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コラム・素領域

2020年9月11日号


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宇宙探査機「はやぶさ2」が12月6日に地球へ帰還することが決定した。まだ3カ月ほど先になるが、今から待ち遠しいかぎりである▼2014年12月に打ち上げられてから現在まで約50億㌔を超える飛行を続けている。この間に小惑星「リュウグウ」に2度着陸。採取した石や砂の試料の入ったカプセルを持ち帰ってくれる▼「はやぶさ」の名前は鳥のハヤブサ(隼)が由来である。同じ猛禽類のワシ(鷲)やタカ(鷹)のように強いのは確かなのだが、ハヤブサはどことなくはかなさを漂わせているように思えてならない。初代の「はやぶさ」は、姿勢制御装置が壊れたりエンジンの燃料が漏れたりで、まさに満身創痍の状態であったものの、何とか地球に戻り、貴重なカプセルを放出した後、夜のオーストラリア上空で飛散し果てた。人はその姿に魅力を感じるのである▼「はやぶさ2」は初代とは異なり、カプセルを地球に届けた後には次の予定が待っていて、別の小惑星に向かうのだという。小惑星の候補は2つあり、1つは2001AV43で、長さ40㍍の細長い形をしたケイ素質のS型小惑星。もう1つが1998KY26で、地球に接近したことのある約30㍍の球形をした水や炭素が多いC型小惑星である。どちらになるのかはまもなく決まるそうだ▼「はやぶさ2」は、これまで順調に飛行し任務を果たしてきているので、新たな任務も十分にやり遂げてくれるものと思う。機体やエンジンが耐用年数を超えるのは10年後の予定だ▼これまでに残した足跡によって天体観測や宇宙開発に計り知れない貢献をもたらしてくれた。まだ重大な仕事が残っている。最後まで責務を全うしてほしい。

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