文部科学省は2月に国立美術館、国立文化財機構、国立科学博物館が達成すべき業務運営に関する目標(第6期中期目標:2026年4月1日~31年3月31日)を発表した。国立文化財機構は、5つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館、皇居三の丸尚蔵館)と、東京文化財研究所、奈良文化財研究所、アジア太平洋無形文化遺産研究センターの計8施設を運営している▼同目標では4年目で展示事業に係る自己収入額の割合が4割を下回ると再編の対象となることが示された。反響は大きかったようで文化庁は3月6日、特に多く寄せられた質問についてWebサイトで回答。同目標では自己収入の割合について、4つの業務「収集・保管」「教育普及」「調査研究」「展示」の3割を占める「展示」のうちの4割で、かつ再編は閉館を想定していないと説明した。そのほか収入増に対する予算削減の懸念、文化財の長期展示の検討に対する懸念にも回答した。同機構の現在の自己収入割合は全体で「展示」が54%で、目標では5年目に65%、次期中期目標期間中に100%が設定されている▼在仏日本商工会議所は昨年11月にフランスがルーブル美術館が見栄えのする集客的活動や美術品の購入を優先し安全・保安面を犠牲にしてきたと批判し、改善勧告が行われたことを報告した。盗難事件もありフランス国内でも注目されていたという。ただ自己収入の60%を入場料で賄いアブダビ分館のライセンス収入もあり、予算面の基盤は安定していると評価された▼美術品を扱わない博物館と単純比較はできないが、ルーブル美術館でも維持への苦慮が感じられる。今回の目標でより良い道が探れることを期待すると共に、政府には無理だった場合に再度検討できる対応を期待したい。
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