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コラム・素領域

科学新聞の1面に掲載している『素領域』全文と、Web限定コラムをお読みいただけます。

2018年7月6日号 素領域

国立大学における人事給与マネジメント改革は、骨太方針、未来投資戦略、統合イノベーション戦略それぞれで重要施策に位置づけられているが、先日の国立大学協会の総会では、厳しい反対意見が多く見受けられた。個別の大学ごとに様々な事情を抱えているにも関わらず、一律のシステムを導入することに対する反発と、これまで運営費交付金が削減され続けたことによる政府に対する不信感があるためだ▼科学技術・学術政策研究所の意識…

2018年6月29日号 素領域

6月18日の朝に大阪北部を襲った強い地震で被災者が出て、5人の尊い命が奪われた。謹んでお見舞い申し上げ、ご冥福をお祈りします▼この地震を含めて、最近大きな地震が多い気がして調べてみたら、震度5以上の地震が今年に入って日本では既に7回発生している▼大阪北部の前に、群馬南部(6月17日)、長野県北部(5月25日)、同(5月12日)、根室半島南東沖(4月14日)、島根県西部(4月9日)、西表島付近(3月…

2018年6月22日号 素領域

昨今、健康志向も手伝ってか、関連の器具やサプリメントなどがテレビなどのマスコミでひっきりなしに紹介されている▼そのような手段を利用しなくとも手っ取り早い健康法として昔から言われているのが「歩くこと」、歩行である。ただ、その効用に対する科学的根拠となると、過去にも研究論文が報告されてはいるのだが、信憑性は必ずしも高くない。その理由としては、自己申告に基づくデータが多いからだそうだ▼ところが最近、歩行…

2018年6月15日号 素領域

梅雨の字にある梅は花ではなく実のことなのだ。梅の木を見て実感を持ってそれが理解できたこのごろだが…▼気象庁によれば今年の東京を含む関東甲信地方の梅雨入りは6月6日ごろ(速報値)で平年より2日はやかった。梅雨明けも昨年の例では7月6日ごろで平年より15日もはやくやって来た。また昨年は梅雨の時期の降水量が少ない地方が多く、国管理河川の1割強の12水系14河川で取水制限が行われる渇水が発生した。国土交通…

2018年6月8日号 素領域

従来の科学技術政策だけでは日本の国際競争力の劣化を食い止めることはできない。政府が一体となって経済社会システム全体を大胆に変革する必要がある。そこで、幅広く科学技術イノベーションに関連する政策や経済社会システムを検証し、PDCAのアクション(改善)として実行する統合イノベーション戦略を策定する。全体で80ページにもなる戦略の素案は「はじめに」の部分で、このように自らを位置づけている▼素案の中に経済…

2018年6月1日号 素領域

日本マイクロソフトが、AI(人工知能)の方向性と、倫理など社会的課題に対して見解を示した書籍「Future Computed:人工知能とその社会における役割」の日本語版が、同社のWebサイトから無料提供されている▼同書では、AIがもたらす仕事と雇用への影響について、3つの結論を示している。第1は、新たな雇用や経済成長は、AIというテクノロジーを取り入れる者にもたらされるもので、それを拒絶する者にも…

2018年5月25日号 素領域

新緑の季節がきた。この時期になると人間はだんだん行動的になってくるが、準備不足のままだと思わぬ落とし穴が待っていることがある▼警察庁発表のデータによると、昨年夏期(7月から8月)の日本の山岳遭難発生件数が611件だというのだ。この数自体、多いように思える。実際ここ数年、多少の増減はあるが600件を超えてしまっている。遭難の理由としては、「道に迷ってしまうこと」が約27%とトップで、「転倒」約24%…

2018年5月18日号 素領域

先日、携帯電話が故障して苦い経験をした。職場では支障なかったが、問題が起きたのは自宅だった▼単身者のため固定電話の回線はひいておらず、インターネットも携帯電話のテザリングを利用していたため、この時点で自前の通信機器による連絡方法が絶たれてしまった。それなのに連絡が必要な用件を思い出したのだ▼PCはあるため、Wi-Fiがつながる環境があれば何とかメール等でやり取りができる。しかし、どこにフリーWi-…

2018年5月11日号 素領域

研究開発力強化法の改正に向け、与党内では条文の作成作業が大詰めとなっているが、財務省のセクハラ問題や公文書書き換え問題などで国会が揺れる中、改正案の国会提出時期はいまだ決まっていない▼研究開発力強化法が改正されると何が変わるのか。まずJSTだけでなく、NEDOや産総研、農研機構、理研などでも、法人発ベンチャーやベンチャーキャピタルへの出資が可能になるほか、ベンチャー支援の対価として株式や新株予約権…

2018年4月27日号 素領域

先日、AI(人工知能)では国内最大とされる専門展を見てきたが、会場内は人をかき分けて先に進まなければならないほどの混雑ぶりで、盛況を超えて過熱気味であった▼しかし、これほど熱い注目を浴びているAIだが、情報通信分野の業界団体であるCIAJ(情報通信ネットワーク産業協会)が、会員向けにまとめた「技術ナビゲーション2018」で気になる指摘をしている▼この調査報告は、CIAJの会員企業が今後どう自社のビ…

