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コラム・素領域

2019年9月27日号

素領域

以前、数学は全ての学問の共通言語と言われていたが、最近ではAI、IoT、ビッグデータなどの応用領域での共通基盤となっている▼世界各国が数学の振興と応用展開に力を入れているが、日本でも2006年に科学技術・学術政策研究所が報告書「忘れられた科学-数学」を公表して以降、JSTの戦略的創造研究推進事業やWPI(世界トップレベル拠点形成プログラム)などでも、数学とその応用について力を入れてきた▼米国は人口比で日本の2・6倍、GDP比で4倍の規模の国だが、数理科学博士号取得者を見てみると、日本が毎年140人ほどなのに対して、米国は1600人と10倍以上の規模となっている。研究費でいうと、日本の数十億円に対して米国は440億円ほどだ▼これに対して、国際的な学術賞は、フィールズ賞が日本の3件に対して米国は13件、ガウス賞が日本1件に米国2件、チャーンメダルが日本1件に米国2件とかなり健闘している。しかしながら、これは日本の数学界がこれまで純粋数学を重視してきた結果とも言える▼最近の政府プロジェクトでは数学と他分野との協働を促進するための取り組みがなされているが、富士通研究所など一部の企業を除けば、日本の産業界と数学界との協働は欧米と比べて少ない▼坪井俊東京大学名誉教授は数学を振興し他分野・産業界との相互交流を活性化するため、欧米でも導入されている訪問滞在型研究施設の構築を提案している。数学者が現実の様々な課題を認識するためは、数日かけて相互理解する必要があるためだ▼現在、政府内では大学の「出島(産学共同拠点)」を検討しているが、数学拠点もその一つとなるかもしれない。

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