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コラム・素領域

2021年10月22日号

素領域

総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)で、STEAM教育、探求力の育成、ギフテッド(先天的に突出した才能の持ち主)の子供たちのための教育について議論が進んでいる。学習指導要領には記載されているものの、日本の初等中等教育において不十分だと考えられているものだ▼発達障害の可能性のある子供は、小学校1クラス(35人学級)で2・7人、中学校1クラス(40人)に1・6人。ギフテッドの可能性のあるIQ130以上の子供は1クラスに、小学校で0・8人、中学校で0・9人いるとされる。在留外国人等が増える中、家で日本語をあまり話さない子供もクラスに1人存在する。これらの子供たちに、公教育は十分対応できていないという▼デジタル化の進展とGIGAスクールによる一人1台の端末導入によって、学びたい子供は先を学べて、遅れ気味の子供にはそばに寄り添った形での学習を提供し、多言語に対応した教育機会も創出できるようになってきた。ただし、これらは全て技術的には可能ということであって、現実に落とし込むには、対応できる現場の教員が足りない、また現場の教員は多忙で新しいことを学ぶ時間が取れないなどの問題も指摘されている▼そうはいっても、では具体的に、どの学校のどの先生が、どのような業務でどれだけ忙しいのかを集めたデータはない。基礎的なデータがないため、学校のマネジメントが適切なのか、無駄な業務は何なのかを明らかにすることができず、同じような議論を繰り返すことになる▼オンラインコンテンツの充実や好事例の横展開なども良いことだが、本質的な見える化をしなければ効果的な改善はありえない。大学マネジメントにおいても同様だ。

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