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コラム・素領域

2021年7月9日号

素領域

聴覚や発話等に障害があり自分では電話をかけられない人と、そうでない聞こえる人等とをつなぐ公共インフラとしての「電話リレーサービス」が、7月1日から始まった▼同日は関係者が参加して記念のセレモニーがオンラインで開催された。筆者も登録してオンライン配信のセレモニーを取材したが、関係者のあいさつや祝辞などを聞いていて、このサービス開始の意義を改めて思った▼パソコンやスマホなどが急速に発展・普及して、こうした聴覚障害等のある人たちにも便利なツールとして利用されているだろうなと考えていた▼しかし、仕事でより詳細に伝えたい時や、110番などの緊急通報が必要な時、サービスなどの注文や予約で相手と細かくやりとりする時など、やはり直接相手とリアルにコミュニケーションできないと困るということが、聴覚障害等のある人たちの話で理解できた▼そうした聴覚障害等のある人たちの電話を、代わりに手話通訳オペレータが仲介して相手にかけ、障害のない人たち等とリアルにコミュニケーションできるようにするのがこの「電話リレーサービス」である▼さらに、今回は公共インフラサービスとして開始されたことで、従来とは違い365日24時間、いつでも聴覚障害などのある人たちが手話や文字で相手と電話でコミュニケーションできるようになり、110番や119番などの緊急通報もかけられるようになった▼今回のサービス開始には、聴覚等の障害のある人たちの安心安全な生活の向上や、就労など社会進出の拡大にもつながるという重要な意義がある▼ぜひ聴覚障害等のある人たちの多くに利用してもらい、また、それ以外の人たちもこのサービスを理解して快く受け入れ、インフラとして定着していってほしいと思う。

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