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コラム・素領域

2020年6月12日号

素領域

新型コロナウイルス感染症拡大で、外出やイベント開催などの自粛要請が続いているが、仕事や教育、催しなどで、ICT(情報通信技術)の活用が改めて見直されている状況だ▼報道関係でも、記者会見をオンラインで行う企業などが増えたが、主催側の説明だけでなく、質疑応答もできるため、通常の対面での会見と比べてそれほど不都合さはない▼講演会やシンポジウム、フォーラムなどのオンライン開催も経験してみたが、講演者の顔やスライド資料などもよく見えて、特段の不都合さはないように思った▼ただ、実会場での会見や講演会などでは、終了後に講演者や会見者と名刺交換するなどして人的交流がはかれる。ぶら下がり取材で一層の話が聞ける。オンラインではそうした点の物足りなさはある▼しかし、これも運営の仕方でうまく工夫できることかもしれない。逆に、会場まで出かける煩わしさがなく、時間や交通費などの節約になる。オンラインの会場なので、聴講側は気軽に入退出が繰り返せるなどの利点もある▼今回の外出自粛でテレワークを余儀なくされた人も時間や交通費の節約など、よさを実感したのではないだろうか。これを機にテレワークを本格実施することにした企業もある▼さらに、学校ではオンライン授業を実施することになったが、従来の実授業とは違うメリットを見いだしているという報道が多々ある。今後は、通常の授業に加え、オンライン授業をうまく取り入れた教育改革が急速に進むかもしれない▼このようにICTを活用したテレワークやオンライン授業、イベントの実施が進み、感染拡大によって「ニューノーマル」の一端が見え始めているのかもしれない▼もちろん、まだ課題も多いだろう。しかし、こうした現況が、つらいばかりの現状を乗り越えた先のアフターコロナを明るく照らす、一条の光になることを期待したい。

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