近年SFTS(重症熱性血小板減少症候群)や日本紅斑熱をはじめとしたマダニ媒介感染症の報告が増加している。マダニの活動が盛んな春から秋にかけて刺される危険性が高まる。これら感染症の多くはワクチン等での予防が不可能なため、マダニに刺されないようにする対策が重要になる▼SFTSは中国で2011年に初めて報告されて以来、東アジア、東南アジアで患者が確認された。国内では2013年以降、西日本を中心に発生していたが昨年には関東、東北、北海道でも報告。年間百人程度の感染例があり、徐々に東に拡大している▼多くの場合ヒトはウイルスを保有するマダニに刺されて感染するが、野生動物やペットを経由して感染した事例もある。患者から医療従事者へのヒト―ヒト感染も報告されている。通常7~10日の潜伏期間を経て発熱や消化器症状などが現れ、重症だと出血や意識障害を伴い死亡することもある。致命率は約27%で新型コロナウイルスよりはるかに高い。ネコやイヌも発症し、ネコは約6割、イヌは約4割が命を落とす▼森林総合研究所などは、SFTSの感染は、人間と野生動物の接点である森林と開けた場所の境界の距離が長いほど、また気候が温暖な場所ほど発生しやすいことを、昨年明らかにした▼夏を迎えレジャーで野山にでかける方もいるだろう。マダニ自体は市街地の公園や草むらにもいる。草むらに入る時は肌の露出をできるだけ少なくしたほうがいい。イヌの散歩後の体全体のチェックもお忘れなく。マダニを目視で確認しやすくするため、明るい色の衣服を着るのもおすすめだ。
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