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毎週金曜日発行

コラム・素領域 2020年

科学新聞の1面に掲載している『素領域』全文と、Web限定コラムをお読みいただけます。

2020年12月18日号 素領域

新型コロナウイルス感染症の中和抗体を含むダチョウの抗体マスクが売れており、注文しても3カ月待ちだという。京都府立大学の塚本康浩教授は十数年前、JSTの支援で様々な抗体をダチョウの卵(ダチョウの卵は鶏の卵20個分)を使って大量に作製する技術を開発。当時、高病原性鳥インフルエンザ抗体を持つマスクとして注目を集めていたが、コロナ禍で新型コロナウイルス抗体を大量生産する技術を開発し、マスクに適用したところ…

2020年12月11日号 素領域

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が短信レポートとして「海外トレンド・バイデン次期大統領で変わる米国のイノベーション・気候変動政策」を公表したが、その中でバイデン次期大統領は「環境正義」の基本思想を持っていると報告している▼「環境正義」という言葉を調べてみると、公害や気候変動などによる被害に遭うのは社会的弱者であり、そうした不平等を改めて是正することだという。バイデン政権が誕生すれば、…

2020年12月4日号 素領域

「虫けら」とは、小さく取るに足りない虫の意味で、転じて人を卑しめるために用いられる言葉だ▼虫にとってみれば迷惑千万なことで、「何様のつもりだ。俺たちの本当の能力を知らないくせに」と反発されそうだ。実際その通りで、人間はその能力に注目し、様々な分野に活かそうとしているのは確かである。例えば、「地上最強の虫」とも言われているクマムシ。体長はわずか1㍉程度でありながら、休眠状態になれば100度Cの高温、…

2020年11月27日号 素領域

気象庁は毎年、全国で統一した方法で植物の開花や紅葉、落葉や動物の初見・初鳴を観測する生物季節観測を実施している。植物季節観測として34種、動物季節観測として23種の観測が行われ、季節や気候の変化を捉えることを目的にしていた。残念ながら来年からは植物の6種9現象を残し、その他は廃止されるとのことだが、イチョウの黄葉やカエデの紅葉は継続が決定している▼イチョウやカエデは、標本木全体のうち大部分の葉が黄…

2020年11月20日号 素領域

いまだに、こんな課題が解決されずに残されていたのか。内閣府が行った競争的研究費に係る各種事務手続きに関するアンケート調査結果を見た時の正直な感想だ▼2015年3月の各省申し合わせでは、年度末までの研究期間の確保、使用ルールの統一、購入した研究機器の有効利用、研究費の合算使用、報告書の様式の統一、応募申請様式の統一、電子申請等の促進、使い勝手の改善に関する意見・相談窓口の設置の8項目について取り組む…

2020年11月13日号 素領域

新たに発足した菅政権が目玉とする「デジタル庁」新設などのデジタル改革推進。DX(デジタルトランスフォーメーション)時代に日本が世界的潮流に乗り遅れないよう、社会のデジタル化を加速させる改革である▼省庁や自治体の縦割りを打破して行政のデジタル化を進めるほか、マイナンバーカードと健康保険証の一体化、全小中学生に1人1台の情報端末の導入を進めるなどのオンライン教育拡大、テレワークの推進などを掲げている▼…

2020年11月6日号 素領域

15世紀から17世紀にかけて、いわゆる大航海時代にポルトガルやスペイン、英国を中心としたヨーロッパ人によってアフリカ、アジア、アメリカ大陸への大規模な航海が行われた。この航海を根底で支えた学問が地理学と統計学で、この知識があったからこそ壮大な企てが実現したといわれている。当たり前のことだが、教育が大切であるゆえんだ▼このほど2024年度以降に行われる大学入学共通テストの出題について、現在の6教科3…

2020年10月30日号 素領域

11月3日の「文化の日」は「自由と平和を愛し、文化をすすめる」という趣旨で昭和23年に「国民の祝日」に制定された。昭和21年のこの日に日本国憲法が公布されたことを記念している▼文部科学省は毎年、11月1~7日を「教育・文化週間」として教育・文化に関わる活動を奨励するとともに、文化功労者の顕彰などを行っている。また文化庁は文化庁芸術祭を、関東では10月12日から、関西では10月2日から、いずれも11…

2020年10月23日号 素領域

日本学術会議の新会員任命問題によって、研究者コミュニティが大きく揺れている。6人が任命されなかったことに対して反発が大きいのももちろんだが、その後、学術会議のあり方についても見直しを行うと自民党と政府が決めたことで、現場は戦々恐々としている▼そもそもアカデミーというものは、政府からは独立した存在だが、日本には特殊な歴史的経緯があって、現在のような政府組織の一部という位置づけになった。一方、諸外国で…

2020年10月16日号 素領域

「こんなものがあったらいいな」と思うことはよくあるが、最近感心したのは、本号で紹介している「テレキューブ」である。かつて街中でよく見かけた電話ボックスを少し大きくした、防音型のコミュニケーションボックスである▼内部にはテーブルと椅子、電源コンセントなどを備え、周囲から閉ざされセキュリティの保たれたプライベートなワークスペースが確保できる▼駅や商業施設などの公共の場をはじめ、企業のビルなどに設置され…

