えられていたのがアミロイドβである。だが最近、このアミロイドβを取り除いたとしても認知機能の低下を防げないことが分かってきた▼そ…

2019年6月7日号 素領域

環境省は今年、5月30日(ごみゼロの日)から6月5日(環境の日)を経て6月8日(世界海洋デー)前後までを「海ごみゼロウィーク」とし、海洋ごみ問題の周知啓蒙と海洋流出防止を目的とした一斉清掃活動を日本財団と協力して実施した▼人の生活圏から排出された廃棄物は海洋に流出し、海洋汚染や漂着ごみを発生させる。この防止は国境を越えた世界的な課題と認識されている。近年では、プラスチックごみが海洋で5㍉㍍以下のマ…

2019年5月31日号 素領域

世界各国が研究開発投資を増大させ、システム改革を進める中、日本の論文における競争力はおしなべて低下しているが、その中でもいくつかの領域で、日本が競争力を維持している分野がある。その一つがガン研究だ▼2015~17年(3年平均)の生命科学領域におけるトップ10%論文の国際シェア順位を見ると、米中2強がほとんど1位と2位を独占し、行動神経科学など一部で英国が2位に食い込んでいる。日本は多くが5位以下だ…

2019年5月24日号 素領域

東京一極集中や人口減少、地域経済衰退などの傾向が一向に止まらず、地方再生が必至だ。過日、国が進める次の第Ⅱ期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」策定へ向けて、経済同友会も一層の活動推進を提言した▼なぜ、こうした傾向が止まらないのか。特に東京一極集中は古くから言われてきた問題であり、今も進行中の課題だ。それだけ東京は誰にも魅力のある場所なのだろう▼国の中枢機関があって、多くの多彩な企業や文化施設、娯楽…

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