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コラム・素領域

科学新聞の1面に掲載している『素領域』全文と、Web限定コラムをお読みいただけます。

2017年9月15日号 素領域

JASIS2017では、各社が最先端の分析機器、科学機器を工夫をこらして展示していた。その中で印象に残ったのがS社の細胞培養ラボだ▼シャーレで細胞培養をする際、異物の混入はよくあることだが、多くの研究室ではそれを肉眼で確認し、一つひとつピペットで吸い取るといった作業を行っている。個人の技量に依存する作業で時間もかかるものだが、異物の認識から除去まで自動で行える装置が参考出品されていた。他にもiPS…

2017年9月8日号 素領域

全国で様々な演習行事が行われた9月1日「防災の日」の由来は、大正時代に起きた関東大震災である。近年も東日本大震災や熊本地震など、多大な被害を与えた大地震が発生しており、地震大国の脅威を、いまも多くの国民が思い知らされている▼しかし、こうも大地震の多い国なのに、その備えは本当に十分なのか。国や多くの自治体が、今回の「防災の日」にも地震を想定した防災演習を実施した。日頃からも、地震に備えた準備や訓練を…

2017年9月1日号 素領域

20世紀の終わり頃から生命科学が進展、特に分子科学がかなり成熟してきた。その原動力となったのがコンピューター技術である▼実際、生命現象を分子レベルあるいは原子レベルで理解し、それをコンピューターでシミュレーションすることが現実味を帯びてきている。分子がわかれば、アミノ酸配列がわかり、アミノ酸配列がわかれば、その分子の三次元構造がつかめるという具合である。ヒトゲノムの全配列から人のタンパク質すべてを…

2017年8月25日号 素領域

国連合同エイズ計画(UNAIDS)の報告によれば2016年の世界のHIV(ヒト免疫不全ウイルス)陽性者数は約3670万人、そのうち53%が抗HIV治療を受けている。日本では厚生労働省エイズ動向委員会が2015年の日本における新規HIV感染を1006件、新規AIDS患者を423件と報告し、15年末までの累計は約2・5万人(血液凝固因子製剤による感染者を除く)となった▼HIVはヒトの免疫細胞に感染し、…

2017年8月11日号 素領域

米国の大学と同じように、ベンチャー企業のIPOで国立大学が独自財源を構築することができるようになるかもしれない▼文部科学省は1日、国立大学や大学共同利用機関が、大学発ベンチャーを支援する業務などの対価として、現金ではなく株式や新株予約権を受け取れることや、それらの株式や新株予約権を適切なタイミングで売却できるとする通知を出した▼これまで国立大学が株式を取得するのは、寄付あるいはライセンスの対価、ま…

2017年8月4日号 素領域

どうしてこうも利用者が急速に増えたのか、とにかくすさまじい勢いでスマートフォンが世の中に普及してしまった▼CIAJ(情報通信ネットワーク産業協会)という、ICT産業を代表する業界団体が毎年モバイル通信端末の利用実態調査を行っている▼7月末に2017年度版の調査結果が発表されたが、1台目のモバイル端末としてスマホを利用している人は、調査対象者の90・7%にも及んでいるという結果だ▼従来の携帯電話端末…

2017年7月28日号 素領域

こう暑い日が続くと体がまいってしまい、大切な食事でもおろそかになりやすいものだ。特に朝食である▼以前、朝食を抜いた子供たちが授業などで集中力を欠き、切れやすくなることや、朝食を食べない食習慣が肥満をもたらすといった報告がなされたことはあったが、改めて朝食の重要性を指摘する研究報告が米国の脳卒中専門誌に発表されている▼それは日本人と朝食の摂取頻度と心臓病や脳卒中発症の関係を示したものである。45歳か…

2017年7月21日号 素領域

九州など各地を襲った大雨は、山の貯水機能を麻痺させ、河川を氾濫させて、流域に多大な被害をもたらした。いまだ行方不明者の捜索も続き、あちらこちらで山の斜面が崩れ落ちている様子、生活の場が土砂に覆われしまっている被災地を目にすると胸が痛む。近年、異常な量の降雨(例えば1日に平年の1カ月分の雨が降る)が多くなっている。日本だけでなく、世界各地でも、こうした異常気象が起きている▼国内では様々な場所にセンサ…

2017年7月14日号 素領域

ATR(国際電気通信基礎技術研究所)を中心とする研究グループが開発したニューロフィードバック技術の精神疾患治療に向けた開発が進んでいる。その一つがAMED-DecNef多精神疾患データベースの構築である▼鬱病、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、強迫性障害、疼痛などの患者および健常者の安静時脳機能画像を昨年度までに1928例収集し、今年度中には約2200例が集まる予定。安静時のfMRI全脳画像を解…

2017年7月7日号 素領域

AI(人工知能)の技術発展が急速に進み、深層学習に基づく応用なども盛んで、様々な実用化が進んでいる。情報通信研究機構(NICT)が開発した、ニューラル機械翻訳(NMT)もその一つである▼これは、脳の神経回路を模したニューラルネットワークを用いた自動翻訳技術で、膨大な対訳データを使って学習したニューラルネットワークを使って翻訳する▼この技術は、従来の統計翻訳(SMT)技術よりも翻訳精度が大幅に改善さ…

