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コラム・素領域

科学新聞の1面に掲載している『素領域』全文と、Web限定コラムをお読みいただけます。

2019年12月6日号 素領域

読者の皆様は“かくれ脱水”という言葉をご存じだろうか。脱水症の一歩手前なのだが自覚症状がなく、体重の1%あまりの水分が失われてしまう症状を指す用語だ▼放っておけば健康に深刻なリスクを及ぼしかねない。脱水などというのは熱中症の心配がある真夏に起きることだろうと安易に考えているとしたら、全くの間違いだそうである。意外にも気温が下がる冬が危ないのだ。この時期は体感温度が低くなるため、のどの渇きを感じる機…

2019年11月29日号 素領域

12月1日の世界エイズデーは、世界レベルでエイズ(後天性免疫不全症候群)の蔓延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消を目的に、WHO(世界保健機関)が1988年に制定した。毎年12月1日を中心として、日本を含む世界各国で啓発活動が行われている▼同疾患はHIVウイルスがTリンパ球やマクロファージ(CD陽性細胞)などの免疫細胞に感染することで発症。感染に伴いこれらが減少することで様々な疾患にかかり…

2019年11月22日号 素領域

グーグルが量子超越を達成したという論文をネイチャーに発表した。これに対して、IBMがそれは量子超越の達成ではないと反論するなど、様々な反応があったが、日本は国際競争の中で生き残れるのだろうか▼グーグルの発表では、自社開発した量子プロセッサ「Sycamore」(53量子ビット)で53ビットの乱数を生成。100万回の乱数を生成させるのに200秒かかった。一方、世界最高速のスパコン「Summit」で量子…

2019年11月15日号 素領域

日本のイノベーションを加速させるため、高いポテンシャルを持つ中核機関が連携して人材、施設、知的財産などの総合的な研究開発能力を結集。知の創出から産業化までを一貫して支援し、次代を担う人材の育成に努めているオープンイノベーション拠点、それが「TIA」である▼発足は2009年。産総研、NIMS、筑波大学、KEKが中核機関となり、ナノテク大拠点を目指した「つくばイノベーションアリーナナノテクノロジー拠点…

2019年11月8日号 素領域

「AYA(アヤ)世代」という言葉を聞いたことがあるだろうか。15歳から30歳前後(欧米では15歳から39歳とする定義もある)の思春期・若年成人を指す用語だ▼この世代に小児や成人と違った逆転現象が起きているという。それは男女によるガンの罹患率である。ガンの発生原因は遺伝子のコピーミスとされているだけに、高齢化が進めば進むほど、加齢によって増えていくというのは当然のことだ。一般的に男性に多い傾向にある…

2019年11月1日号 素領域

東京都は9月、都内のインフルエンザ定点医療機関419カ所からの患者報告数が流行開始の目安となる1・0を超え1・6に達したと発表。例年より早い流行開始であり、今後の本格的な流行に備えて対策を呼びかけた。東京都感染症情報センターの東京都インフルエンザ情報によれば、第42週(10月14-20日)は定点あたり0・59で減少したが、複数の区で1・0以上となっており、ウイルス型はほとんどをA型のAH1pdm0…

2019年10月25日号 素領域

科学技術基本法では、科学技術を「人文科学のみに係るものを除く」と規定している。ここでの人文科学には社会科学も含まれている。一方、生命倫理やELSI、AIの社会受容性など、人文科学が関わる時には「のみ」ではないため、科学技術に入ってくる▼内閣府では現在、科学技術基本法の改正に向けた議論を行っている。人文科学を含めることと、イノベーションを盛り込むことが大きな論点だ▼人文科学が科学技術基本法で規定する…

2019年10月18日号 素領域

9月23日に、ニューヨークの国連本部に世界の首脳らが集まり「国連気候行動サミット2019」が開催された。スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんが若者代表で演説し、温暖化対策の世界の取り組みに対して怒りをあらわにして訴えた▼その中で、16歳の少女は、あなた方が議論するのはお金や継続的な経済成長のことばかりだと批判した。これに対し、ネットなどでは傲慢な演説だなどの批判もあった▼しかし、テレビの…

2019年10月11日号 素領域

森林は、春になると新緑の季節を迎え新たな息吹が芽生える。そして秋、赤や黄色に一面色づき、鮮やかな世界が展開する。こうして人間が森林とかかわることは、森林浴という言葉もあるように、健康にもよさそうではある▼これはオーストラリアの研究成果ではあるのだが、樹木など緑地の多い環境で生活することが健康状態に及ぼす影響を検討している。約4万7千人(平均61歳)を対象に、居住地から半径1・6㌔㍍に占める緑地の割…

素領域2019年10月4日号|科学新聞The Science News 素領域

人の移動手段あるいは物の運搬を支援するための、近年の研究開発には目覚ましいものがある▼WHILL社は同社のコンパクト・高性能でデザイン性に優れた電動車いすをパーソナルモビリティと定義して2017年に普及価格帯モデルの「WILL ModelC」を発売。千葉工業大学は変形する搭乗型・知能ロボットRidRoidシリーズ「CanguRo」を18年に開発。RDSは軽量でデザイン性に優れ、高い運動性能を有した…

