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コラム・素領域

2020年9月25日号


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イノベーション・エコシステムを構築するため、内閣府の官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)予算の一部を、スタートアップ・エコシステム拠点の強化に使うことが、9月17日に開催された内閣府のガバニングボードで了承された▼PRISMはもともと民間投資を誘発する研究開発投資を促進するため、各省のプロジェクトに追加予算を配分するという仕組みで作られた制度だ。年間予算は100億円。19年度から新たに国立大学の産学官連携を促進するためシステム改革経費として、PRISM予算の一部、約20億円を国立大学イノベーション創出環境強化事業に配分するようになった▼一方、内閣府は今年7月、スタートアップ・エコシステム拠点都市として、グローバル拠点都市とそれに準じる推進拠点都市をそれぞれ4つ選定した。経済産業省と文部科学省が主体となるが、政府全体として、拠点都市におけるイノベーション・エコシステム構築を支援することが政策の目玉だ。そこで最初の決定に至る▼拠点都市構想の検討と都市選定は、科学技術政策担当大臣室主導で行われ、ガバニングボードを構成するCSTI有識者議員のうち、常勤の1人しか関わってこなかった。他の有識者議員からすると、検討プロセスを理解できず、この日の会合でも枠組み自体は了承されたが、詳細は改めて検討することになった▼何かを判断する際、その途中経過を理解できなければ、正しい判断をすることは難しい。また政策を決定した後、なぜそういう判断をしたのかを説明できなければ、国民からの信頼を得ることは困難だ▼今回のことは、情報公開することの重要性を示すとともに、科学技術政策の司令塔は誰なのか(大臣? 有識者議員? 役人?)を考えさせられる事例だといえる。

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