2017年6月30日号 素領域

米国のトランプ大統領は6月1日、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」からの離脱を正式に表明した▼トランプ氏は、もともと事あるごとに離脱をちらつかせていたが、それが現実となると何か虚しさを、いや怒りさえ覚える。米国は、中国に続く世界で第2位の温室効果ガスの排出国であり、オバマ前大統領は地球温暖化対策にはかなり熱心に取り組んできただけに、この落差ははかり知れない▼「アメリカ第一主義」で、これから自…

2017年6月23日号 素領域

多摩六都科学館は先日、東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構と相互協力協定を締結した。機構は同大学の近隣の附属農場、附属演習林等を含み2010年に教育研究施設として改組し設立された。両者の最寄り駅は共に西武新宿線の田無駅である▼同科学館は昨年、年間来館者数が25万人を超え、過去最高となった。古いデータだが、文部科学省の科学技術・学術政策研究所が07年に発表した「科学館・博物館の特色あ…

2017年6月16日号 素領域

科研費審査システムの改革がいよいよ本格的に始まる。9月の公募からは、審査区分・審査方式が全面的に改定される▼そもそも科研費システムを改革しなければならない背景には、学問領域の細分化とそれを再構築することで研究の新たな展開を図っていくという世界的な動きがある。科学技術・学術政策研究所が2年ごとに公表しているサイエンスマップでは、被引用数が高いトップ論文で構成されるホットな研究領域を共引用関係から抽出…

2017年6月9日号 素領域

最近、将棋のプロ棋士である佐藤天彦名人がコンピューターソフトと勝負したり、世界最強といわれる中国囲碁棋士の柯潔九段が人工知能と勝負したりして、いずれも人間が負けるというニュースが相次いだ▼ついにAIが人間を超える時代が来たのかといった報道などもあり、ショッキングな話として受け止めた人もいるだろう。一定ルールの中で行われるゲームの世界とはいえ、ゲームソフトやAIの進歩に驚きを隠せない気持ちである▼い…

2017年6月2日号 素領域

膵臓ってどんな臓器なのか。食物の消化を助ける膵液やインスリンなどのホルモンを生産している臓器だということくらいはご存じの方も多いことだろう▼では、どんな形をしていて、体のどこにあるのかというと筆者を含めてだがあやふやになってくるのではないだろうか。まず位置だが、胃と背骨の間に目立たないように収まっている。形といえばピーマンに似ていて、膵頭部(ヘタの部分)は十二指腸に囲まれており、膵尾部は脾臓と結ば…

2017年5月26日号 素領域

かつて造船王国だった日本は、前世紀末に近隣国に建造量トップの座を奪われた。近年、業界内の統合、再編等で持ち直しつつあるが、依然として建造量は世界3位だ。今後、高機能、高品質の船を造る日本に顧客が戻る可能性はあるが、トップ奪還は難しい▼日本の造船業の不振の根には、現在でもニーズが高い特殊な船舶(例えば高速船やLNG船など)をオリジナルで造れなかったことなどがある。1980~90年代には、国や民間で、…

2017年5月19日号 素領域

先日、沖縄県の西普天間住宅地区における国際医療拠点の形成に関する協議会の報告書が公表された。米軍から返還された西普天間住宅地区に琉球大学医学部・附属病院を移転するとともに、国際的な医療拠点として再開発するため、どのような機能を整備するべきかを取りまとめたものだ▼高度医療・研究機能の拡充、地域医療水準の向上、国際研究交流・医療人育成という3つの機能を整備し、バイオ産業の基盤として、創薬開発等を通じて…

2017年5月12日号 素領域

国は、東京都や経済団体、企業などと連携して、2020年の東京オリンピック・パラリンピックへ向けた「働き方改革」の運動を推進することとし、今年から7月24日を「テレワーク・デイ」として位置づけ、企業や団体、官公庁の社員や職員が、その日にテレワーク(情報通信技術を利用した柔軟な働き方)を一斉実施するよう呼びかけていく▼これは、2012年のロンドン五輪・パラリンピックの際に、交通混雑でロンドン市内の移動…

2017年4月28日号 素領域

「ユマニチュード(Humanitude)」という用語がある。認知症の方の介護にあたられた人、あるいはあたられている人ならばご存じの言葉だろう▼ユマニチュードとは、2人のフランスの専門家が編み出した知覚、感情、言語による包括的なケア技法で、会話ができないくらい進行した認知症の改善に劇的な効果をもたらすとして注目されているものだ。その効果をもたらす技法は、「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4つの柱か…

2017年4月21日号 素領域

科学技術の進展と共に医療技術は日々進化し、それに伴い医師に必要とされる知識や技能も高度化している▼文部科学省は今年3月、大学における医学部学生が卒業(臨床実習開始前)までに最低限履修すべき教育内容をまとめた「医学教育モデル・コア・カリキュラム」の改訂版を公表。改訂版は「多様なニーズに対応できる医師の要請」を目指して取りまとめられた。さらに現在、日本の大学医学部では、国際基準に沿った教育を行うべくカ…

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