いま米国では、SNSの有害なコンテンツから子供を守る対策が不十分だという議論が高まっているというNHKのニュースを最近見かけた。日本でもSNSによる誹謗中傷の問題がたびたびニュースに取り上げられており、被害者が自殺にまで追い込まれた事例もあった▼そんなサービスならやめてしまえばいいのにと思うが、日本での利用者数は8270万人、普及率82%(ICT総研2022年度調査)と非常に人気が高い▼しかしインターネット同様、その功罪、光と陰といった問題がどうしてもつきまとう。なかなか安心して安全に利用できないというのが実情である▼そこで、こうした問題への取り組みを、SNS運用会社や行政などが様々に行っている。そのひとつにEUが2004年に始めた「セーファーインターネットデー(SID)」というのがある。現在は100カ国以上の国々で開催される取り組みであり、日本でも一般社団法人セーファーインターネット協会がSIDの日本事務局として活動を推進している▼今年は2月6日に行われ、総務省はICTリテラシーの取り組みを行う事業者などと協力し、その具体例などをまとめたWebページを公開した。「ネット&SNS よりよくつかって 未来をつくろう~ICT活用リテラシー向上プロジェクト~」がそれである。偽・誤情報や肖像権侵害などの問題への向き合い方を学べるショート動画や、ICT利活用に重要なキーワードの解説など、SNSを安全に利用するための知識が載っている▼また、ネットやSNS利用時の困りごとに対する対応力を、年代別にチェックできるコンテンツなどもあり、大変勉強になる。SNS利用者にはぜひ閲覧してほしいと思う。
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