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コラム・素領域

2018年4月27日号

素領域

先日、AI(人工知能)では国内最大とされる専門展を見てきたが、会場内は人をかき分けて先に進まなければならないほどの混雑ぶりで、盛況を超えて過熱気味であった▼しかし、これほど熱い注目を浴びているAIだが、情報通信分野の業界団体であるCIAJ(情報通信ネットワーク産業協会)が、会員向けにまとめた「技術ナビゲーション2018」で気になる指摘をしている▼この調査報告は、CIAJの会員企業が今後どう自社のビジネスを展開するか、その参考材料を提供するために、技術動向を調査して報告しているものである▼今回はその中で、新たなサービスやビジネスを創出する際の、課題や制約・阻害要因などを検討した結果、AIについては研究成果や知財権、人材で日本と米国の技術格差が大きく、その解消が課題だと問題提起している▼AI主要論文数の傾向では、中期的(約20年間)には米国が全体の28%を占めて圧倒的に多く、英国(9%)、中国(5・8%)、ドイツ(5・7%)などと研究ハブを形成。日本(3・3%)は、こうした世界のハブから取り残されている▼AI特許出願数でも米中が他国を圧倒。さらに、経営者の姿勢についても、IT人材への報酬やIT投資に対するマインドが日本は米国より低く、マイナス要因となっているという▼世界的にAI開発競争が激化しているが、日本のこの状況は深刻である。国を挙げて開発を推進する日本だが、相当なスピードアップや投資拡大などが必要なのではないか。

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