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コラム・素領域

2018年8月10日号

素領域

厚生労働省の平成28年医師・歯科医師・薬剤師調査によれば、同年12月31日時点での全国の医師数は31万9480人で、前回の平成26年度比で2・8%(8275人)増加している。総数における男性の割合は78・9%、女性は21・1%である。少なくとも平成8年からの総数は、数%ずつではあるが増加が継続している▼一方でWHOの統計によれば、OECD加盟国の人口千人あたり臨床医数は日本は2・3人で、下から4番目である。ちなみにいうと、近年日本では医学部に入学する女性数が増加していて特に若年層の女性医師が増加しているにもかかわらず、女性の臨床医数は最下位だ▼日本で受けられる医療の水準を考えれば、医師の数とその水準に相関があるとは思えないが、OECD加盟国の平均は2・8人だ。近年問題になっている医師不足は、単なる人数の問題ではなく偏在が原因とされてきたが、数自体も少ないことになる▼政府は対策を打ち出しているが、いずれも体制は変えずにコストを抑えて実行可能なものが多くを占めている。責任が重いうえに、医学が日々進歩し、絶えず学んでいく必要があるという職業の実態を反映してもいない。なにより、偏在を解消しようと健闘する高い志をもった医師本人に利点がない▼医師と同様に、介護士や保育士の不足も問題になっているが、いずれも原因は数ではなく、責任の重さとそれに見合わない給料の低さにあると思う。奉仕は美徳だが、周囲がそれを利用するのは搾取だ▼某大学で入学試験の得点に女性に不利な操作が加えられていた可能性が報道された。こうした告発はデマでなければ内部からであるため、皮肉なことだが良識ある教育者がいるという証しでもある。現在は内部調査中とのことだが、大学にはいま一度初心を思い出し、正しい判断を期待したい。

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