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コラム・素領域

2026年10月23日号

素領域

富山県は秋のツキノワグマの出没予測の判断材料として、秋の主食とされるドングリ(堅果類)の豊凶調査の結果を先月発表した。堅果類のうち同県の主要樹種のブナ、ミズナラ、コナラを調査した結果、ブナが豊作、ミズナラとコナラが並作となり、クマの平野部での大量出没の可能性は低いと予測した。出没と関係の深いブナが並作以上の年は、大量出没はみられない傾向があるという▼ツキノワグマは10月から11月に冬眠に備えて多くの餌を求めて行動が活発になる飽食期を迎える。植物質中心の雑食性で、柔軟に食べ物を変化させるため地域や年により食性は様々だが、秋は堅果類と果実類を主に食べる。このため堅果類が不作の年は、栗や柿類を求めて人の生活圏での出没が増加すると考えられている▼富山県は、ブナが豊作だと翌年は凶作になり、大量出没が予想されることから、来年は注意が必要だとしている▼島根県中山間地研究センターは今年2月に、日本西部のツキノワグマの脂肪蓄積の年次および季節変動を報告。そのなかで凶作年に生活圏に出没したクマの脂肪蓄積は正常で、必ずしも栄養状態が悪いための行動ではなく、庭の果樹など魅力的な食料源に誘引されている可能性を指摘した▼島根県の調査では、庭の柿を起因とする集落への出没件数は甘柿、渋柿の区別なく多いという。環境省は人とクマ類のゾーニングを図るため、放任果樹等の除去・管理、集落周辺の刈り払い、ごみを放置しないといった対策をよびかけている▼AIロボットによるクマ対策も提案されている。今までになかったこうした技術による新展開に期待したい。