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コラム・素領域

2022年12月16日号

素領域

1969年7月に人類が月面に立ってから半世紀以上が過ぎた現在、米航空宇宙局(NASA)は、人類の月面再着陸を目指す「アルテミス計画」を進めていて、米国を中心に欧州・カナダ・日本などが参加している▼まず第1段階で、新たに開発したロケットを使って、新型宇宙船「オリオン」を無人の状態で打ち上げ、月を周回する試験飛行を予定している。第2段階には、実際に宇宙飛行士を乗せて月を周回する試験飛行を敢行。これは2024年を目指している▼第3段階では25年を目標に宇宙飛行士が月面に降り立つ計画だ。その先には月を周回する新しい宇宙ステーション「ゲートウェイ」を建設し、宇宙飛行士を定期的に送り込んで滞在できるようにする▼それだけではない。史上初めてとなる女性飛行士の月面着陸を目指すほか、楽しみなのは、日本人宇宙飛行士の着陸も検討されていることだ。日本では、文部科学省がNASAと共同宣言に署名。ゲートウェイ居住棟への機器の提供、補給、探査機による月面データの共有、与圧ローバーの開発など月探査に協力することになっている。そして30年代には月を拠点として、火星に有人着陸することを見据えているのだ▼ところでオリオンは、11月16日に打ち上げられ、順調に飛行を続け、29日には地球から約43万5千㌔㍍離れた場所に到達。人が乗り込めるように設計された宇宙船としては、地球からの最遠距離記録を更新した。こうした試みには思わぬ困難が付きものだが、計画が順調に進むことを心から願っている。

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