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コラム・素領域

2026年7月3日号

素領域

最近、自社の役員や会計・情報システムの担当者、金融機関などを騙った不審なメールが頻繁に届くなど、サイバー攻撃の様相が変わってきた。サイバーセキュリティサービス・製品を提供するIT企業によると、これはファイアーウォールを攻める従来型のサイバー攻撃と違い、信頼を悪用した攻撃であり最近急増しているそうだ▼矢野経済研究所がまとめた2025年度のサイバーセキュリティ市場調査によれば、こうした一向に減らないサイバー攻撃の状況を背景に、サービス・製品の市場拡大傾向が続いているという▼便利なインターネットが普及して誰もが使える世の中が到来した。かつて盛んにいわれた高度情報社会が現実になったということだろうか。しかし、これは技術革新によって情報システムやサービスが高度に発展し、それを誰もが安心安全に利用して豊かな社会が実現することを謳ったものではなかったか▼それならば、インターネットが普及してPC・スマホなどで様々な活用ができるようになった現状は、高度情報社会とは程遠いということになる。その背景にあるのは、ネットの秘匿性だろう。犯罪者にとって、自らを隠して目的が達成できるネット社会は、現実社会よりも格段に犯罪がしやすい。ネットの規制強化はイノベーション推進に反するとして、取り締まりも遅々として進まない▼実際、インターネットの普及で豊かになったのはIT企業やICT企業、これらに投資して儲けた資産家、そしてサイバー攻撃を行う犯罪者ぐらいではないかと思いたくなるほど現状は緩い。これで今後はAIが本格的に普及するというのだから、ネット社会の未来はちっとも明るくない。デジタル技術への過度の依存が将来に禍根を残さぬよう願うばかりだ。