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素領域

科学新聞の1面に掲載している『素領域』全文と、Web限定コラムをお読みいただけます。

2020年4月3日号 素領域

2004年に起きたスマトラ沖の大地震、そして2011年の東日本大震災は、そう簡単に記憶から消え去るものではない。特に強烈な思いとして残っているのが津波であろう▼あの大きな水の塊が怪物のように押し寄せ、人、建物、あらゆるものを呑み込んでしまう姿。まさに恐怖そのものである。地震と津波が直結していることが、改めて頭に焼き付けられた▼さらに厄介なのは、津波にはいろいろなタイプがあることだ。なんの前触れもな…

2020年3月27日号 素領域

農林水産省は新型コロナウイルスの影響で需要が低下している切り花等の消費拡大を目的に「花いっぱいプロジェクト」を展開している。家庭や職場に花を飾って楽しむことを推奨するものだ。好みもあるとは思うが、ご家族や大事な人に花を贈ってはいかがだろう。外出自粛を求められるいま、身近に花を置いて心を落ち着かせるのもいいかもしれない。ちなみに3月27日は語呂合わせで「さくらの日」(日本さくらの会が1992年に制定…

2020年3月20日号 素領域

海外留学や研究継続を断念するといった事例が少なくない▼こうした問題は、以前から指摘されてきたことだが、政府の審議会等を見ると、そこに参加している多くの研究者は自らや家族の力でこうした問題を克服してきた経験を持つため、国内の若手研究者について支援を行うことについては議論が行われ支援制度が検討されることはあっても、海外留学について家族問題も含めて真剣に議論することは少ない。しかし、この20年間で人口構…

2020年3月13日号 素領域

新型コロナウイルスの感染拡大が、日常生活や社会活動、経済活動などあらゆる分野に影響を及ぼしており、全国の学校休校、各種イベントの相次ぐ中止や延期などが起きている▼年度末の2月から3月にかけて全国各地で開催される、各学会の大会や総会も同様であり、軒並み中止となっている▼本紙も、毎年度末に学会特集を組んでいるが、今年は現地での大会中止の影響を受けた。各学会とも大会の現地開催は中止としたが、大会は成立と…

2020年3月6日号 素領域

誰もがよく知っている冬を代表する星座といえば、オリオン座であろう。ギリシャ神話における狩人、オリオンにちなんで名づけられた▼この星座を構成する星の中で、左上に位置し、1等星として赤く輝いているのがベテルギウスである。いま、この星に異変が起きている。昨年の秋頃から急激に暗くなっており、過去50年で最も暗いという。専門家をはじめ筆者のような一般の天文ファンの間でも、星が最期を迎える超新星爆発の兆しでは…

2020年2月28日号 素領域

農作物をはじめとした優良な新品種の海外流出を防止することを主な目的とした種苗法の改正案の審議が今国会で予定されている。内容は農林水産省の有識者会議(優良品種の持続的な利用を可能とする植物新品種の保護に関する検討会)が昨年11月とりまとめた。現行の種苗法では、品種登録されていてもその品種の開発者(育成者)にはその意図に反した利用、例えば海外持ち出し等を制限する権限がないことなどを受けて、この適正化を…

2020年2月21日号 素領域

新型コロナウイルスの感染が新たな段階に突入した。中国への渡航歴がない人や、旅行者と接触したことがない人などにも感染者が出てくるという国内感染の拡大だ▼政府は、新型コロナウイルス感染症対策本部を開催し、今年度予算の余剰分や予備費を投入するなど、国内感染対策、水際対策、産業対策などを実施している。感染症研究所や地方衛生研究所のPCR装置増強などによる検査体制の強化や血清抗体診断方法の開発などを盛り込ん…

2020年2月14日号 素領域

中国の武漢市が発生源とされる新型コロナウイルス感染の勢いが一向に止まらない。11日時点で中国本土での感染者は4万2000人を超え、死者数は1000人以上となった。日本もそうだが、欧米、アジアなど世界各地でも感染者が確認されている▼一方で、地球温暖化が原因と考えられる海面上昇、超大型台風や豪雨、猛暑などの異常気象、山岳地域や北極地域の氷河の融解などにより、近年、世界中で洪水や土砂崩れ、干ばつ、森林火…

2020年2月7日号 素領域

地球温暖化の影響で今年の冬は暖冬傾向だそうだ。確かに暖かい日が続く印象はあるのだが、だからこそ合間を縫ってやってくる寒い日が問題で、身にしみる寒気が一層こたえる。ついつい縮こまって、外に出るのが億劫になってしまう▼そのような方にお伝えしたい研究結果がある。それが病気、特に認知症の予防にもなるというのだから興味深い。歩き方に目を向けた研究で、とりわけ歩幅がポイントだという▼日本の研究チームが発表した…

2020年1月31日号 素領域

厚生労働省は1月24日、新型コロナウイルスの国内における4例目の感染例を確認したと発表した。同ウイルスはWHOにより2020-nCoVと名付けられ、中国湖北省武漢市が感染源であると考えられている▼コロナウイルスは新型を除けば、これまで6種類が知られている。そのうち4つは風邪を引き起こし、2つは動物を感染源に感染する人畜共通感染症であり重篤肺炎を引き起こす。重篤な2種類はSARS-CoVがコウモリ、…

