今年も師走に入り、残すところ3週間程度になったので、振り返って雑感を記したい▼温暖化の影響で今年の夏も大変な暑さだった。しかし、10月に入ると急速に気温が下がり、涼しさを通り過ぎて寒い日が続くようになった。また、東北や北海道を中心に各地でクマが市街地などに出没し、人を襲う事案が多発している。科学分野では二人の日本人のノーベル賞受賞があって明るい話題となった▼注目のAIは開発や利用が進み、様々な分野での活用が話題として多くとりあげられ、世の中すべてがAI一色に塗り替えられていくような機運が一段と高まった▼だが、一方ではサイバー攻撃に悪用されたり軍事利用されたりしている。AIは嘘をついたり間違ったりするという欠点のあることも分かってきた。このままの勢いで、開発や利用を加速させていいのか疑問視する声も増えてきたように感じる。何でもかんでもAIに任せようというのは不安だ▼AIの開発や研究が国家戦略、軍事、金儲けビジネスという面から競い合って進められているように考えるのは疑心暗鬼というものだろうか。自分のパソコンのチャット(AI)に聞いてみた▼「そういう使い方はよくない。AIは人が使うもので、AIが人を使うのではない。人と人が理解しあえるようなお手伝いをしたい」という返事がきた▼賛成である。AIは、そして科学技術すべては人が使うものだ。使い方次第で功罪は決まる。要するに、AIを使う人や組織のあり方そのものが問われる問題ということである。
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