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コラム・素領域

2020年11月20日号

素領域

いまだに、こんな課題が解決されずに残されていたのか。内閣府が行った競争的研究費に係る各種事務手続きに関するアンケート調査結果を見た時の正直な感想だ▼2015年3月の各省申し合わせでは、年度末までの研究期間の確保、使用ルールの統一、購入した研究機器の有効利用、研究費の合算使用、報告書の様式の統一、応募申請様式の統一、電子申請等の促進、使い勝手の改善に関する意見・相談窓口の設置の8項目について取り組むことで合意している▼にも関わらず、5年経った今でも、申請の手続きや各種提出書類はバラバラ。しかも同じデータを提出するのに、e-RADに入力しつつ書類も郵送するという奇妙な手続きが求められている。話題の押印も、代表機関だけでなく、全参画機関の機関の長の押印が必要などというのもばかげている▼これまでデジタル化を、紙を電子媒体にするという考えで進めた結果だと言える。求められているのは、単なる電子化ではなく、仕事の進め方やルールのデジタライズである▼デジタル社会に合わせたルールの改定には、大きな労力が必要だ。関連の法律や政省令の改正、各資金配分機関のルールやガイドラインの統一など多くの項目を見直さなければならない。日本のルール(特に法律)改正は、見直し方式で行われてきたため、複雑な入れ子のようになり、どこかをいじると別のところに影響が出るため、それを見直すモグラたたきゲームを繰り返してきた。これでは変化の速い世界では対応できない▼まずは過去のルールを棄て、新たな統一ルールを一気に適用し、細かな齟齬は移行期間で個別に修正するか目をつぶるというように仕事の進め方そのものを変える必要がある。政治的パフォーマンスではなく真の行政改革が求められている。

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