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コラム・素領域

科学新聞の1面に掲載している『素領域』全文と、Web限定コラムをお読みいただけます。

2026年6月19日号 素領域

知財・無形資産は、日本の成長力の源泉だが、大学の保有する特許のうち8割が未利用となっており、その力を十分に活かしきれていない。ただし、よく見てみると、東大・京大は利用率45・7%、東大・京大を除くRU11は25・2%、その他の大学は19・2%となっており、やりようによっては利用率を上げることができそうだ▼政府の知的財産戦略本部は6月12日、知的財産戦略2026を決定した。戦略17分野における競争優…

2026年6月12日号 素領域

5月、6月に35度Cを超える猛暑日となる地域もあり、今年も暑い夏が早くから到来している。こうした近年の気候変化が地球温暖化の影響なのは間違いない。これを認めない大国のリーダーもいるが、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)報告書などの指摘は正しい▼この気温上昇は、地球上のあらゆる環境に変化をもたらし、様々な生き物に影響を与える。先日、NHKスペシャル「ヒグマ 異変の海に生きる」の放送を視聴した。…

2026年6月5日号 素領域

近年SFTS(重症熱性血小板減少症候群)や日本紅斑熱をはじめとしたマダニ媒介感染症の報告が増加している。マダニの活動が盛んな春から秋にかけて刺される危険性が高まる。これら感染症の多くはワクチン等での予防が不可能なため、マダニに刺されないようにする対策が重要になる▼SFTSは中国で2011年に初めて報告されて以来、東アジア、東南アジアで患者が確認された。国内では2013年以降、西日本を中心に発生して…

2026年5月29日号 素領域

2023年にオランダでAIチャットボット「イライザ」との会話にのめり込んでいた男性が自殺し、社会に大きな衝撃を与えた。昨年も米国で10代の子供2人が対話型AIとのやり取りの後に自殺したとして、訴訟が起こっている。またAIに対して恋愛感情を持つ人も一定数いることが国内外の調査で明らかになっている▼こうした問題の原因の一つは、対話型生成AIの持つ「迎合性」にあるという。あたかも価値観が同じように振る舞…

2026年5月22日号 素領域

5月5日の「こどもの日」にちなみ、総務省統計局から「我が国のこどもの数」という統計トピックスが公表された。それによると、令和2年国勢調査人口を基準として推計した今年4月1日現在の人口(概算値)で、15歳未満の子供の数は1329万人(対前年35万人減)である▼総人口1億2286万人に占める割合は10・8%(同0・3ポイント減)だ。数としては1982年から45年連続の減少で、過去最少となった。割合だと…

2026年5月15日号 素領域

麻疹(はしか)の流行が拡大している。国立健康危機管理研究機構によれば2026年第16週(4月)までの累積報告数は362例で、昨年1年間の265例を超えた▼この病気は麻疹ウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症で、空気感染、飛沫感染、接触感染でヒトからヒトへと感染する。感染力が非常に強く免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症する。2回のワクチン接種で95%程度は免疫を獲得できるが発症…

2026年5月1日号 素領域

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)の定点調査2025の調査結果を見ると、第6期科学技術・イノベーション基本計画で資金を投入したにも関わらず、大学の研究現場の状況が悪化したのではないかと批判を受けそうだ。第6期で大きく伸びた資金はグリーンイノベーション基金などの民間向け資金や経済安全保障関連の費用がほとんどで、大学ファンドの運用原資の一部はあるものの、大学現場に直接流れた資金量の増加は限られて…

2026年4月24日号 素領域

レアアースの次はオイルである。米国のトランプ政権は核開発を進めているという理由で、イスラエルとともにイランに武力攻撃をしかけている。世界経済は中東のオイル供給がストップして混乱し、中東オイルに依存する世界の国々は米国とイランの和平交渉の先行きを見ているしかない状況だ▼中国がレアアースを取り引き材料にして貿易交渉したり、高市首相の発言をきっかけに日本への対抗措置を強化したりしていると思ったら、今度は…

2026年4月17日号 素領域

4月23日は「世界図書・著作権デー」で、「子ども読書の日」でもある▼「世界図書・著作権デー」はスペインの提案により1995年のユネスコ総会で制定された。同国カタルーニャ地方の守護聖人サン・ジョルディの聖名祝日にあたり、その伝説にちなみバラを恋人に贈る風習がもとになっている。加えてこの日がセルバンテスとシェイクスピアの命日にあたり、バラと本を贈りあう日になったらしい▼「子ども読書の日」は読書活動推進…

2026年4月10日号 素領域

医療情報が研究や開発などに使えるようになれば、創薬や医療技術は加速度的に進展する。医療情報の2次利用は、次世代医療基盤法の改正や、AMEDによる支援強化が進んでいるが、現場の課題も多い▼AMED革新的医療技術研究開発推進事業「がん診療の質の向上と研究開発に資するリアルワールドデータプラットフォーム開発」では、京都大学を中心に、全国25施設から、がん登録データとレセプトデータを収集。それに日常診療の…

