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コラム・素領域

2024年9月27日号

素領域

9月16日の「敬老の日」にちなんで、総務省統計局が「統計からみた我が国の高齢者」をトピックスとしてまとめた▼それによると、今年9月15日現在の65歳以上の高齢者人口推計は3625万人で過去最多、減少する総人口に占める割合も過去最高の29・3%に達した。世界においても人口10万人以上の200の国・地域の中で、日本の高齢者人口の割合は最高である▼日本の65歳から74歳(前期高齢者)が総人口に占める割合12・5%と、75歳以上(後期高齢者)の割合16・8%は、いずれも主要国の中で最も高い。さらに、日本の65歳以上人口の割合の推移をみると、右肩上がりに高くなり、高齢化率の上昇傾向が今後も続く見通しである▼一方、国立社会保障・人口問題研究所の推計(2023年)では、2070年の日本の推計人口は8700万人まで減少する見通しである。これらのことから将来展望すると、今後は65歳以下の人口は小幅に減少していくが、それ以下の人口は大幅に減少していくため、高齢者大国へと一層進むことになる▼この少子高齢化問題をはじめ、温暖化による災害激甚化、経済安全保障、産業低迷など、今日の日本が抱える問題は多く、どれも深刻さを増している。では、そうした状況をどう解決していくのか。やはり日本の産業を支え、国民の命・健康・生活を守るための科学技術なくして、将来の日本の姿は語れないのではないか▼いま、新しい日本の首相を決めるべく政治が動いているが、科学技術について強く訴える候補者がいないのは残念である。次の衆議院選挙に勝つためのトップを選ぶのではない。今日の日本の窮状を救う。そういう能力に長けた人物を選ぶのが道理である。

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