2019年9月27日号 素領域

以前、数学は全ての学問の共通言語と言われていたが、最近ではAI、IoT、ビッグデータなどの応用領域での共通基盤となっている▼世界各国が数学の振興と応用展開に力を入れているが、日本でも2006年に科学技術・学術政策研究所が報告書「忘れられた科学-数学」を公表して以降、JSTの戦略的創造研究推進事業やWPI(世界トップレベル拠点形成プログラム)などでも、数学とその応用について力を入れてきた▼米国は人口…

2019年9月20日号 素領域

昨年9月の北海道胆振東部地震にともなうブラックアウト、この9月9日に関東地方などを襲った台風15号による千葉県の大規模停電は、ライフラインの一つである電力インフラの重要性をあらためて考えさせると共に、その脆さを感じさせた重大な事故となった▼どんなに情報通信や物流網などが発展しても、それらを担う機器やシステムの動力源となる電力が供給されなくては、通信や物資の輸送ができず、市民の生活や企業の活動などに…

2019年9月13日号 素領域

生活習慣の大切さは今さら強調するまでもないことだが、乱れればガンや心疾患の原因ともなる。「生活習慣病」といわれるゆえんである▼では「生活習慣とアルツハイマー型認知症などとの関係は」となると、大いに関係はありそうなのだが、断言できるほどの科学的な根拠がはっきりしないのではないのか。これを検証する研究論文が最近発表された。それは、生活習慣のあり方が遺伝によるリスクに関わらず、認知症の発生とどのように関…

2019年9月6日号 素領域

厚生労働省は、2018年度中の全国212カ所の児童相談所の相談対応件数が過去最多の15万9850件(速報値)に上ったと8月発表した。この件数は年々増加を続けている。一方で、この増加は虐待への関心の高まりや制度改正を反映しているとも考えられ、相談経路は警察等が約半数を占めている。17年度の数値ではあるが、虐待死事例は65件(心中含む)。07年度の142件をピークに、近年は約70~80人以下で推移して…

2019年8月30日号 素領域

政府は自然科学系全体で女性研究者の割合を30%にするという目標を掲げており、ここ数年、日本の女性研究者の数や割合は着実に増加しているが、それでも15・7%と国際的には低い水準にある▼さて、女性を増やそうという議論の際、必ず出てくるのが「女性を増やす」のか、それとも「研究力を最大化するのか」という二項対立の問題提起である。だが、この問題設定は本当に正しいのだろうか▼エルゼビアのジェンダーリポートによ…

2019年8月23日号 素領域

スマホやパソコンが進化し、AI(人工知能)やIoTなどICT(情報通信技術)がますます高度化して、次々と多彩なサービスが生まれている。特にAIは活用が急速に進んでいる▼様々な産業分野で導入が盛んなほか、インターネットの検索や家電など、身近なところでも使われている。農業や漁業のほか、天気予報や医療分野での利用も試みられている▼ちょっと風変わりなところでは、短歌の初句を入力すると、あとはAIが自動で2…

2019年8月9日号 素領域

世の中、なぜ右利きの人が多いのだろう。世界的にも9割が右利きだそうだ▼その理由については、サルから人間になる過程で感情をコントロールすることや言葉を話す関係で脳の左側が発達し、手の動きが右利きになった。相手を攻撃する場合に右手に剣を持ち、左手に盾を持って身を守るために右手が発達したから。3歳から4歳までに右手を多く使う機会があったから。諸説あるが、科学的根拠ははっきりしていない▼警察関係のデータに…

2019年8月2日号 素領域

日本気象協会によれば、ここ1週間の東京都(離島除く)蚊ケア指数はLv4だそうである(最大Lv5)。これは同協会とアース製薬が過去10年間の気象情報と虫ケア用品の売上情報から予測した蚊対策用品の需要予測式で、同協会のWebサイトで公開されている▼蚊は多くの感染症を媒介する昆虫で、主なものとして、ウイルス疾患であるデング熱、チクングニア熱、日本脳炎、ウエストナイル熱、原虫疾患であるマラリアがあり、感染…

2019年7月26日号 素領域

またまた低い投票率となった参議院議員選挙だが、今回も科学技術政策は争点にはならなかった▼各政党を対象に一般社団法人カセイケンが実施したアンケート調査の結果では、公的研究開発投資は「大幅に増やす」「やや増やす」、公的投資に対する科研費割合は「増加」「現状維持」と各党に違いはなかった。一方で、デュアルユースについては大きく意見が異なる。さらに氷河期時代の任期付き研究員の問題については、多くの党が独自の…

2019年7月19日号 素領域

総務省が発表した「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(2019年1月1日現在)」によれば、日本人の人口は1億2477万6364人で、対前年0・35%(43万3239人)の減少となり、2009年をピークに10年連続の減少となった▼出生者数から死亡者数を引いた自然増減数はマイナス44万2564人であり、12年連続の自然減少となった。調査開始した1979年度以降では最大の減少数である。出生者数…

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