科学技術の進歩に寄与し
豊かな社会発展に貢献する
唯一の専門紙です。
毎週金曜日発行

TOP > コラム・素領域一覧 > 2024年3月1日号

コラム・素領域

2024年3月1日号

素領域

3月5日は「サンゴ(珊瑚)の日」。サンゴの保全と育成を目的に、世界自然保護基金(WWF)が1996年に制定した。語呂合わせから来ており、サンゴが3月の誕生石であることにもちなんでいる▼沖縄県サンゴ礁保全推進協議会はこの日に合わせて2月23日から3月17日までを「サンゴ礁ウィーク」として、Webサイトに同時期に開催される企画展や浜辺の清掃活動などの情報を掲載している▼自然環境に優しい地域づくりを目指し2018年に「サンゴの村」宣言を行った沖縄県国頭郡恩納村では、3月5日に恩納村の自然環境を保全する活動「恩納村Save the coral」プロジェクトを開催。陸域と海岸の清掃活動の参加希望者を受け付けている。恩納村ではサンゴの減少に対応するため、毎年約千本のサンゴを植え続けているという▼沖縄科学技術大学院大学(OIST)では、科学的知見に基づいたゲノム情報を活用したサンゴ礁の保全・再生を目指す「サンゴプロジェクト」を昨年7月から開始。沖縄の特定の場所に植えるのに最適なサンゴの種類を見極めて、植え付けを行うと共にモニタリングを継続。あわせて企業の支援をサンゴ保全の非営利活動へとつなげる活動も展開している▼国立環境研究所はサンゴ保全には市民参加型のモニタリングに加え、気候変動への対策とは異なる陸域での対策も重要であることを指摘。陸域からサンゴ礁への土砂流入が回復へのリスクであることや、近年の海水温上昇の影響で南では白化、北では分布北上が見られることを報告した▼サンゴ礁の分布は最寒月の平均気温が18度C以上の暖かい海域と一致し、温帯ではサンゴはサンゴ礁をつくらない。日本はこの北限にあたる。「サンゴの日」を機会にサンゴに思いを馳せるのもいいかもしれない。

  • facebook
  • twitter
  • Google +
  • はてなブックマーク
  • LINE
  • Mail
THE SCIENCE NEWS
  • facebook
  • twitter
  • Google +
  • はてなブックマーク
  • LINE
  • 購読申込
  • メール