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素領域

科学新聞の1面に掲載している『素領域』全文と、Web限定コラムをお読みいただけます。

2024年4月19日号 素領域

いま生成AIに多くの関心が集まり、様々な話題が報道されている。一方、人工知能というとSF映画などに登場する、人型ロボットに優れた人工知能を持たせた、人と同じような高度なヒューマノイドロボットのイメージが浮かぶ▼しかし、こうしたAI搭載ロボットの研究はあまり進んでいないようだ。その理由は、ロボットに搭載する賢いAIの設計法が未開発だったからである。さらに、そうしたロボット搭載用AIの研究開発を行うた…

2024年4月12日号 素領域

今年の科学技術週間は4月15日から21日。科学技術について広く一般の人に理解と関心を深めてもらい、日本の科学技術の振興を図る目的で昭和35年に制定された。毎年4月18日の「発明の日」を含む月曜から日曜の1週間とされ、全国各地の科学館や博物館、大学、試験研究所などで各種イベントが開催されている▼「発明の日」は現在の特許法の前身である「専売特許条例」が公布され、明治18年のこの日に日本の特許制度が始ま…

2024年4月5日号 素領域

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、2009年頃に中国で発生が報告されたダニ媒介感染症で、11年に初めて原因ウイルスが特定された。日本国内では13年1月、山口県で海外渡航歴のない男性の感染が確認され、それ以降、九州地方と中国・四国地方で感染例が相次いだ。その後、近畿地方にまで広がりをみせていたが、21年には静岡県で初めて感染が確認された▼当初、中国や韓国でヒト-ヒト感染が報告されていたが、日本…

2024年3月29日号 素領域

警察官などを名乗る男がインターネットバンキングを悪用し、千葉県の70代の女性から約2億5000万円もの大金を盗んだ特殊詐欺事件が先日ニュースになっていた▼どうしたらこれほどの大金をだまし取ることができるのかと思うが、怖いものである。近年、こうしたインターネットバンキングを悪用した不正送金事件が急増しているようだ。金融機関などを装った偽メールを送り付けたりマルウェアに感染させたりして個人情報を盗み、…

2024年3月22日号 素領域

北陸新幹線の金沢-敦賀間が3月16日開業した。同新幹線は1997年に高崎から長野まで、2015年に長野から金沢まで開業。その総延長は約700㌔㍍(全線開通後)と新幹線の中で最も長い。東京を起点として、長野、上越、富山、金沢、福井などの主要都市を経由し、最終的には京都、大阪へと至る。現在は東京-敦賀間を最速3時間8分、大阪-金沢間(特急のサンダーバード利用時)を最速2時間9分で結ぶ▼運営主体は東京か…

2024年3月15日号 素領域

グローバル・スタートアップ・キャンパス(GSC)構築に向けて、拠点整備予算は一部措置されているものの、肝心の中身の議論が進まない。米MITなどの拠点をそのまま日本に持ってきて、共同研究を通じてビジネス化しようという、一部のCSTI有識者議員の安易な思いつきが出発点になっているからだ▼米ハーバード大学のWyss研究所では、VCや製薬企業とのアライアンス、篤志家からの寄付など、多様な財源で産学連携のプ…

2024年3月8日号 素領域

近年、少子高齢化問題が一層深刻さを増している。国立社会保障・人口問題研究所が2020年の国勢調査を出発点として、将来人口を推計している▼昨年4月公表の推計値によれば、全人口は2020年の1億2615万人から、50年後の2070年には8700万人に減少する。65歳以上の高齢者の割合は28・6%から38・7%に増え、高齢化も一段と進む。一方、0~14歳の子供たちの割合は11・9%から9・2%へとさらに…

2024年3月1日号 素領域

3月5日は「サンゴ(珊瑚)の日」。サンゴの保全と育成を目的に、世界自然保護基金(WWF)が1996年に制定した。語呂合わせから来ており、サンゴが3月の誕生石であることにもちなんでいる▼沖縄県サンゴ礁保全推進協議会はこの日に合わせて2月23日から3月17日までを「サンゴ礁ウィーク」として、Webサイトに同時期に開催される企画展や浜辺の清掃活動などの情報を掲載している▼自然環境に優しい地域づくりを目指…

2024年2月23日号 素領域

日本のGDPがドイツに抜かれ、世界第4位に転落した。一方、日経平均株価はバブル期の最高値に迫っている▼実体経済が伴わないにも関わらず、株価が上昇していることについて、多くの専門家が様々な要因分析をしている。世界経済のバランスの中で日本の株式市場に資金が流入していることと、NISAなどの国内政策によって、国内の金融資産が株式市場を活性化させているというのが大方の見方だ▼ドイツは憲法上で連邦政府が地方…

2024年2月16日号 素領域

いま米国では、SNSの有害なコンテンツから子供を守る対策が不十分だという議論が高まっているというNHKのニュースを最近見かけた。日本でもSNSによる誹謗中傷の問題がたびたびニュースに取り上げられており、被害者が自殺にまで追い込まれた事例もあった▼そんなサービスならやめてしまえばいいのにと思うが、日本での利用者数は8270万人、普及率82%(ICT総研2022年度調査)と非常に人気が高い▼しかしイン…

