謹んで新年のお慶びを申し上げます▼総務省消防庁によれば、平成30年中の総出火件数は約3万8千件で、10年前、平成21年の約5万件と比較すると減少傾向にはあるが、それでも年間1427人の死者が発生した▼約3万8千件の出火原因は、たばこが最も多い3414件、たき火が3095件、こんろが2852件、放火が2784件、放火の疑いが1977件と続く。放火と放火の疑いを合わせると、1位のたばこより高くなる。一方で、8位以降の身近な電気機器や配線器具、ストーブの合計も3千件を超える▼製品評価技術基盤機構によれば、2014年度からの5年間に通知のあった製品事故情報309件中、使用者の誤使用や不注意と推定された事故は107件に上り、その中で最も多いのは、ほこりや水分の付着によるトラッキング現象によるものだという。コンセントに電源プラグを長期間接続していると、ほこりから発火したり、テーブルタップに最大消費電力を超える電気製品を接続することで電源プラグ内が異常発熱し、製品とその周辺を焼損する事故が発生したりする。ぜひ、自宅や職場等の点検をお願いしたい▼火災は空気の乾燥する冬が多いように感じるが、実際の発生件数は12月から春本番の5月まで多く、ピークは3月だ▼年末には歳末火災特別警戒が各地で実施されている。拍子木の音と夜回りは冬の風物詩だと思っていたが、近年では騒音問題にもなっているらしい。それはともかく、これからの季節、ますます火事には注意してほしい。「火の用心!」
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