2020年1月24日号 素領域

6つのムーンショット目標が決まった。これを見ると1~3は少子高齢化とそれに伴う労働人口減少といった問題への対応、4と5は広い意味での環境問題、6は量子コンピューターと分けることができる▼世界で最も早く少子高齢化する日本社会において、ムーンショットは、目標1で人間の能力を強化し、目標2で病気にならないようにして、それでも減っていく人口を補うため、友だちになれるAIロボットを作る。1~3の目標を眺めて…

2020年1月17日号 素領域

2020年。東京オリンピック・パラリンピックの年がいよいよ明けた。大新聞やテレビなどマスメディア報道は、この話題一色といった感じである▼最近の報道を見聞きしていると、昨年のラグビーワールドカップもしかり、とにかくスポーツの話題が多い。それだけ日本のアスリートの活躍が目立つということでもあるのだろう▼弊紙「科学新聞」は科学技術の専門紙である。オリンピックや各種スポーツに興味はあるが、科学技術も重要な…

2020年1月10日号 素領域

新たな年の初めにあたって、今年こそ何か成し遂げたいと思っている人も多いことだろう▼それが叶うか叶わないかなんて、それほど難しく考える必要はないのかもしれない。結果はともあれ、少しずつでも努力することが大切だと思う。例えば、信頼のおける友人や知人を少しでも多く持てるように努力してみるというのはいかがであろう▼健康面でちょっとした相談ができる医者が身近にいるかどうかを考えてみてほしい。慢性的な病で長期…

2020年1月1日号 素領域

謹んで新年のお慶びを申し上げます▼総務省消防庁によれば、平成30年中の総出火件数は約3万8千件で、10年前、平成21年の約5万件と比較すると減少傾向にはあるが、それでも年間1427人の死者が発生した▼約3万8千件の出火原因は、たばこが最も多い3414件、たき火が3095件、こんろが2852件、放火が2784件、放火の疑いが1977件と続く。放火と放火の疑いを合わせると、1位のたばこより高くなる。一…

2019年12月20日号 素領域

令和元年度補正予算案が閣議決定された。通常国会冒頭で審議され、決定されることになる▼今回の補正の目玉の一つがムーンショット型研究開発と創発的研究だ。ムーンショットでは、農研機構に50億円、AMEDに100億円の基金が設置され、今後の研究開発に使用される▼一方、創発的研究はJSTに500億円の基金が造成される。若手研究者を対象に3年間にわたって延べ700人程度採択し、年間700万円程度の予算を原則7…

2019年12月13日号 素領域

1990年以降続いている日本経済の低迷。背景にある国際的な産業競争力の低下が指摘され、それを支える科学技術力や研究力の地盤沈下が叫ばれて久しい。それらの強化へ向けて国もさまざまな施策を展開してきている▼しかし、一向に結果が出ず、トップの米国やすさまじい進展ぶりの中国などとの差は縮まらず、日本の科学技術力、研究力の低下に対する関係者の懸念は増すばかりである▼そうした懸念は、学界や産業界、政界、官界な…

2019年12月6日号 素領域

読者の皆様は“かくれ脱水”という言葉をご存じだろうか。脱水症の一歩手前なのだが自覚症状がなく、体重の1%あまりの水分が失われてしまう症状を指す用語だ▼放っておけば健康に深刻なリスクを及ぼしかねない。脱水などというのは熱中症の心配がある真夏に起きることだろうと安易に考えているとしたら、全くの間違いだそうである。意外にも気温が下がる冬が危ないのだ。この時期は体感温度が低くなるため、のどの渇きを感じる機…

2019年11月29日号 素領域

12月1日の世界エイズデーは、世界レベルでエイズ(後天性免疫不全症候群)の蔓延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消を目的に、WHO(世界保健機関)が1988年に制定した。毎年12月1日を中心として、日本を含む世界各国で啓発活動が行われている▼同疾患はHIVウイルスがTリンパ球やマクロファージ(CD陽性細胞)などの免疫細胞に感染することで発症。感染に伴いこれらが減少することで様々な疾患にかかり…

2019年11月22日号 素領域

グーグルが量子超越を達成したという論文をネイチャーに発表した。これに対して、IBMがそれは量子超越の達成ではないと反論するなど、様々な反応があったが、日本は国際競争の中で生き残れるのだろうか▼グーグルの発表では、自社開発した量子プロセッサ「Sycamore」(53量子ビット)で53ビットの乱数を生成。100万回の乱数を生成させるのに200秒かかった。一方、世界最高速のスパコン「Summit」で量子…

2019年11月15日号 素領域

日本のイノベーションを加速させるため、高いポテンシャルを持つ中核機関が連携して人材、施設、知的財産などの総合的な研究開発能力を結集。知の創出から産業化までを一貫して支援し、次代を担う人材の育成に努めているオープンイノベーション拠点、それが「TIA」である▼発足は2009年。産総研、NIMS、筑波大学、KEKが中核機関となり、ナノテク大拠点を目指した「つくばイノベーションアリーナナノテクノロジー拠点…

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