メディアの中で情報源としての重要度が最も高いのはテレビ(82・3%)であり、次がインターネット(77・8%)。新聞(45・5%)と雑誌(12・9%)はこれらより低い▼これは、総務省がまとめた「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(対象者:13歳から69歳までの男女1500人)によるものだ。近年は新聞などの紙メディア離れが叫ばれているが、結果はそれを裏付けているようだ▼ニュースの速報性では、テレビやインターネットより紙メディアは劣る。動画視聴という点でもテレビやインターネットの魅力は明らかだ。紙メディア離れは、もはや時の流れだろうか▼とはいえ、まだ読者はいるのである。新聞を信頼し、ニュースを確認する際には、最終的には新聞でという人も結構いるのではないか。先の総務省の調査報告書でも、新聞の信頼度が最も高い(61・8%)という結果が出ている。テレビ(61・1%)が同程度で続き、インターネット(30・9%)と雑誌(16・6%)は低い。一方で、インターネットについてはいまフェイクニュースやフェイク画像が大きな問題になっている▼アメリカ国防省近くで爆発が起きたという偽情報と画像がSNSで拡散されて大騒ぎとなり、株式市場にまで混乱を与えたのは記憶に新しい出来事である。いま注目されている生成系AIを使うと、より巧妙な偽の情報や画像が作成され、大きな脅威になるという見方もある▼新聞に携わる者としては、こうしたフェイクニュースに踊らされて誤った情報をさらに拡散させることのないよう、これからも注意を怠らずに、読者にフェイクでない有用なニュースを届けていきたいと思う。
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