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コラム・素領域

2022年5月20日号

素領域

ロシアのウクライナ侵攻はいまだに終結が見えないまま、痛ましい紛争状態が続いている。一方で、今回の紛争ではテレビ放送やインターネットなどを用いた情報戦もすさまじい▼我々が見聞きするテレビや新聞報道では、ロシア側の一方的で残虐なウクライナ市民への攻撃などが伝えられている▼逆に、ロシア国内では情報統制が行われ、侵攻を正当化する情報や戦闘勝利の情報などが、ロシア国民に伝えられていると報道されている▼ロシアでは第二次大戦で日本がしたのと同じような情報操作が行われているようで、あまりの時代錯誤に驚く▼世界中の多くの人は自らが紛争中のウクライナに行き、自分の目や耳で現状を確認することは困難である。自国の報道を信じるしかなく、伝えられる情報から状況を判断するしかない▼それだけに信頼できる報道が重要かつ大切である。そして、入ってくる情報から状況を判断して理解するためには、個々が学び蓄えてきた自身の知識や経験などが必要になる▼我々日本人が第二次大戦後に教えられ学んだことで大切なのは、もう戦争はしない、原爆(核)の悲劇は繰り返さないということである▼これは日本人だけではなく、世界中の人々にも持ってほしい考えである。人類の歴史を振り返ると、幾度もの戦争を繰り返し今日の世界が築かれてきた▼その中で戦争がどれだけ悲惨なものかも十分に学んできたはずだ。21世紀のいま、命を奪い合う戦いは避け、すべては話し合いの場で決めていくしかないのではないか▼国連はそのために設けられた場である。ロシア、ウクライナ、関係する西側諸国は一刻も早く戦闘を終結させ、話し合いの場に臨むことに力を注ぐべきである。

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