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コラム・素領域

2022年2月18日号

素領域

オミクロン株の登場で、またもや急速な感染拡大に陥っている新型コロナウイルス。2年以上続くこのパンデミックは、いまだに全く先が見通せない。世界が一致協力して対策に力を注がねばならない▼しかし、そうした中で北朝鮮のミサイル発射実験が続き、欧州に目を向ければロシアによる侵攻が危惧されるウクライナ問題が緊迫した局面を迎えるなど、世界情勢は雲行きが怪しくなっている▼世界がいま抱える目前の危機は、パンデミックや気候変動などではないのか。戦争の準備や紛争などに、貴重な人とお金と科学技術を費やしているときではないだろう▼人類が持つ大きな力のひとつである科学技術を活用して、パンデミックなどの対策に世界が協力して取り組まなければならない。世界が抱える問題はそれだけではない▼国連SDGsで掲げる、貧困や飢餓をはじめとした多くの問題がいまだに解決されずにいる。これらどの問題をとっても、一国で対策に取り組めるものではない。全人類の協力が必要である▼1999年の世界科学会議におけるブダペスト宣言では、科学の社会に対する役割を、「平和のための科学」として明確に位置付けた。科学技術の発展は豊かな人類社会を築いてきたが、その半面で環境問題など様々な弊害も生んできた▼宣言は、その反省に立って科学の将来への方向を示したものだと言える。まさに、いま世界が取り組んでいる、SDGsを科学技術イノベーションで実現しようという「STI for SDGs」につながるものである▼この平和のための科学を、SDGs実現のために活かすことこそ、いま世界が取り組まなければならないことである。北朝鮮、ロシア、そして主要国のリーダーたちは、いま何をなすべきか足元をしっかり見つめなおし、危機回避へ力を尽くしてほしい。

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