世の中の動静を知るのに様々な統計が役立つ。最近では、中国の国家統計局が1月17日に2022年末の人口を発表し、約60年ぶりに前年人口より減少したニュースがテレビや新聞などで大きく報道され、話題になった▼また日本の人口トピックスとして、総務省統計局が今年の干支である卯年生まれの1月1日現在の人口を997万人と発表している。総人口1億2477万人(男性6065万人、女性6412万人)に占める割合は8%である。ほかに男女別や出生年別の卯年人口数もまとめていて興味を惹かれる▼少し変わった統計では、全国の事業者・店舗の電話番号や業種が登録されている電話帳(タウンページ)を活用した、独自の都道府県別業界ランキングというのもある▼NTTタウンページという会社が行っているもので、登録件数から業界の動向を考察している。最近では、神社の都道府県別登録件数ランキングを発表して、全国の神社運営の状況を紹介している▼それによると、ここ10年間の登録件数は、2013年の9068件から毎年減少し、22年には7594件まで減った。地方では人口減少・少子高齢化が進んでいる。そのため神社の収入源となる氏子の数が減少し、神社運営は苦境に陥っているという▼さらに、新型コロナの感染拡大が追い討ちをかけた。感染拡大が始まった20年から22年までの平均減少数は約180件で、それ以前の19年までの平均減少数150件を上回っている▼神社への参拝が減り、祭事の中止などで奉納金収入が途絶え、神社運営は一層困難さを増している状況だとしている。電話帳の登録件数からこうしたことまでうかがえる、興味深い統計である。
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