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コラム・素領域

科学新聞の1面に掲載している『素領域』全文と、Web限定コラムをお読みいただけます。

2023年3月24日号 素領域

民主主義国家の構成要件には、適正に選挙が行われることなどによって、民意が国家運営に反映されることがあるが、欧米主要先進国では、アカデミーの存在も重要な要件の一つだ▼アカデミーはヨーロッパで民主主義以前に誕生した。英国の王立協会は1660年に組織され、1662年に国王の勅許によって、王立のアカデミーになった。フランス科学アカデミーは、1666年に生まれ、1699年、ルイ14世の庇護によってロイヤル科…

2023年3月17日号 素領域

ロシアのウクライナ侵攻は1年を過ぎても、いまだに終結への道が見えないでいる。その影響で、石油などのエネルギー価格や、様々な食料品の原材料になっている小麦の価格が世界的に高騰している▼それが電気料金やガソリン価格、食料品などの値上げにつながり、人びとの日常生活に影響が及んでいる。日本は化石燃料資源が乏しく、エネルギー源となる石油や天然ガスの大半を海外からの輸入に依存している▼様々な食品の原材料に使わ…

2023年3月10日号 素領域

太陽は水素1㌘から7千億kWものエネルギーを核融合で高効率につくりだしている。この現象を地球上でつくり出そうという試みが核融合研究であり、資源が海水中に豊富にあることや温室効果ガスを出さないことからエネルギー問題と環境問題の両方を解決するものと期待されている▼ITER(イーター)計画もその1つで、核融合エネルギーが科学技術的に実現するかの検証を目的に、国際協力体制のもとで核融合実験炉「ITER」の…

2023年3月3日号 素領域

政府はセキュリティクリアランス制度を創設するための検討を始めた。セキュリティクリアランスは、国家における情報保全措置の一環として、政府が保有する安全保障上重要な情報を指定し、その情報にアクセスする必要がある人に対して政府が調査を行い、その人の信頼性を確認した上でアクセス権を付与する制度。情報を漏洩した場合には厳罰が科される▼制度の概要からすると、公務員の一部にしか関係がないのではないかと思われるか…

2023年2月24日号 素領域

日本は後れをとったデジタル化を急いで進めてイノベーションを起こし、新産業を創出して産業再生などにつなげようと、政府が盛んに施策を展開している▼デジタル活用でキャッシュレス化、ペーパーレス化、リモート化、無人化などを進め、無駄をなくして効率化を進める。その先導役とするべく、マイナンバーカードの普及拡大を進めている▼インターネットの普及、デジタル化の進歩で確かに便利になった。スマートフォンやパソコンを…

2023年2月17日号 素領域

これからのAI(人工知能)はどこまで発展し続けるのであろうかと、つい素朴な疑問を抱いてしまう▼AIは今や人間社会の数多くの場面に入り込み、縁を切ろうにも切ることができない存在となっている。例えば、腕時計に時刻表示以外の機能が盛り込まれ、血圧、心拍数、血中酸素濃度などの情報を記憶し、瞬時に健康状態がつかめるうえに、そのデータをためておいてくれる。高血圧で日頃主治医のお世話になっている身にはありがたい…

2023年2月10日号 素領域

2月14日はバレンタインデー。ローマ帝国時代の西暦269年に殉教した司祭に由来し、キリスト教圏では恋人や家族、親友などが愛を祝う日とされている▼日本では大切な人にチョコレートを贈る習慣が定着しているが、これは洋菓子メーカーのメリーチョコレートが1958年に提唱し、広く社会に定着させた功績に対し、2013年に日本記念日協会から記念日文化功労賞(第3号)が贈られている。ちなみに3月14日のホワイトデー…

2023年2月3日号 素領域

理研が若手研究者の支援制度を充実させると発表した。スタートアップ経費や研究費、スタッフなど、研究に専念できる環境づくりのための支援とともに、任期なしのポストへのステップアップも可能にしており、今後、優秀な若手が挑戦的な研究に取り組むことで、日本から新たな価値が生まれることが期待される▼理研といえば、任期付き研究者の雇用問題がクローズアップされている。労働契約法改正により、任期付き雇用は5年を上限に…

2023年1月27日号 素領域

世の中の動静を知るのに様々な統計が役立つ。最近では、中国の国家統計局が1月17日に2022年末の人口を発表し、約60年ぶりに前年人口より減少したニュースがテレビや新聞などで大きく報道され、話題になった▼また日本の人口トピックスとして、総務省統計局が今年の干支である卯年生まれの1月1日現在の人口を997万人と発表している。総人口1億2477万人(男性6065万人、女性6412万人)に占める割合は8%…

2023年1月20日号 素領域

世界的な時刻の管理を担っている組織が国際度量衡総会であるが、昨年11月の会議で「うるう秒」の実質的な廃止が決議された▼時間はもともと地球の自転に基づいている。地球が自転し、24時間で1回転するものとして、その8万6400分の1を1秒としている。ところが、自転は潮の満ち引きなどの影響で微妙に変化する。各国の標準時である協定世界時(UTC)は、高精度な原子時計により決められている。うるう秒は、地球の自…

