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コラム・素領域

2026年6月19日号

素領域

知財・無形資産は、日本の成長力の源泉だが、大学の保有する特許のうち8割が未利用となっており、その力を十分に活かしきれていない。ただし、よく見てみると、東大・京大は利用率45・7%、東大・京大を除くRU11は25・2%、その他の大学は19・2%となっており、やりようによっては利用率を上げることができそうだ▼政府の知的財産戦略本部は6月12日、知的財産戦略2026を決定した。戦略17分野における競争優位性確保のためのIPランドスケープの活用による知財投資、知財・無形資産の潜在的価値の可視化、AI時代における知財の保護と透明性に関するプリンシプル・コードの策定、コンテンツ産業のボトルネック解消などが盛り込まれた▼大学の知財の社会実装を推進するための方策も入っているが、新たな取り組みを行うというよりも、知財戦略プロデューサーの派遣や外国出願費用の助成、知財啓発、OIモデル契約書の普及と見直し、マッチング機会の創出など、これまでの方策を強化することが主要な内容となっている▼山口大学はオランダの会社と連携して、出版した論文の社会的価値をAIによって評価する取り組みを始めた。論文の内容からビジネス・ポテンシャル・スコアや技術成熟度を算出するもので、研究者自身に新たな気づきを与えるとともに、大学としても自らのポテンシャルを確認できるため、知財活動や産学連携がよりスムーズに行えそうだ▼知財を活かし、社会実装するためには、自らの研究や技術がどのような価値を持っているのかを理解することが、まずは大切だ。その意味で、山口大のような取り組みが広がることが期待される。