2020年10月9日号 素領域

今年の夏も暑かった。コロナ禍でマスク着用が当たり前になり、熱中症の危険性が高まったこともあり、改めて水のありがたみを認識した人も多いことだろう▼人間が水なしでは生きていけないのを前提としたうえで、「水は健康によい」と言われることもあるが本当はどうなのであろう。「水分摂取による健康増進効果の検討」に関する民間機関の研究成果が発表された。研究では、日本人の50歳以上75歳未満の男女に、朝起床後2時間以…

2020年10月2日号
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花粉症の原因となる花粉は約60種類もあり、1年を通していずれかが飛散している。飛散時期は地方によって異なるが、関東では秋は9~10月にブタクサ属やヨモギ属、カナムグラがピークを迎え、そのほかイネ、スギなどの花粉が飛散する▼今年春のスギ・ヒノキの飛散花粉数は、昨春および過去10年平均の約4割と少なかった。花粉情報協会によれば来年春は今年よりやや多く、平年と同じかやや少なくなる予想だという▼東京都健康…

2020年9月25日号
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イノベーション・エコシステムを構築するため、内閣府の官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)予算の一部を、スタートアップ・エコシステム拠点の強化に使うことが、9月17日に開催された内閣府のガバニングボードで了承された▼PRISMはもともと民間投資を誘発する研究開発投資を促進するため、各省のプロジェクトに追加予算を配分するという仕組みで作られた制度だ。年間予算は100億円。19年度から新たに国立…

2020年9月18日号
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いまだに先の見えない新型コロナウイルスのパンデミック。先進各国でワクチンの開発競争が盛んだが、過去にない急ピッチでの開発には安全性を危ぶむ声も多い▼日本でも、今年の冬はインフルエンザと、それまでに開発できれば新型コロナの両方のワクチン接種を実施するような話を国はしているが、本当にそうなる可能性はどうなのか▼医療機関の現場の医師に聞いてみたら、ありえないだろうという答えが返ってきた。ワクチン開発は2…

2020年9月11日号
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宇宙探査機「はやぶさ2」が12月6日に地球へ帰還することが決定した。まだ3カ月ほど先になるが、今から待ち遠しいかぎりである▼2014年12月に打ち上げられてから現在まで約50億㌔を超える飛行を続けている。この間に小惑星「リュウグウ」に2度着陸。採取した石や砂の試料の入ったカプセルを持ち帰ってくれる▼「はやぶさ」の名前は鳥のハヤブサ(隼)が由来である。同じ猛禽類のワシ(鷲)やタカ(鷹)のように強いの…

2020年9月4日号 素領域

消防庁では平成20年から消防機関や医療機関、都道府県の協力により熱中症による救急搬送人数の調査を実施している。今年は6月1日から開始され、10月4日までを予定。8月17-23日の速報値では、1週間で約1万3千人が救急搬送され、多くは軽~中等症だが重症も387人いて、25人が死亡している▼熱中症は、高温環境下で体温の調節機能が破綻するなどして発症する障害の総称と定義され、症状はめまいや大量の発汗等の…

2020年8月28日号 素領域

かつて、大学院博士課程に進学し学生ローン(奨学金)で借金を重ねながらも、アカデミアのポストを得ることができれば、借金は帳消しになり、自分の興味に基づいた研究ができるという時代があった▼現在は奨学金返還免除もなくなり、若手ポスト自体も少なくなったためアカデミックキャリアは非常に狭き門となっている。しかも、研究設備や人間関係といった研究環境についても、大学の研究現場に魅力がなくなっていることが、異業種…

2020年7月31日号 素領域

文部科学省は、公立小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校および大学・高等専門学校の新型コロナウイルス感染症の影響による学習指導に関する状況を調査し、結果を17日発表した▼6月23日時点で高校までの学校では、新型コロナウイルスの影響で4月1日以降、小学校と中学校の1%を除き、全ての学校が臨時休業を実施。多くの学校は夏季休業期間の短縮を含めた対策をとっている▼7月1日時点で…

2020年7月17日号 素領域

新型コロナウイルス感染症(COVID19)の流行は、日本の感染症に対する体制が不十分であることを明らかにした。無症状患者の把握や対応、ウイルス検査と保健・医療の現状分析と必要な体制の整備、感染経路対策から、社会・経済的影響への対策と人々のストレスへの対応、誹謗中傷・差別などといったものまで幅広い課題が顕在化した▼政府は首相を本部長とする対策本部を設置し、専門家会議の意見を取り入れながら対策を進めた…

2020年7月10日号
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新型コロナウイルス感染症は収束どころか、東京などを中心に再び拡大の兆しが強まっている。テレワークなどの利用は進むが、肝心なソーシャルディスタンスの定着は難しい▼というより、東京のような過密都市では無理である。人々が外出するようになれば、電車や街なか、地下街などの至るところで人が密接・密集し、「3密」どころか集団による「団密」にもなりかねない状況である▼古くから指摘されている東京一極集中問題の解消に…

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