総務省情報通信政策研究所が「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」を公表した(本紙7月11日号掲載)。その中で、テレビ、新聞、インターネット、雑誌の各メディアについて、重要度と信頼度を調べた結果をまとめている▼全年代では、情報源としての重要度1位はテレビ(81・3%)で、次いでインターネット(72・9%)。新聞は46・9%、雑誌は13・4%となった。娯楽としての重要度1位はインターネット(80・4%)で、次いでテレビ(80・1%)である。新聞は30・1%、雑誌は27・0%と低い▼ところが、メディアの信頼度となると違ってくる。1位は新聞(59・9%)、次はテレビ(58・2%)だ。インターネットは27・0%、雑誌は15・7%で、ともに低い。全年代だけでなく、各年代別で見ても新聞とテレビの信頼度は、ネットや雑誌よりもずっと高い▼一方でテレビ、ネット、新聞、ラジオの利用時間を調べた結果では、全年代の平日1日の平均利用時間は、ネットが181・8分で最長。次いでテレビ(リアル視聴)も154・7分と長い。それらに比べて、新聞はわずか9分、ラジオも11・8分と非常に短い。休日でも同様の結果だ▼新聞に携わる者として、これらの結果を重く受け止めている。新聞は購読者が激減しているからだ。一般紙とスポーツ紙合計の発行部数は2000年の約5370万部から、24年では約2660万部へと半減した(日本新聞協会調査データ)▼ただ、メディアとしての新聞の信頼度はまだ高い。部数が減り利用の度合は落ちているが、ここに新聞の生き残る道があるように思う。
© 2025 THE SCIENCE NEWS