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コラム・素領域

2021年4月30日号

素領域

昨今、「あの時こうしておけばよかった。ああしておけば好転したはずだ」と後悔することが増えてきた。年だからと諦めてはいるのだが…▼後悔と言えば、まだ筆者がかけ出しの記者の頃、上司から「やろうかどうしようかと迷ったならば、とにかくやってみろ」と忠告されたことを思い出す。これはアメリカの大学の研究成果であるが、対面や電話、あるいはアンケート調査などの方法で、老若男女問わず様々な対象から収集したデータを分析したところによると、やったことでの後悔は短い期間で済むが、やらなかった後悔は長期にわたってマイナスの感情を残すという結果となったそうだ▼これに関連することなのだが、ツァイガルニク効果(旧ソ連の心理学者、ブルーマ・ツァイガルニクが1927年に提唱)という心理学用語がある。人は達成できた事柄よりも、達成できなかった事柄や中断している事柄の方をよく覚えているという現象のことである。「何らかの欲求が未完成である場合、緊張感が続きやすく、達成することで緊張感が解消する」という仮説に基づいた心理学的実験により実証された▼常々もっと行動力があればと思う人がいるであろう。筆者もその一人であるが、思っているだけでは何も改善しない。そういう人には、最初に1歩でも2歩でもよいから着手しておくことを勧めたい。やらない後悔よりやる後悔。何歳になっても悩むということは、何歳からでも成長することができるととらえるべきである。その際には、ツァイガルニク効果が手助けしてくれる▼「案ずるより産むがやすし」である。考え過ぎずにまずは行動を!

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