2018年4月20日号 素領域

酒を飲み過ぎればどうなるのか。筆者もその一人ではあるが、日頃こよなく愛飲する人なら、肝臓をいためる結果になることくらい百も承知ではある▼それが肝硬変、ひいては肝臓ガンとなり取り返しのつかないことになってしまうとの指摘(脅かし?)も十分に分かっている。しかし最近の研究成果では、肝臓ガンの原因としては肝炎ウイルスによるものが圧倒的で8割以上を占めるそうだ。肝炎ウイルスによって肝炎を起こし、それが慢性化…

2018年4月13日号 素領域

我々は常に感染症のリスクにさらされている。感染症といっても、ごく軽度の風邪から致死率の高いエボラ出血熱や狂犬病まで様々で、風邪やインフルエンザならば日本でも毎年流行する。一方で、マラリア、結核、エイズは世界3大感染症といわれ、その伝搬性や対策経費の大きさから世界保健機関(WHO)もこの対策の国際協力を推進している▼2014年、東京の代々木公園を中心とした海外渡航歴のないデング熱感染者の発生は、大き…

2018年4月6日号 素領域

「発明の日」の4月18日を含む一週間(16~22日)は、科学技術週間だ。各大学や研究機関等では、一般公開や子供科学教室など、様々なイベントが行われる▼近年、若者の科学技術離れだけでなく、大人の科学的視点や知識の不足から、あたかも科学的根拠があるかのような謳い文句があふれ、その商品やサービスが堂々と売られていることも多いのが現実だ▼科学技術・学術政策研究所の調査によると、大学生の59・2%が科学技術…

2018年3月30日号 素領域

言語の壁をなくす「自動翻訳技術」が、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを前に注目されている。近年のAIを用いた研究開発で翻訳精度が向上し、実用に耐え得る自動翻訳システムの開発が進んでいるためだ▼そうした中、先日、世界の言葉の壁をなくすグローバルコミュニケーション計画を進めている総務省とNICT(情報通信研究機構)が、自動翻訳シンポジウムを都内で開いた▼会場には多くの参加者が集まり、関心の…

2018年3月23日号 素領域

ハードボイルド小説に出てくる主人公と言えば、ニヒルで孤独をこよなく愛する人物として描かれることが多いようである▼筆者は、この孤独を愛することについて、一人になりたいと思うその気分が好きで、感情がそうさせているのだと思い込んでいた。ところが最近の研究によると、一人になりたいとの感情は遺伝子(孤独遺伝子)がそうさせているというのである。集団が天変地異や重大な感染症などにさらされた時に、孤独遺伝子を持っ…

2018年3月16日号 素領域

92年前の3月16日。ロバート・ゴダードが液体燃料ロケットの打ち上げに成功した。細やかなコントロールができる液体燃料ロケット技術は日本の基幹ロケットにも採用されており、現代の宇宙開発に欠かせないツールだ▼先月、米国のスペースXが大型ロケット「ファルコンヘビー」の打ち上げに成功。搭載品の赤い電気自動車は太陽周回軌道に投入された。新型ロケットはその高い輸送能から、今後の宇宙探査に活用されていく可能性が…

2018年3月9日号 素領域

次世代医療基盤法が今春、施行される。本人が拒否しない場合、個人の医療情報(診察歴、投薬歴、手術歴、健診情報、各種検査値等)を医療機関から認定事業者に提供でき、認定事業者は、これら情報を匿名加工した上で、利用を希望する研究開発の現場に提供できる▼大規模な医療情報を統合的に解析・分析することで、ある患者に対して様々な治療選択肢の中から、最適なものを選ぶことが可能になるほか、疾患Aと疾患Bとの関連性が明…

2018年3月2日号 素領域

総務省統計局「国勢調査」資料によると、戦後、3大都市圏を含む関東、近畿、東海ブロックの人口が増加し続けており、特に戦後一貫して、東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)を含む関東への集中が続いているという▼資料によれば、2015年の時点で、関東地域の人口が全国に占めるシェアは35%以上で、ほぼ日本の人口の3分の1が関東地域に集中していることになる。東京圏だけでも30%近い▼いま、ICT(情報通信…

2018年2月23日号 素領域

今年6月頃に宇宙航空研究開発機構の探査機「はやぶさ2」が小型惑星「リュウグウ」に到着する▼約1年半ほど滞在し、観測を進め、着陸できそうな場所を探り、砂の採取にチャレンジする。リュウグウは、有機物や含水鉱物をより多く含み、太陽系の起源・進化、生命の原材料物質の解明が期待される原始的な天体。2020年末頃に、成果を抱いて地球に凱旋する予定だ▼ところで、今年はこうした宇宙のロマンを満喫できるイベントが多…

2018年2月16日号 素領域

生態系において、相互に利益のある共生(相利共生)は、マメ科植物と根粒菌によるものがよく知られている。身近なところでは、ヒトを含めた真核生物の細胞内のミトコンドリアや植物の葉緑体も、かつては細胞内共生細菌だったと考えられ、いまでは我々が生きていくのになくてはならない存在だ▼こうした共生関係については近年、農業利用に向けた研究がめざましく進展している。作物に特定の細菌を感染させることで、他の細菌からの…

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