2026年4月3日号 素領域

便利なものやサービスというのは、犯罪にも使われやすいのか。ICT(情報通信技術)が急速に発展したのはいいが、インターネットにおけるサイバー攻撃や携帯電話を使った詐欺などの犯罪が横行している状況を考えると、本当にこれがいいサービスなのかどうか疑問に思う▼究極の電話サービスとして始まり発展してきた携帯電話だが、見知らぬ相手からの着信電話があり第三者を騙ったメールが頻繁に届く。うっかりそれに返信すると大…

2026年3月27日号 素領域

文部科学省は2月に国立美術館、国立文化財機構、国立科学博物館が達成すべき業務運営に関する目標(第6期中期目標:2026年4月1日~31年3月31日)を発表した。国立文化財機構は、5つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館、皇居三の丸尚蔵館)と、東京文化財研究所、奈良文化財研究所、アジア太平洋無形文化遺産研究センターの計8施設を運営している▼同目標では4年目で展…

2026年3月20日号 素領域

現在、創薬にAI(人工知能)を用いる取り組みが進展している。先日開かれた内閣府の医薬品開発協議会では、中外製薬の太田淳研究本部モダリティ基盤研究部長、京都大学大学院医学研究科(理研計算科学研究センター)の奥野恭史教授、国立がん研究センター中央病院国際開発部門の中村健一部門長が、創薬におけるAI活用の取り組みを紹介した▼中外製薬では、抗体配列探索にAIを活用し、複数の活性を持つ抗体をデザイン、ラボの…

2026年3月13日号 素領域

本来は人間に恩恵を与えるはずのインターネットやコンピューターなどの先進技術が、進化(深化)にともない人間にとって好ましくない存在になってきた。誰とでもつながるコミュニケーションツールであるはずのSNSは、それを利用した誹謗中傷や偽・誤情報、青少年の犯罪などが問題となっている▼人間よりはるかに速く広く情報を集めて学習し、人間以上にジョブをこなすAIは、サイバー攻撃や人間を殺傷する軍事技術にいち早く使…

2026年3月6日号 素領域

環境省は昨年末に令和7年度スギ雄花花芽調査の結果を発表した。雄花の着花量について、各地域の過去10年の平均と比べて200%以上となったのは9道府県だった。高い順に北海道328%、大阪315%、奈良312%、京都272%、徳島272%、山形229%、静岡215%、愛知213%、鳥取202%だった。50%未満となったのは青森44%、岩手49%の2県だけだった▼花粉症の症状軽減には花粉への曝露を防ぐほか…

2026年2月27日号 素領域

高市早苗首相は、第2次高市内閣発足にあたって記者会見を開き、責任ある積極財政、安全保障政策の抜本的強化、政府のインテリジェンス機能の強化といった重要な政策転換を進める考えを改めて表明した。中でも責任ある積極財政とは何なのか▼日本国内には、多くの研究者の努力によって、あまたの研究成果が存在している。こうした事業や文化の種を育てるためには投資が必要だ。しかし、日本の民間企業には科学や技術を理解し、中長…

2026年2月20日号 素領域

地球温暖化が叫ばれているが、昨年の暮れから今年に入って寒い日が多く、日本海側では平年より多い降雪を記録している▼例年のことだが、冬になると日本海側にはたくさんの雪が降り積もる。こうした雪を大事な資源として考え、少しでも活用する方策はないかと、毎年、豪雪のニュースを聞くたびに思うのである▼資源エネルギー庁のホームページには、そうした活用方策として「雪氷熱利用」の事例が紹介されている。例えば、北海道で…

2026年2月13日号 素領域

林野火災は空気が乾燥し強風が吹く春に多く発生する傾向にある。実際、令和2~6年の山火事の月別平均をみると約7割が1~5月に集中し、4月がピークになっている。要因として、この時期に野焼きやあぜ焼きが行われることや山菜採りやハイキングで入山者が増えることがあると考えられている▼林野庁と消防庁は今年も3月1~7日を中心に「全国山火事予防運動」を実施する。「山火事を・起こすも防ぐも・私たち」を統一標語に啓…

2026年2月6日号 素領域

子宮頸がんには、腺がんと扁平上皮がんがある。腺がんは検診で見つかりにくく、早期発見が難しい上、転移も多く、死亡につながるケースが多い。ただし、ワクチンによって子宮頸がんの9割以上を予防できる可能性がある▼HPVワクチンは2013年から定期接種になったが、有害事象の報道が相次ぎ、わずか2カ月で積極的推奨が控えられ、接種率はほぼゼロになった。20年頃から一部自治体で定期接種が再開され、22年4月からキ…

2026年1月30日号 素領域

21世紀に入ってから今年で26年目を迎えた。もう四半世紀が過ぎたことになる▼しかし、ウクライナとロシアの紛争は続いており、イスラエルとガザは停戦したものの、ガザ地区は紛争で荒廃したままだ▼世界的な異常気象をもたらしている地球温暖化問題への対策も進んでおらず、世界のCO2排出量は今も増え続けている。加えて、米国トランプ大統領が世界をひっかき回している▼中南米やグリーンランドなどをめぐり、新たな国際的…

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