2023年1月13日号 素領域

今年の干支は卯。日本では古くからウサギは身近で古い童謡によく登場し、日本最古の書物「古事記」にも因幡の白兎がでてくる。三内丸山遺跡の縄文時代前期中頃(約5500年前)のごみ捨て場からはノウサギの骨が多くみつかっている▼日本には数種類のウサギが野生で生息しているが、環境省のレッドリスト2020ではニホンノウサギの一種であるエゾノウサギとエゾナキウサギは準絶滅危惧、アマミノクロウサギは絶滅危惧IB類に…

2023年1月1日号 素領域

新年あけましておめでとうございます。昨年も科学技術や学術をめぐる様々なできごとがありましたが、今年も研究コミュニティに役立つ情報の発信に努めていきます▼来年度予算案が閣議決定され、研究費も充実することになったわけですが、一方、年末にいろいろな問題が発生しました。一つは福井大学を中心とする査読不正問題です。ムーンショットプログラムのPMを務める福井大の教授が、千葉大、金沢大、浜松医大の3人からの求め…

2022年12月23日号 素領域

本号は今年の最終号である▼今年を振り返れば3年目となった新型コロナウイルス感染は、収束の見通しが立たないまま、また1年が過ぎ、いまだに不自由、不便な生活をさせられている▼2月にはロシア軍がウクライナに侵攻し、その後戦争は長引き、多くの死傷者を出す悲惨な事態が続いている▼さらに、その影響は世界にも及び、食料やエネルギーの供給が滞り、食料品や電気、燃料の値上げなど、経済にも打撃を与えている。そして、北…

2022年12月16日号 素領域

1969年7月に人類が月面に立ってから半世紀以上が過ぎた現在、米航空宇宙局(NASA)は、人類の月面再着陸を目指す「アルテミス計画」を進めていて、米国を中心に欧州・カナダ・日本などが参加している▼まず第1段階で、新たに開発したロケットを使って、新型宇宙船「オリオン」を無人の状態で打ち上げ、月を周回する試験飛行を予定している。第2段階には、実際に宇宙飛行士を乗せて月を周回する試験飛行を敢行。これは2…

2022年12月9日号 素領域

アイザック・ニュートンは1642年12月25日、クリスマスの日に生まれたが、これは当時イギリスで使われていたユリウス暦の日付であり、現在使われているグレゴリオ暦だと異なるという▼ユリウス暦は紀元前45年からローマのユリウス・カエサルによって導入された太陽暦だ。この暦では4年平均で1年が365・25日となり、1太陽年の365・2422日よりわずかに長く、季節と日付の関係がずれていく。現在はこれを補正…

2022年12月2日号 素領域

日本には、マネジメント人材のプロフェッショナルが少ない。こうした問題意識から始まった研究開発マネージャーの公募は、1機関(JST)の小さな一歩でしかないが、長期的に見れば、アカデミアにおける大きな一歩になるかもしれない▼研究者としての能力とマネジメント能力は異なるにも関わらず、日本の大学では研究者が学長などを務めている。もちろん、両方の能力を兼ね備えている人物もいるため、必ずしも大学経営ができない…

2022年11月25日号 素領域

世界的な半導体不足をきっかけに、台湾の大手半導体メーカーと日本企業による新工場建設や、次世代半導体製造の新会社設立など、日本の半導体産業再興の動きが進んでいる▼国の方でも、文科省の今年度予算で大学や国立研究開発法人を中心に次世代半導体創成拠点を形成する施策が進められたり、経産省の第2次補正予算案で半導体産業の支援に1兆円以上の投資が盛り込まれたりするなど、動きが早まっている▼日本は「産業のコメ」と…

2022年11月18日号 素領域

地球近傍天体に関して興味深い実験が9月末、NASAを中心に行われた▼小惑星に探査機を衝突させて軌道を変えようというものである。地球近傍天体とは、地球に接近する軌道を持つ天体(彗星、小惑星、大きい流星体)の総称である。その中で、特にJAXA小惑星探査機「はやぶさ1」や「同2」により探査が行われた小惑星「イトカワ」や「リュウグウ」などは、宇宙の起源や地球の成り立ちなどを知るための貴重な科学的知見をもた…

2022年11月11日号 素領域

近年、光を利用したがん治療である「光免疫療法」が、「手術」「薬物療法」「放射線療法」「免疫療法」に次ぐ第5のがん治療法として注目されている。2011年に米国国立衛生研究所・国立がん研究所の小林久隆氏らにより初めて報告された▼「光免疫療法(NIR-PIT)」は、がん細胞に発現する抗原に、特定の波長の近赤外光で活性化する化合物を結合した薬剤を投与。同波長の近赤外光を照射することで薬剤が結合したがん細胞…

2022年11月4日号 素領域

東北大の出澤真理教授が発見したMuse細胞は不思議な細胞だ。点滴で全身投与すると疾患部位に到達し、素早く対象の臓器に分化し修復してしまう。研究グループは今回、なぜ、素早く正確に損傷した細胞に分化できるのかという一番重要な疑問に、貪食による因子のリサイクルであると結論づける研究結果を発表した▼Muse細胞を使った治験は、急性心筋梗塞、脳梗塞、表皮水疱症、脊髄損傷など7疾患で行われている。昨年5月には…

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