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コラム・素領域

2017年3月31日号

素領域

日本の南極観測は、昭和31年から開始され、60年が過ぎた。筆者も何度か南極に赴く隊長や成果をあげて戻った隊員を取材し、興味深い話を聞くことができた▼南極観測というと、どことなく男のロマンの世界だと思われがちだが、最近では女性が当たり前のように活躍しているという。初めて女性が参加したのが1987年で、これまでに120人ほどになる。中には越冬をする隊員もいるそうだ▼現在、第58次越冬隊が現地で様々な業務を遂行中だ。地球環境問題に関連する温暖化ガスの観測がやはり中心となっているようだが、南極はそれにうってつけのところで、人的影響のない地球のありようを知るデータが得られ、将来の地球環境を予測できる▼昭和基地では30年以上前から二酸化炭素濃度の測定を行っている。その結果、当初は300ppmであったものが昨年には400ppmを超えるまでになり、確実に地球上の二酸化炭素濃度が増えていることの証拠を世界に突き付けるデータを出している▼ただ南極観測は、本来、我々人類が住んでいる地球の過去から将来を予測することを目的として実施されてきている。日本では、100万年前の氷を掘削し、より長い地球の歴史を知るデータを得ようという計画も進められている▼南極は、南極条約のもと領有権の主張は凍結するということで各国の了解が得られている地域だけに、観測データは各国が共有できるのだ。この体制がいつまでも続くことを願いたい。

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