2024年2月9日号 素領域

今年は閏年なので2月は29日まである。国立天文台によれば、現在使われている「グレゴリオ歴」では、西暦年号が4で割り切れる年を閏年とし、例外として100で割り切れて400で割り切れない年を平年と決めている。ちなみに「閏」の漢字は「平年より月日の多い年」を意味している▼まだ寒いとはいえ暦のうえではすでに春を迎え、全国的に梅も咲きはじめた。春一番も立春(2月4日)から春分(3月20日)ごろまでに吹く南寄…

2024年2月2日号 素領域

経済安全保障分野におけるセキュリティ・クリアランス(SC)制度に関する有識者会議が、最終取りまとめを行った▼SC制度は、政府が保有する安全保障上重要な情報として指定された情報(CI:Classified Infomation)にアクセスする権限を、信頼性を確認した上で与える制度。これまでの制度では、政府関係者や防衛関係者などが軍事技術などの特定機密情報を扱うといったことに限られていた▼ISC(In…

2024年1月26日号 素領域

ChatGPTの登場でいま生成AIが注目されているが、AIがサイバーセキュリティにどう影響するかという興味深いレポートが、昨年末の12月に発表された▼グローバルなサイバーセキュリティ企業であるカスペルスキーがまとめた年次レポートの一つ「サイバーセキュリティにおけるAIの影響」で、2024年以降にAIがサイバーセキュリティに与える影響を予測している▼それによると、組織のサイバーセキュリティを強化する…

2024年1月19日号 素領域

顧みられない熱帯病(NTDs:Neglected Tropical Disease)は公衆衛生管理が困難な主に熱帯の貧困地域に蔓延する疾患群で、WHOによれば世界で10億人が罹患し、16億人が介入を必要としている▼3大感染症(エイズ、マラリア、結核)と比べて世界から関心が向けられず十分な対策がとられてこなかったが、1997年のG8北海道洞爺湖首脳宣言を経て、大きくは2015年の国連サミットでSDG…

2024年1月12日号 素領域

1日1日午後4時10分頃、石川県能登地方をマグニチュード7・6、最大震度7の地震が襲った。お亡くなりになった方々に謹んでお悔やみ申し上げるとともに、被災された方々には心からお見舞い申し上げます▼国内で震度7を観測したのは、2018年の北海道胆振東部地震以来で、同じ震度7を観測している熊本地震、東北地方太平洋沖地震、新潟県中越地震などでも大きな被害が出ていることからも、地震の大きさがわかる▼防災科学…

2024年1月1日号 素領域

新たな年が明け、2024年が始まる。21世紀に入って早くもほぼ四半世紀が過ぎたことになる▼年始には明るい願いをと思うが、昨今の国内・国際情勢を考えるとどうもそうはいかない。長引いたコロナウイルス感染は5類感染症扱いになり、制限されていた日常生活もようやく従来に戻りつつある▼しかし、景気は相変わらず。年末には自民党内の政治資金規正法違反事件が発覚して政治の混乱を招いている。物流業界の2024年問題な…

2023年12月22日号 素領域

「ブックサンタ」をご存じですか? 書店等に「あなたが選んだ本を、サンタクロースが全国の子供たちに届けます」というポスターが貼られているのを見たことがある方もいるかもしれない▼「ブックサンタ」はNPO法人チャリティーサンタが進める、全国の困窮家庭や児童福祉施設等の子供たちに本を贈ることを目的とした社会貢献プロジェクトで、2017年に書店と連携して開始された。提携書店で贈りたい本を買ってその書店に預け…

2023年12月15日号 素領域

日本学術会議の臨時総会が9日に開かれ、声明「日本学術会議のより良い役割発揮に向けた基本的考え方-自由な発想を活かした、しなやかな発展のための協議に向けて-」が採択された▼現在、政府の有識者懇談会で学術会議がその機能を発揮するために必要な制度改革案が議論されている。そこで内閣府が示した法人化案について、5つの条件をクリアしなければ、法人化には反対するというのが今回の声明の要旨だ▼法定事項は最低限にし…

2023年12月8日号 素領域

KDDIは、先月11月23日で国際衛星通信開始から60周年を迎えた。それによれば、日本の衛星通信は1963年11月23日の日米間テレビ衛星中継の実験で幕を開けた▼リレー衛星を用いたこの衛星通信実験の成功で、それまで短波無線が主流の国際通信は新しい時代を迎えることになった。ところが、この画期的な実験で送られてきたのは、なんとケネディ大統領暗殺のニュースだった▼早朝のテレビニュースで、そのショッキング…

2023年12月1日号 素領域

空気が乾燥する冬の12月から、春先の3月~4月まで続く火災が起こりやすい期間に突入する。毎年3月が最多となる▼東京消防庁の令和4年版「火災の実態」によれば平成4年から令和3年までの30年間の火災件数は、平成9年の約7千件をピークに減少傾向にあり、令和3年には約4千件まで減少。同庁が統計を開始した昭和35年以降で最も少なかったのは令和2年の約3700件。発生件数自体は平成27年頃から横ばい状態にある…

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