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コラム・素領域

2017年6月2日号

素領域

膵臓ってどんな臓器なのか。食物の消化を助ける膵液やインスリンなどのホルモンを生産している臓器だということくらいはご存じの方も多いことだろう▼では、どんな形をしていて、体のどこにあるのかというと筆者を含めてだがあやふやになってくるのではないだろうか。まず位置だが、胃と背骨の間に目立たないように収まっている。形といえばピーマンに似ていて、膵頭部(ヘタの部分)は十二指腸に囲まれており、膵尾部は脾臓と結ばれている▼ところで膵臓といえば、いま膵臓ガンが増え続けている。問題は死亡者数で、厚生労働省のデータによると2001年に男性約1万人、女性約8千9百人だったものが、15年には約1万6千人、1万5千人となり、現在、新規患者数でも死亡者数でも肝臓ガンを抜いて4位となった▼目立たない臓器だけに発見が難しく、見つかった時には手術ができないような状態になっていることが多い。専門家も「膵臓は大動脈に接しているだけに、そこに浸潤している場合手術はできないし、可能でも大手術になってしまう。お腹のエコーによりしっかり診ていくことが早期発見につながります」と指摘する▼ただ増加の要因は、高齢化によるところが大きく、患者数が増えてくるのは50代からで、男性の場合70代でピークとなる。膵臓ガンの腫瘍マーカーは血液検査で簡単に調べることができるとか。糖尿病との関連もあるようで、日頃から健診等できちんとチェックすることが最善の策のようだ。

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