海上保安庁は船舶運航者やマリンレジャー愛好家に対し、灯台などで観測した全国各地の風向、風量、風速、高波などの局地的な気象・海象の状況、海上工事の状況、海の模様が把握できるライブカメラ映像などの「海の安全情報」をリアルタイムで提供している。スマートフォン用サイトでは、地図上の管区名をクリックすることで情報を見ることもできる▼海上保安庁が発行する令和5年「海難の現況と対策」によれば、昨年に同庁が取り扱った人身事故者数は2378人で年々減少傾向にあり、過去10年間で最も少なかった。それに伴い死者・行方不明者も減少が続き、939人だった。死者・行方不明者を伴う人身事故の内訳は海中転落が最も多く350人(37%)、次いで溺水(自殺を除く)が146人(16%)、病気が87人(9%)と続き、過去5年間同じ傾向を示している。マリンレジャーに伴う海浜事故での死者・行方不明者は199人だが、そのうち51%を溺水、41%を海中転落が占め、その活動内容は釣り中が44%、海泳中が35%を占める。海に入るより釣りの方が事故が多いということになる▼本州では海開きはおおよそ7月が予定されているが、最も早いのは和歌山県の由良浜海水浴場で、既に5月3日に行われた▼一昨年のマリンレジャー活動中の人身事故数のうち、約60%は海水浴場以外での遊泳中に起きている。また釣り人の人身事故者数は8月から上昇し、11月がピークになる傾向がある。海の事件・事故の緊急通報用電話番号は「118」。何か不測の事態が起きた時のために知っておきたい。身体にこたえる炎暑の季節が始まった。海水浴中でも熱中症にはなるのでご注意ください。
© 2024 THE SCIENCE NEWS