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コラム・素領域

2022年7月29日号

素領域

厚生労働省は8月1日から9月30日まで、労働災害防止に向けて事業場・企業で行っている、通常視覚的に捉えられない危険性、有害性を「見える化」して効果的な安全活動につなげた事例を募集する「令和4年度『見える』安全活動コンクール」を実施している。応募した事例は「あんぜんプロジェクト」Webサイト(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzenproject/)に掲載され、11月から12月末まで一般投票を行い、優良事例が決定される▼食中毒の原因も目には見えない。厚生労働省の統計によれば、気温と湿度の影響で梅雨期と夏に増えるが年間通してコンスタントに発生している▼特に寄生虫のアニサキスによる食中毒は原因物質別で最も頻度が高く、近年では年間3百件以上が発生している。長さ2~3㌢㍍、幅0・5~1㍉㍍くらいの白いアニサキス幼虫が寄生している生鮮魚介類を十分な冷凍(マイナス20度Cで24時間以上)または加熱(70度C以上または60度C1分)を経ずに食べることで発生する。例えば酢やワサビ、塩、醤油などによる一般的な下処理や味付け程度では死なない。主にみぞおちの激しい痛みや嘔吐を症状とし、アレルギー反応を起こすこともある▼アニサキス幼虫は魚介類が死亡し、時間経過すると内臓から筋肉に移動する。そのため鮮度の良い魚介類を選び内臓は食べないこと、食べる前に目視で確認することが予防につながる▼人は見たくないものが見えなくなる傾向があるのが厄介だ。何事も冷静に実態を捉えられるよう注意したい。

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