林野火災は空気が乾燥し強風が吹く春に多く発生する傾向にある。実際、令和2~6年の山火事の月別平均をみると約7割が1~5月に集中し、4月がピークになっている。要因として、この時期に野焼きやあぜ焼きが行われることや山菜採りやハイキングで入山者が増えることがあると考えられている▼林野庁と消防庁は今年も3月1~7日を中心に「全国山火事予防運動」を実施する。「山火事を・起こすも防ぐも・私たち」を統一標語に啓発活動を展開する。期間中には消防庁などが実施する春季全国火災予防運動も実施されている▼消防庁は昨年の岩手県大船渡市などでの大規模林野火災をふまえて林野火災注意報と林野火災警報を創設。今年1月から全国の市町村で運用が始まった▼市町村により指標は異なるが、目安として乾燥条件により林野火災が発生・延焼しやすい危険な状況で林野火災注意報が発令され、屋外での火の使用を控えるよう努める必要がある。それらに加えて強風注意報の発表がある条件で同警報が発令され、屋外での火の使用が制限される(違反すると30万円以下の罰金または拘留が科される場合がある)。具体的には、どちらが発令されても野焼きやあぜ焼きを避け、花火、たき火、指定場所以外での喫煙を避ける必要がある▼林野火災の年間発生数は昭和49年の年間約8300件をピークに以後減少傾向にあるが、それでも近年1300件前後は起きている。大規模な林野火災も記憶に新しく、気候の変動で今後リスクは増加するという。費用対効果の問題もあろうが大規模な林野火災を対象としたAIやロボット技術の活用に期待したい。
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