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コラム・素領域

2023年4月21日号

素領域

日本財団と環境省は海ごみ対策共同事業の全国一斉清掃キャンペーン「海ごみゼロウィーク2023(春・秋)」の清掃参加申し込みを4月から開始した。5月27日~6月11日の期間を「春の海ごみゼロウィーク」として全国一斉清掃キャンペーンを実施する▼海洋には毎年約1千万㌧のプラスチックごみが流出し、今後も続けば2050年には魚の総量を超えると考えられている▼深海には独自に進化した生物が生態系をつくっている。今月はじめには、東京海洋大学などの国際研究グループが昨年に伊豆・小笠原海溝の水深約8千㍍の海底で撮影したスネイルフィッシュが「最も深い場所で発見された魚」に認定された。この水深は理論的な魚の生存限界とされ、水圧のため魚は速く泳げないという。映像で確認された魚も調査のために置かれたエサに惹かれて現れるも、先に来た強いソコエビ類が食べ尽くした後でエサを食べることはできなかったようだ▼日本の深海探査は1954年に当時、東京水産大学(現在の東京海洋大学)の教授だった佐々木忠義氏がフランスから有人深海探査艇「バチスカーフ」を招致して行った調査で本格化した経緯がある。この調査で佐々木氏は日本海溝で当時の太平洋の最深潜水記録である水深約3千㍍の海底に到達した▼国立科学博物館は海洋研究開発機構などと協力して7月15日から特別展「海-生命の源」を開催。前述の調査で捕獲された深海のソコエビなども展示が予定されている。また東京海洋大学は同じ時期に深海に関する特別展の開催を予定しているという。たいていの人は深海に行くことはできないが、その様子を垣間見ることで新たな海の魅力に気づくかもしれない。

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