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コラム・素領域

2017年12月22日号

素領域

人間と犬との付き合いは長い。ロシアの遺跡から約1万7千年前の犬の骨が見つかっているのだ▼しかもその骨は、他の狩猟対象となっている動物の骨とは違い、きちんと埋葬されていた。当時の人間は、狩りのパートナーとして犬と一緒に暮らしていたことが推測される。このように人間と深い関係を保ってきている犬ではあるが、最近、その親密度を証明する研究データが発表されている▼スウェーデンのチームの研究成果で、一人暮らしで犬を飼っている人は、動脈硬化や心臓病のリスクが大幅に減るというのだ。40歳から80歳の人、約340万人を対象に12年間の健康データをもとに、犬の飼い主に関する情報を照らし合わせて、その影響を追跡している▼その結果、一人暮らしの場合、犬を飼っている人は飼っていない人よりも血管の疾患で亡くなるリスクが36%も減っているというのだ。家族と暮らしている人でも犬を飼っていると15%ほど低下しているという。因果関係ははっきりとは分かっていない▼研究チームによれば、犬を飼うととにかく家から外に出る機会も増える。そうなれば犬とのふれあいや周辺社会との交流も盛んになるし、犬に癒されることで飼い主の免疫力が活性化する可能性が高いとしている。現代社会での人間と犬との関係を見てみると、警察犬や麻薬探知犬、最近では人間の生活を補助してくれる盲導犬に介助犬と本当に幅広い分野で日々活躍し、役に立ってくれている▼来年の干支は犬(戌)、改めて人間との絆がさらに深まればと願っている。

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